徳川夢声と〈3つの袋〉の語源説

ウィキペディアで「徳川夢声」の記事を読んでいたら、〈いわゆる「3つの袋」と言われる、結婚式のスピーチで定番の起源を作った人ではないかと言われているが、その真相は不明である。〉という謎の記述が。こんなもの前はなかった筈だが……と思って編集履歴を見ると、今年のはじめに増えたものらしい。

いろいろググってみたら、日テレの「爆笑問題のそれっていつから?ヒストリー 2 」(2016/1/24)という番組が、〈3つの袋〉の起源を調査したのが発端のようだ。

徳光和夫の紹介で、日本司会芸能協会の祝太郎を訪ねたところ、昭和35年ごろには既に存在していた言葉で、「徳川夢声が何かの際に言っているのを聞いた」という証言が得られた……という内容。

もちろん番組内でも結論は未確定という扱いだったが、夢声は1958年に放送された「テレビ結婚式」(TBS)の司会をしていたので、〈3つの袋〉の言いだしっぺに仮託されるのも、さもありなん。

番組名も書かないウィキペディアの適当さたるや、といったところだが、都市伝説が生まれる瞬間を目にしたようで興味深かった。

ちなみに、濱田研吾氏は番組放送後にこんな舞台裏を明かしている。

昨年末、某テレビ局の方から、結婚式のド定番スピーチ「3つの袋(お袋、堪忍袋、給料袋)」を生んだのは徳川夢声なのか、との問い合わせがきた。夢声が司会を務めた『テレビ結婚式』のことは話したが、映像は見たことないし正直、夢声語源説には疑問がないわけではない。夢声の「彼氏」語源説は事実。(https://twitter.com/hamabin1/status/692004256522481667)

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