『昨夜のカレー、明日のパン/木皿 泉 』

若くして夫を亡くしたテツコさんは、その父親ギフと一緒に暮らしている。
お互いがお互いを尊重し、適度な距離感をもって暮らしているのだ。

夫婦でもなく、親子でもない、他人なのに、お互いの共通項である家族を亡くしたことで、ある意味宙ぶらりんなままの関係、周りからは不思議に写るかもしれないが、実に自然で、羨ましくさえ感じる。

付かず離れずの共同生活は、家族ってなんだろう、と考えさせられる。

登場人物全てが憎めないキャラクターで、それぞれの一生懸命な様が時に滑稽で、読みながら、ふふふ、となった。
さすが本屋大賞。

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