見出し画像

狂犬病予防法(昭和25年成立時)/ 大臣署名

今のではなく、昭和25年に出来た時の狂犬病予防法を読み続けています。

法律の最後には「附則」というものがあります、と前回書きました。
その更に後ろに大臣署名があります。関連する大臣の署名があり、魅力的な筆遣いな大臣もいたりします。

今回はオマケ的な意味で、どのような大臣が担当していたのか、それを簡単に書いておきます。


この法律の大臣署名欄には以下の三大臣の名前がありました。

内閣総理大臣 吉田茂
厚生大臣 黒川武雄
農林大臣 廣川弘禅

国立公文書館デジタルアーカイブ 狂犬病予防法・御署名原本・昭和二十五年・法律第二四七号


内閣総理大臣 吉田茂

私は歴史に疎いので彼の政治的な功績などはほとんど分かっていません。なのでまず Wikipedia の吉田茂のページを読んでみました。
生立ちから複雑であったことを知る。「それ知っている」と思ったのは大磯の「旧吉田茂邸」くらい。犬とよく出かけた時に「一度は入ってみたい」とおもいながら利用したことがない。

量があるWikipediaですが、狂犬病予防法のことが書かれているか、または犬関連のことが書かれているか、「犬」でページ内検索をかけたら「犬養健」(指揮権発動のくだりですね)が出てきただけだった。

犬ネタを探しネット上を彷徨っていると 歴史上の人物.com の「吉田茂とはどんな人物?簡単に説明【完全版まとめ】」を見つけた。
ページの随分と下の方ですが赤字大文字で「無類の犬好き」と書かれています。(Wikipediaには書かれていなかったことが残念)。
平成の頃、日本でも少し知られたケアーン・テリアの話や愛犬のお墓、突然手紙を送ってきた小学5年生の女の子に子犬を譲る話など。
ページの末尾にも「③ 無類の愛犬家だった」とあります。
私が知っている吉田茂の知識は愛犬家であったくらい。このページを読んでいると、海外生活が長いことが関係しているのかと考えたりもした。

海外生活の影響もあったと思われるが、幼少の頃の暮らしに原点があったことを前述旧吉田邸関連の以下のページ内の動画で知った。
【ミニパネル展示】吉田茂の愛犬たちのページ @ 大磯町郷土資料館
サンフランシスコ講和条約は1951年(昭和26)、つまり狂犬病予防法が成立した翌年。初代ケアーンテリア協会の会長であることも驚き。

明治から昭和30年台くらいまでの(政治家に限らず)「大物」と呼ばれた人たちの中に愛犬家として今も知られている人たちがいますが、もしかしたら海外(主にヨーロッパ)生活からの影響がある人も少なからずいたのかも。
1990年台後半から日本において動物愛護が注目され始めた時期も、欧米に暮らしていた人達からの情報がありました。ちょうどその頃からインターネットが普及し海外の情報が入手し易くなってきましたが、やはり実際にその文化の中で暮らした人の情報からの影響は大きかったと記憶しています。

厚生大臣 黒川武雄

全く知りませんでした。なので Wikipedia の黒川武雄のページを見てみる。
なんと羊羹の虎屋の人だった!!
虎屋に付いて調べていたらとらやのサイト内に「黒川武雄と『空の旅』」というページを見つけた(虎屋は社名)。
彼も吉田茂同様、養子であることを知る。幼くしてではなく、15歳の時、父(開業医)を亡くし、第一高等学校入学後に黒川家の養子になったと書かれています。
菓子作りにも励み、今も残る懐中汁粉や羊羹を考案したと書かれています。
そして全国生菓子協会の会長などになり、政治家となってゆきます。

私が探した限り、黒川武雄と犬の関係は見つかりませんでした(残念)。

農林大臣 廣川弘禅

この人も全く知らなかったので Wikipedia の廣川弘禅のページを見る。
本名(戸籍上の名前)は弘であり、弘禅は僧侶名とある。
政治家としては世田谷町議が出発点。このページを読んでゆくと世田谷区内の学校名、地名などが目に入り、犬のことはほとんど見つけられませんでした。
当時の世田谷はのどかな場所なので犬を飼っていたのではないかと思いますが、確認が出来なかった情報として、第三次吉田内閣発足時の頃、吉田茂が廣川弘禅に犬を譲ったらしいという話をネットで見たような記憶があります。

戦前やGHQ占領下、戦直後までは、実業家や社会活動家が大臣にまでなることは珍しくなかったみたいですね。

猫も繋留

これらの大臣のことを調べていて以下の議事録に辿り着きました。狂犬病予防法成立関連のことも議論されています。
第8回国会 参議院 厚生委員会 第3号 昭和25年7月21日
この中の「006・三木行治」の最後の「最後に狂犬病の予防でございまするが、」から始まる部分を読んでゆくと「猫につきまして繋留することをお願いしておるようなわけでございます。」には少々驚いた。
また「今日の民主思想の下でございまするので、」から始まる部分は、今日の状況に似ているものを感じるし、狂犬病予防法の(抑留)第六条で、抑留から所有者が引き取るまでの期間を長くしない理由がもなんとなく理解出来た。

余談が長くなってスミマセン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?