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マーケティングのあれこれ(STPと4P)

この記事では、マーケティングというかなり幅広い意味を持つ用語の中で、STPと4Pと言われる領域についてまとめてみました。『「高く売る」ためのマーケティングの教科書』著大﨑孝徳より。

あらゆる市場(マーケット)が登場し、すぐに似たようなビジネスモデルも登場する中で、新市場の創造は、今非常に重要なテーマになっているのでないか。

そこで重要になってくるのがマーケティング。その中で、STPと呼ばれるものについて、世の中の事例も交え、学んだことをまとめてみます。

STP=S(セグメンテーション)、T(ターゲティング)、P(ポジション)。

自社の商品・サービスを展開する際に重要になるのが、顧客の分類、すなわちセグメンテーションである。年齢、性別、職業などの変数を分類する。次に、その分類の中で自社がターゲットとする顧客の選定を行う。そして、ここが一番重要だと思うが、今の世の中、自社の商品・サービスと似たようなものを既に世の中にあることが多く、その際に差別化を図ろうとした際には、自社の商品・サービスをどのように位置づけるかのポジショニングが必要となる。

そのポジショニングをうまく活用した例として、エレコムのイヤホンがある。これまでイヤホンといえば、その音の品質における競争が激化していた中で、見た目という土俵で戦うポジションを取り、女性向けにエレガントな商品の開発に取り組んだ。またそれだけではなく、売り場に関してもこれまでの家電量販店での販売のみならず、雑貨屋での販売を行うことで、家電量販店で購買する際に顧客が感じる、数多くあるイヤホンの選定を強いられていたというストレスから開放し、雑貨屋という競合が少ない場所(place)で販売することで、差別化を実現した。

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ちなみに、あまり知られていないかもしれないが、このエレコムという会社、かなりの優良企業である。かのキーエンスと同じくファブレス形態での活動を行っており、2019年3月決算段階で年商約1000億、経常利益約125億で右肩上がりに成長しており、とても素晴らしい企業である。https://www.elecom.co.jp/ir/highlight/index.html(エレコム 財務ハイライト)

次に、4Pに関して、顧客満足度を最大化せるための取り組みとして、商品(product)、価格(price)、流通(place)、プロモーション(promotion)をセットにして提供を考えなければならない。

マーケティング4P

商品というのも広い概念がある。フィリップ・コトラーは以下図のように示した。

コトラーの製品レベル

まず、商品の核に関して、顧客は「ドリルではなく、ドリルによって開けられる穴を買う」、「化粧品ではなく、希望を買う」といった有名な例えである。次に、商品の形態に関して、具体的にはスタイル、ブランド名、特徴、パッケージ、品質水準など記載の通りである。最後に、商品の付随機能に関しても記載の通りのものが挙げられる。

価格について、そもそも価格の設定には3段階あると言われている。①コスト(原価)に基づく設定方法、②需要、つまり顧客が近くする価値に基づく設定方法、③実勢(実際の取引が実現する価格)などの競争に基づく設定方法である。ここで、③は、つまり価格競争であり、自社の利益が十分に確保できず苦しい戦いを強いられる。そのため、これを回避するための価格以外の3つのPの整備が非常に重要な課題となる。

流通について、要は「顧客に対してどのように商品・サービスを提供するか」であり、整理すべきは、「流通チャネル(経路)の長さと幅」である。流通チャネルの長さに関しては、直売(0段階)、小売業者のみ経由(1段階)、卸売業者、小売業者を経由(2段階)、とだんだん長くなり、それぞれについて、例えば0段階を選択した場合にも、直営店、通信販売、訪問販売などのパターンを決定する必要がある。流通チャネルの幅に関しては、「開放的チャネル」「排他的チャネル」「選択的チャネル」がある。

プロモーションについて、これは一般的に良く知られているワードではないだろうか。良く耳にする、広告、販売促進、広報、人的販売など、様々なものが含まれる。これらをバラバラにではなく、有機的に連携させながら計画実践する「プロモーション・ミックス」が重要となる。自社の商品・サービスを考えた際に、どのようなメッセージングをすれば顧客にまず認知され、そこから興味→欲求→記憶→行動という流れを最後までとってもらえるかを考える必要がある。ここでは楽天のプロモーションも巧妙さが例に出されており、2016年当時、ドローンを初めて実用化したというリリースで注目を集めたが、これは楽天の通販事業の配達をドローンで行うということではなく、単にゴルフ場でのドローン活用を行ったというものであったが、世間的認知としては、アマゾンなどより先行して認知を獲得することで、ドローン=楽天という印象をもったということだ。(https://www.elecom.co.jp/ir/highlight/index.html)日経記事

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