見出し画像

境界線

見出し画像は、楓(フウ)の実です。
お散歩途中でみつけました。

イヤリングにしたいくらい可愛くて、そばに落ちていた小さく連なる葉っぱとのアシメ風のイヤリングにコーディネート。
「どお?」って友人にも見てもらい、
「いいねぇ」と言ってもらえてちょっと嬉しくなってにんまり。

雨がパラパラ降ってきたり、かと思えば急に晴れたりをずっと繰り返していたこの日。
女心と秋の空とは言うけれど、どうやら女心は夏の空にもある模様。

友人がたぬきを見たと言うゾーンではモグラの穴しかみつけられなかったけど、紫陽花のヴィンテージ感がとっても素敵なエリアでした。

半夏生

半夏生を過ぎた半夏生に興奮!
葉っぱの白い部分が、まるで半分お化粧をしたかのような葉っぱ。
すでに緑の部分は少なく、『ほぼ全化粧』でした。笑

半夏生 [はんげしょう]

1. 夏至(げし)から十一日目。太陽暦では七月二日ごろ。

2. 水辺に高さ六〇センチほどに生え、半夏生⑴のころだけ頂の葉の下半分が白くなり、白い穂状の花が咲く、どくだみ科の多年生植物。半化粧。

この写真を撮っている時、一緒にいた友人のご両親とばったり遭遇して本当にびっくり。 ご挨拶をしました。
いくつもの公園が世の中にはあるというのに…!慄きさえ覚える確率に、私は変に嬉しくなり。友人はどこか申し訳無さそうにしていたけれど、私の中の“びっくりばったり遭遇ランキング”の上位には入るくらいのすごい偶然に、気づいたら拍手をしていました。

翼果

お散歩は上に下にと、目が忙しい。
今度は上。
もみじの翼果(種)が赤く色づいていました。もみじは秋だけでなく、春や夏も魅力的です。自然からはいつも、四季を通して1つのものをみつめ続けることの大切さを学びます。

こういう創り、好きです。

旧御凉亭にちょっと寄り道。
『あゝ満ちて魚踊れり』の丸窓が大変気に入りました。篆刻欲が無性に掻き立てられ刺激されました。


途中から、ずっとやりたかったグリーンアドベンチャーをみつけて開始。
クロアゲハやアオスジアゲハなど、目視で確認できただけでも4種類以上の蝶が飛んでいたり、ニホントカゲの幼体(しっぽの青いトカゲ)をみつけたり、蚊にさされたり。いろんなイベントが舞い込む中で。

答えが分からず頭を悩ませていた私達。その様子の一部始終を見ていたおじさまに声をかけられ、珍しい花々のアルバムをみせていただいたり、実をつけはじめた柘榴の木や、その他の貴重な木を案内していただいた。
気になった木や花を、本で調べることの大切さを教わりました。

調べるために開いたのに、
じっくり眺めはじめちゃう。

楓(フウ)の実は、お家に帰ってから本棚にある『落ち葉と木の実』の図鑑でちゃんと調べました◎

この楓の実、撮った写真をGoogleで調べると栗の実しか出てきません。私は栗の実を知っているので、この実が栗の実ではないことはすぐに分かりますが、もしも栗の実を知らない方がこの方法で調べ、その違いに気づけなかった場合には楓の実を栗の実と間違って覚えてしまう可能性があります。
例として楓の実で説明しましたが、他の植物などでも起こり得ることなのです。
たくさんの木々の生えるエリアではグリーンアドベンチャーでさえ、問題に出されている木がどちらの木のことを指しているのか分からないことがあり、間違って覚えて帰ってしまう方がいることを懸念されていたおじさま。

便利な方法と案内不足には落とし穴もあることを気づかせてくださいました。


プラタナスの並木道

涼しくなったらこのベンチで本を読みたいねって友人と話しました。

え?そんなところで?!という場所で亀が産卵のための穴をほっている貴重な現場にも遭遇。短い足で土を遠くまで蹴散らし、右脚左脚と交互に、懸命に深く穴を掘る姿に泣きそうになりました。無事に産卵できているといいな。


この実は、なんの実?

朴の実を縮小したような見た目の実。まだフレッシュ感も。
こちらは泰山木(タイサンボク)の実でした。青さに混ざってかすかにいい香りが。実と共に一面に落ちていた、セミドライ化して茶色くなった大きな花びらからは、まだいい香りがしていました。


お昼の休憩をはさみ、お腹も満たされたところでお散歩再開。

この可愛い実は、榧(かや)の実

小学校の同級生に榧ちゃんという子がいて、植物の名前の付く子に憧れをもっていた時期があったことを思い出しました。
食用かどうか、どうやって食べるのかをその場で調べてみると、「美味しい」「いい香り」などの好印象なレビューがなにひとつ無くて、榧の実のしぶとい灰汁と大変な処理例と曖昧な表現の食レポに友人と思わず苦笑い。本当に榧の実は大変なだけで美味しくないのでしょうか?…不思議な実です。

そう思うと、ついさっき友人に、先日食べた「仙草ゼリー」のお話をした時、「どんな味がするの?」と聞かれ「独特な香りが最後に抜けていく、薬草の味。好きな人と嫌いな人に割れる風味」としか言えなかったことが悔しくなってきた。もっと美味しいものや好きなものに対してふくよかに表現できるようになりたい。仙草ゼリーが大好きなのに、ぜんぜん“大好き”を伝えられていなかったなと、我が身に置き換えて考えてしまいました。

(左)豆花と、(右)仙草ゼリー


本当は、この日は1日中お天気が悪い予報でした。前日に、緑道のお散歩予定から屋根のある温室の植物園にプランを変更したのに、いざ着いてみると雲間から少し青空も覗いていて大丈夫そうだったので、そのまま苑内を歩くことになりました。雨が降ってきたら温室に移動しようねって話していたのですが、降られなかったのでほぼ苑内の外で過ごすことに。

いつもこの友人とお散歩する時は、落ちている枝の中から『本日の枝』を1本セレクトし、写真に撮ってとある方に送りつけるのが恒例行事となっています。笑
過去には持ち上げるのも困難なほど太くて大きな枝を引きずる写真や、写真に収めるのもひと苦労するくらい長い長〜い枝を頭上で振り回す写真、仁王立ちで得意げな写真、演武でも始まりそうなポーズの写真、枝でバランス芸をしている動画などなど。
そう。私も写り込んで仕上がる1枚(?)、きっとゼロコもびっくりな枝ばかりです。笑

枝と私のコラボ写真に対する反応やつっこみやワードセンスが秀逸で、毎回内心楽しみにしてしまいます。
この日も忘れずに送信♪

きっかけは、もともとゼロコの『長い枝をみつけた方が勝ちゲーム』をやったことだったのですが、そこから少し違う形にはなりつつも、今も大事に密かにこの恒例行事を続けています。



緑や土の多い苑内でもこの日はとても蒸し暑くて汗が止まらず、美味しそうなアイスクリーム屋さんをみつけたので立ち寄ってみることになりました。
完熟メロンも北海道の大納言も胡麻も美味しそうですごく悩ましかったけど、本日のアイスがローズだと知って、迷いを捨ててふたりともそれに決定。女性は期間限定にめっぽう弱いのです。
恐れていた、香料に頼りきった安っぽい味ではなく、ひとくち口に入れた瞬間にふわ〜っと広がる高貴で華やかな気高き香り。ダマスクローズを想わせる爽やかな芳香、選んで大正解の美味しさでした。

桃園川緑道は晴れの日用の、新宿御苑の温室植物園は雨の日用の次回以降への繰り越しになり、結果、行きたい場所がまた増えました。

帰りのゲートを抜けた先、資料が展示されたスペースに“アカバナナ”の写真がありました。
昔、教育番組でそんな歌があったなぁと急に思い出して「赤バナナ、青バナナ、黄バナナ♪」っていう歌あったよね?と歌を披露しながら聞くと「あったあったー!!」と友人。


…ん?時間差で違和感が。

「……?パパバナナ、ママバナナ、子バナナ、、だった…?ような……??」

ふたりで大笑い。
大人の記憶力って…。笑

赤青黄がでてくるのはパジャマや巻紙だし、それは早口言葉で歌ではないし。危うく3色バナナの歌にすり替わってしまうところでした。笑


新宿駅まで歩いて戻る間、子供の頃になりたかった職業の話になった。
大人になった今、ふたりともその職業ではないけれど、お互いの辿ってきた道や知らない過去の姿とルーツを見れたようで、とてもほっこりした。

その後、高円寺の行きたかった喫茶店と雑貨屋さんにも足を伸ばしました。

雑貨屋さんでは茶漉し箒や、摺鉦(すりがね)箒、コーヒーミル用箒など、小さな手作りの箒類ばかりに惹かれる。笑
とってもかわいいのでタグの説明書きが無かったら「物の間違った使い方」のように用途を間違えてキーホルダーにしてカバンにぶら下げてしまいそう。普段、物はあまり要らない私でも集めたくなる可愛さでした。
最後に気になって触れた商品も、これがまた天然の素材で手作りされた素敵な色をした渋い箒で。うっとり。
もしも本当にそうなら心配なので、「箒ばかりに惹かれてしまって、私、魔女にでもなるのかな」と友人にはこっそり不安を洩らしておきました。笑

気になっていた喫茶店は情報収集不足で喫煙可の店舗だった。席は空いていたけどモクモクしていたので他を探す。友人が以前「ここ良いよ」と聞いたことがあるという喫茶店に行くことになった。

居心地のいい雰囲気で、まったり。
休んでばかりのように思えるけど、夏のお散歩はこれくらい無理せずにちょこちょこと休むのがちょうどいい。

久々に会えたこの日、伊勢のお話とゼロコの舞台『Silent Scenes』のお話しが止まらなかった。共有できることの嬉しさと幸せをしみじみと感じる。思い出して想像して、ふたりでうるうるしたり。こんな時間が豊かです。


高円寺駅の発車メロディーと駅構内のトイレの入口の壁が阿波おどりで、再び『Silent Scenes』の1シーンを思い出して笑顔になった。

帰りの空

白とグレーの雲の境界線。
ふむふむ、これが女心の変わり目かぁ。

会うと、大人と子供の境界線もなくはしゃぐ友人と私。自然体でいられるこんな関係が本当にありがたいです。

人や物事やいろんなものに対する「興味」と「関心」を、こちらにも境界線なく抱き続けることを、これからも大切にしていきたいと思えたとある日のお散歩でした。

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