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企画書風  | アートとコピー Vol.03

効率的に、汎用的に、スピーディに。実務をこなすうえで、売上は重要な評価軸で、そのためには量をこなさないといけない。最近は「誰にでも通用する企画書をつくれ」=「クライアント名だけ差し替えて通用する企画書つくれ」みたいなことを言われたりもする。悲しい話。通用してたまるか。

と、平日の悶々を片隅に、表参道に向かう土曜日夕方。向かう先は宣伝会議のセミナールーム。アートとコピーは、これでもう3回目。半蔵門線への乗り換えも手慣れたもんで、SuicaじゃなくてICOCAでスイスイ。

今日は販促コンペの講評会。仕上げた企画書はトッテオキ。今まで自分が実務で手掛けてきた企画書とは一味違う。この企画書をきっかけにもう一段、プランナーとして上がれる気がする。

で、それは気のせいだったと実感した。

本気で伝える気があるか。

講義中、何度も「言語化」という言葉が出てきた。対象が何者かを、いまの時代を、誰の人生を救えるのかを…。そこを言葉にすることを疎かにしていたことに、この場で気づいてひどく赤面した。企画書は、突飛なアイデアを見せつけるためのものじゃない。丁寧に思考回路を共有して、互いの認識を、ものさしをすり合わて、最後に、互いに「やるべきだ!」と「やりたい!」を共有する。その瞬間に、たどり着くための地図。

改めて、2人でつくった企画書を読み返す。アイデアが先行して、楽しそう。でも、「やるべきだ!」「やりたい!」と本気で思ってもらうために、こっちが本気で工夫を凝らしたかというと、そうではなかった気がする。見つけたアイデアを、とにかく企画書のかたちにまとめた。それだけだった。

ペアの2人で、忙しい合間を縫って、笑い合って楽しんでつくった企画なので、あんまり言いたくないけど、「企画書風」と言われても仕方ない出来だった気がする。

本気で伝える。この心構え、一刻も早く、この頭と体と指先に染み付かせたい。本気でそう思う。この考え方こそ、どんな案件にも、どんなクライアントにも通用するたったひとつの考え方で、それこそ「効率的に、汎用的に、スピーディに」という要件も満たせるものだと思う。

とりあえず、目の前の「企画書風」を、提出期日までに、「企画書」へと磨き上げていこうと思う。忙しい合間を縫って、2人で笑い合って楽しんでつくった企画なので、大切に出力してやりたい。

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