多重人格なわたし
ここ最近、私は自分の二面性に悩まされている。
最初のきっかけは、就活の相談にのってもらっているお兄さんの言葉。
「ぼく、あなたに企業をおススメするのが一番難しいんですよね…。」
ちょっと困った顔をしたお兄さんの目線の先には、私が毎日のように参加している企業説明会の感想を残したスプレッドシート。
「社員のみなさん、オラオラ~って向上心剥き出しすぎて、私はついていけなさそう」と書かれている企業もあれば、「雰囲気がのんびりしすぎて、物足りなさを感じる」という感想を残された企業もある。
きっとお兄さん的には、オラオラしたいのかのびのびしたいのかどっちだよ、と言いたいところ。
自分が刺激的に生きていきたいのか、穏やかに生きていたいのか、私にも分からないのだから困ったものだ。
自分の二面性にちょっと納得したのは、友達と暇つぶしに脳タイプ診断なるものをしたとき。
なるほど、その通りかもしれないと思った。
原因はいくつか思い浮かぶけれど、中学生くらいから私は、急に負けん気が強くなった。やるからには上を目指さねば、なお父さんの精神。
だけど本来の私は、部屋でのんびり本を読んだり、日記を書いたり、絵を描いたりするのが好きな子で。自分ひとりの世界でのびのびやらせてよ、という少女の気持ち。
本来の少女な私と、急にメキメキ現れたお父さんな私を行ったり来たりして、私は生きている。
正直、心への負担は大きい。
何をしていても、どちらか一方の私は無理をしているのだもの。
新しくて慣れないことに挑戦している時、少女な私は疲弊しきっている。逆に、刺激がなさすぎると、お父さんがうずうずしている。
そして、自分の悩みを相談できる相手が少ないことさえ、この診断には当てられてしまった。
私は基本的に、自分の人格のほんの一部しか人に見せられない。
この人といる時はこの人格の私、というのがなんとなく決まっている。
どれも本当の私ではあるのだけど、私のすべてではない。
誰にも見せられない人格だっている。
(だから私は、お互いをさらけ出し合うような真剣な恋愛に臆病なのだ、と最近気づいたのは、また別のお話)
さてさて、どうしたものか。
正直、この脳タイプ診断を受けてから、自分の多重人格的なところが面白く思えてきた。
私の中に少女とお父さんがいるだなんて、想像したら面白い。
今は少女とお父さんの仲はあんまりよくなくて、どちらか一方はふてくされている状況にいることが多い。
だけど、よく考えたら、少女もお父さんもウキウキしている瞬間もある。
それは、何か好きなことに没頭している時。
自分だけの世界で好きなことができていることに対して、少女な私はご機嫌。そして、没頭して、何かすごいことをしている感じに、お父さん的な私は燃え上がる。
この、自分が没頭できる”なにか”を少しずつ見つけて、少女とお父さんが手を取り合って生きていけたら、私は楽しく生きられるのだと思う。
いつか、少女とお父さんががっつり手を握り合ったら、その様子を周りのみんなに見せてあげられたらいいな。
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