4月21日
今わたしの創作意欲を掻き立てるものがこんな感情しかないということが腹立たしい
それでも、ここ一週間ほどわたしの腑を煮え繰り返させているこの胸糞話を綴らずにはいられないのだ
遡ること一週間前
わたしはいつも通りアルバイトとして勤めているホテルに出勤していた
出勤してすぐ座って待機する時間があるのだが、わたしの定位置はドアから見て右奥と決めている
なぜならそこの向かいにあたる左奥の席には、みんなから腫れ物扱いされているクソババアがいるからだ
敢えて向かいに座る理由はただ一つ
彼女に朝から絡まらないためである
天災レベルにアップダウンが激しく、また予測も不可能な彼女の機嫌を損ねる一因に死んでもなりたくないからだ
だから今までずっと、働きながら横目でチラチラそいつの顔色を窺っていたし、どうにか荒波を立てないよう、極力目立たずに生活してきた
まったく、ただの学生アルバイトにこんな気を遣わせて、本当にろくでもない大人だと思う
なんなら彼女を大人と表現することに違和感を感じるまである
大人の定義が生きてきた年数でなく精神年齢で決まるものならば、わたしは彼女のことを絶対に大人だと定義しないと思う
ここまでで大体の雰囲気というか、この人の異質さが伝わっていればうれしい
その日いつも通り彼女の向かいの先に座ったわたしは、ブラシ、ヘアゴム、アメピンを手に髪を結び始めた
3つの物を同時に持ちながら髪を結ぶのは思っているより難しく、途中で指に挟んでいたアメピンが床に落ちてしまった
それを拾おうとすると隣にあった椅子の角におでこをぶつけてしまい、一人静かに痛がっていた時事件は起こった
「自作自演?笑」
声の主は、他の誰でもない彼女だ
彼女っていうか、まあ、クソババア
運が良いのか悪いのか分からないが、その部屋にはわたしたち以外にも6〜7人ほど人がいたため、わたしを含むその場にいた全員が驚いていた(と、願いたい)
そしてみんなで呆気を取られている間に奴はまた口を開いた
「自作自演の、目立ちたがり女?」
あの、この話するの500回目なんだけど、ほんっっっっっっっっっっとに嘘みたいだよな⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️ヤバくない⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️普通に⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️でも、残念ながら本当の話である
わたしとて信じたくない
「事実は小説よりも奇なり」をこんな形で体験してしまったのも悔しい
もっと美談が良かった
しかしもっと悔しかったのは、その場で出てきた言葉が「え〜🥺なんか朝からすごいちくちく言葉言われた〜🥺🥺🥺」だったことだ
本当は「え⁉️今なんて言いました⁉️自作自演の、目立ちたがり女⁉️ですか⁉️ヤバすぎ‼️えどういうこと⁉️自作自演⁉️わたしが⁉️何を⁉️何のために⁉️あ、お前の目にはそう見えてたってこと⁉️わたしがあまりにも、かわいすぎて⁉️若さとかかわいさとか、お前にない物ばっかりわたしが持ってるから⁉️えー‼️すごー‼️だとしても普通言わないよ〜⁉️てか還暦手前の清掃パートが20代前半の学生バイトいびってストレス発散してんのも結構ヤバいと思うけどな〜‼️‼️😅😅😅😅まあ発散できてんのか知らんけど😣😣😣次からはわたしに言ったことをわたしの両親と姉妹の前でも言えるか考えてから喋るようにした方がいいと思うよ普通に〜😂😂(笑)(笑)」と、言ってやりたかった
残念ながらわたしはこの文言が即座に出てくるほど頭のキレた人間ではないので、この事件があってから数日間「自作自演の目立ちたがり女」というクソ長い二つ名を頭の隅に置いたままひたすら悶々と生活することになった
ちなみにこの話はホテルの支配人、仲の良い社員の子たち、清掃パートさん、アルバイトの子たち、家族、仲の良い友だちなどわたしの周りにいるほとんどの人間に言いふらし続けている
どうしてかというと、絶対にこのことを風化させてはいけないと思うし、わたしはそんなくだらないことでくだらない人間のくだらないストレスを発散させるために利用されていいような人間ではないからだ
これはわたし以外のみんなもそうだ
もちろん彼女だってその中に含まれている
この世にバカにしていい人間などいないし、地位とか名誉とか年齢とか学歴とかそういった外的要因は全く関係なしに、ひとりひとりの人間は尊重されなければならないからだ
しかしあろうことか、この話を聞いた周りの反応は大体ひとパターンだった
「○○が若くて可愛いから嫉妬したんだよ〜」
言わせてもらいたいのだが、自分より若くて可愛い人間がいて妬ましかったら、自分の鬱憤をそいつにぶつけていいのか?という話である
誰かに嫉妬される度、わたしは誰かのサンドバッグになってやらなきゃいけないのだろうか
そしてこの話にはわたしの中ではっきりとした答えが出ないまま一週間後の今日を迎えた
朝、彼女の視界に入らないよういつもとは違う一番遠くの場所に位置し、大好きなパートの方が「おいで」と言ってくれた場所に二人でくっついて座っていた
そして座った途端言われた言葉
「○○さんくっついて座ってる、気持ち悪い」
もう、こいつのことを絶対に絶対に許さないと心に誓った瞬間であった
わたしより若い男子大学生に猫撫で声を出しているお前の方がよっぽど気持ち悪いし
第一、税金を納めていること以外何も誇れることがないくせに(以下自粛)
わたしは「ザ・グローリー」の影響で復讐に対するロマンとか憧れみたいなものがある気持ち悪い人間なので、今日は奴をどんな目に遭わせようかと一日中熟考していた
京都にある縁切り神社や丑の刻参りなどは、本当に最善を尽くしてもどうにもならなかった時の最終手段として残しておくが、あまり使いたくない方法ではある
人を呪わば穴二つという言葉があるし、何よりこんなことにわたしの手を汚したくはないからだ
どうにか法で裁けないかとネットで色々調べた結果、これらの嫌がらせはモラハラに該当するということが分かった
モラハラで裁判を起こし被害者が賠償金を手に入れたケースも読んだ
しかしその件はわたしより精神的苦痛が大きそうだったのに賠償金が5万円とそこまで高くなく少し残念な気持ちになった
かけがえのない自分が傷つけられているというのに、それがたったの5万円でなかったことになるのだと思うととても切なかった
自分の心の傷なんて誰にも分からないはずなのに、それを勝手に値踏みされているような感じがして気持ち悪い
朝からパートの人にくっついて座ってる自作自演の目立ちたがり女よりよっぽど気持ち悪い
わたしだったら「5万円はいらないのでどこか遠く、日本から半径100キロ以上離れた土地で生涯孤独に暮らしてください。そしてもうわたしには関わってこないでください。」と言いたい
最近ではネット上での嫌がらせや誹謗中傷も法で裁けるし、本当に良い時代を生きているなと感じる反面、まだ心の病が軽視されているようにも感じる
まあそうは言いつつも、わたしが一番望む結果は彼女の不幸ではなくこの小さな嫌がらせが永遠になくなることだ
前者はわたしが手を下さなくとも彼女が自ら呼んでいるものだから
肝心なその方法はわたしの中でまだ審議中だ
それに加え、バイトという立場を利用して5月の前半はかなり長い連休を取ったのでこの先しばらくそいつと顔を合わせることがない
どうかそれまでに良い方法を見つけ、二度とわたしに舐めた口を利かないようにしたいなと思っている
ついでに地球の反対側とかにも飛ばしたい
わたしがここまで人をねちっこく憎むことはあまりないので、選ぶ相手を間違えたなと思ってほしいし、何よりもわたしの人生に登場してしまったことを後悔してほしい
わたしも誰かにとってこのクソババアのような存在になっていないことだけを祈りながら床に就く
次に会うのが楽しみですね
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