なんで韓国語喋れるの?

お久しぶりです。いや、そうでもないか。
カナダに来て4ヶ月が経とうとしています。めちゃくちゃ早い。
このまま忙しなく過ごしてるうちにあっという間に帰国してるんでしょうか。
まだまだやりたいことや見たいものがたくさんあるので、時間を有効に使ってワーホリの1年を充実させたいなと思っています。
今は学校が忙しすぎてちょっと無理だけど。

みなさんはいかがお過ごしでしょうか。お変わりないですか?今年の日本は酷暑だと聞きました。熱中症や日射病など、くれぐれもお気をつけください。エアコンもいいですが、寒暖差で夏風邪なども引きませんように。
バンクーバーの夏は過ごしやすいです。日も長いし、湿気もないし、雨もそんなに降らないし。将来お金持ちになったらここを避暑地にしようかしら。

さて本日は、最近よく聞かれるわたしが韓国語を話せる理由について書きたいと思います。文章として残す理由の半分は周りからの質問に対する答えで、もう半分は自分自身の整理のためでもあります。わたし自身、なんでここまで韓国語が伸びたのかよくわかっていないからです。少しずつどうやって勉強してきたのかを思い出しながら書いていきます。

1. 韓国語との出会い

2019年春。当時は高校2年生の春休みでした。その頃のわたしはこれといった趣味もなく、かといって勉強熱心だったわけでもなく、部活にひたすら通い続ける何の代わり映えもない毎日を過ごしていました。ケーポップなんてもってのほかでした。その頃知っていた韓国語は「アニョハセヨ」と「カムサハムニダ」のみ。韓国ドラマも、小学生の頃母親と観ていた3作品くらいしか記憶にありませんでした。
部活以外何をしていたかは特に覚えていませんが、韓国語を勉強するきっかけになったその日だけははっきりと覚えています。ある日突然何の脈略もなく、「あ、韓国語聞きたい」と思ったのです。理由は全くありません。自分でも意味がわからなかったけど、韓国語を聞きたがっている自分のために当時知っていた数少ない韓国語の曲をダウンロードして聴きまくる日々が始まりました。
ケーポップは可愛いしキャッチーだし、おかげで毎日ルンルンで部活に通うことができました。

2. 韓国語で歌いたい

大事なのはここからです。歌うことが大好きなわたしは、当時ハマっていた韓国語の曲を韓国語で歌いたいと思うようになります。そしてお世話になったのが「かなるび動画」。ハングルにルビを振ってくれている動画です。歌うのが好きなケーポップオタクの方ならお世話になったこともあるのではないでしょうか。少し大袈裟なことを言うと、この類の動画がなければ今のわたしは存在していないと思います。それくらいわたしにとって韓国語を身近なものにしてくれ、語学学習のハードルを一気に下げてくれたものでした。

その頃よく観ていた動画がこちら↓

久しぶりに再生したらファンの方が作った非公式動画なのに1500万回再生でした。すごい。TWICEの人気、恐るべし。そして今更ですが、当時のわたしに代わってお礼をします。ありがとうございました。

3. より正確な発音を

この世に溢れかえっているかなるび動画は、その頃ハングルを一文字も読めなかったわたしにとって大きな救いとなっていました。と、ここでわたしの特技である批判的思考が登場します。生意気とも言います。もともと英語学習者だったわたしは、外国語をひらがなやカタカナで表現することに限界があるということをその時すでに知っていたのです。例えば「감사합니다(カムサハムニダ)」の実際の発音は「カmサハmニダ」です。もっと言えば、日本語の「カ」と韓国語の「가」は全く発音ではありません。
そして、「かなるびを当てにしていたら正確な発音が身につけられない!韓国語の勉強を始めよう!」と思い始めました。

4. まずは文字から

ようやく韓国語学習者としての第一歩を踏み出したわたし。その頃はすでに高校3年の夏。周りのみんなが部活を引退して受験勉強に本腰を入れている時期でした。全く何を考えてたんでしょう。
韓国語を勉強しようと意気込んだものの、英語以外勉強してこなかったわたしは全く知らない言語をどうやって勉強し始めたらいいのかわかりませんでした。実家にいないので原本がないのが惜しいですが、一番最初に試した勉強法は日記でした。自分が三日坊主であるという都合の悪いことはすっかり忘れたまま、日英韓の3ヶ国語で日記をつけたらものすごいスピードで英語も韓国語も伸びちゃうのでは!?と思い、それぞれの言語で3行ずつほどその日にあったことを書いてみることにしました。
そしてここでハングルを一文字も書けないということに気がつきます。愛すべきアホです。効果絶大だと信じていた3ヶ国語日記は1日で終了し、ハングルの読み方を学ぶべくネットで評価が良かった本を購入しに行きます。
わざわざ本を買わなくてもインターネットにハングルを学べる機会は溢れかえっていますが、わたしはネットの情報を100%信じていないので書籍で勉強していました。
その時買った本2冊がこちら↓

1冊目は、読書の習慣がないわたしでも簡単に読めて、説明もイラストや写真がついていたりととてもわかりやすいので全ての韓国語学習者の方に強くおすすめしたいです。
2冊目に関しては数ページほど勉強した時点で大学の授業が始まってしまったので綺麗な状態でわたしの部屋に眠っています。欲しい方がいたらご連絡ください。いい文法書だったと記憶しています。

ヒチョルさんのおかげでハングルの読みをマスターしたわたしは、登下校の時に目に入る韓国語で書かれた駅名や標識を使ってハングルを読むスピードを上げる練習をするようになります。今考えると座学が好きではないわたしにとってすごくいい勉強法でした。一気に長い文章を読もうとしないで単語から始めたというのも良かった点の一つではないかと思います。お金もかからないし、おすすめです。

5. 韓ドラにハマる

順番おかしいだろって今になって思いますが、ハングルを読めるようになった時点でようやく韓ドラに興味を持ち始めます。わたしの記憶が正しければ、一番最初に観たのは我らがパクソジュン主演の「彼女はキレイだった」です。そこから色々なドラマを観るようになり、よく出てくる単語を真似て発音してみたり、音からハングルの綴りを推測してみたりしていました。これも当時はほとんど無意識でやっていたと思いますがすごく力になってたと思うので韓国語をこれから学ぶ方におすすめしたいです。

6. キムテヒョンとの出会い

いわゆる「古参オタク」と呼ばれる、あるアイドルを早い段階から応援していたファンが、そのアイドルの知名度が上がった後にファンになった「新規オタク」と呼ばれるファンの存在を毛嫌いすることはどの界隈でも起こる悲しい現象だと思います。特にわたしは高校生だったので、その手の問題については敏感でした。古参側として誰かを攻撃したこともあるし、新規なのにそうではないフリをして憧れの古参オタクに認めてもらおうと努力した時期もありました。くだらないことのように聞こえるけど、そんなことを未だにやっているアイドルオタクは意外に多いです。持論だけど、そうやって自己肯定感をモチベにアイドルオタクを名乗っている人間ほどオタク人生は短いように感じます。推しは多ければ多いほど人生は豊かになるので、誰がいつ誰を好きになろうと、他人が口出しできることではないと思います。
という長い前置きから書かせてもらったのは、わたしがこの変な文化に振り回されたせいで「BTSが好き」としばらく言えなかったためです。当時すでに世界的人気を誇っていて、デビュー6年目とかを迎えていた彼らに今更ハマったということはとても周りには言えませんでした。それでも、自分の「好き」だけを信じて突き進んできたわたしはそんなことを理由にBTSへの関心を止められませんでした。この年は夏休みから秋にかけて立派なケーポップオタクへの道をまっすぐ進み始めました。もう一度言いますがこの時のわたしは高校3年生。いいかげん受験勉強をしてほしいものです。
BTSにハマったきっかけは「花郎(ファラン)」という韓ドラでした。これはパクソジュンきっかけで観始めたドラマです。今書きながら思ったけど、わたしの韓国語学習においてパクソジュンがキーパーソンすぎる。その節はありがとうございました。
その頃、BTSの名前だけ知っていて、あまりの人気さにもはや食わず嫌いさえしていたわたしでしたが、「花郎」に出ているキムテヒョンの可愛さに一瞬で沼入りしてしまいます。これも今考えると、アイドルとしてではなく俳優としての彼に先にハマったのは順番が絶対に逆なのですが、入り口は人それぞれです。出会えたことに意味があります。
俳優キムテヒョンに魅せられたわたしは、当たり前にアイドルキムテヒョンの姿も見始めるようになります。ここがケーポップオタクとしての人生の始まりでした。
先ほどもお伝えしたように当時BTSの異常なまでの人気さに嫌悪感すら覚えていたわたしでしたが、この時点でキムテヒョンの沼に片足を突っ込んでいる状態。もう後戻りはできませんでした。新しく何かにハマるということは良いことでもありますが、同時にそれを失った時のショックも伴います。そのため抵抗と恐怖感ももちろんありましたが、ここまできたらBTSを徹底的に調べて、なんで彼らが世界中で人気を誇っているのか突き詰めよう!という気持ちで、彼らがデビューしてから出した無料コンテンツ(一部有料のものもあり)を一気に漁り始めます。ちなみに、自分が満足するまで見終わるまでにおよそ半年ほどかかりました。供給の暴力です。
この半年間で意識的に韓国語を勉強していた記憶は特にありません。まだ日本語字幕がないと動画の内容を理解できないレベルでしたし、特にBTSは全員が韓国人で、方言を話すメンバーも多いので当時のわたしにとって聞き取りは難しかったと思います。

7. どんぐり少年

2019年夏。BTSの研究を始めた頃に彼らの弟分グループが存在していることを知ります。TOMORROW X TOGETHERです。同年の3月にデビューした彼らはメンバーの過半数がまだ現役高校生だということで、わたしと同じくらいの子達がデビューしたんだなあというくらいに思っていました。言うまでもありませんが、そのころのわたしはキムテヒョンに関心がまっしぐら。同じ事務所からデビューした新人グループには正直興味がありませんでした。しかし、初めての後輩グループを前にお兄さんムーブをかましている推しは見たい。絶対に可愛い。そんなわけで、BTSとTXTの絡みを見るべくYouTubeでとある動画を視聴しました。
その動画がこちら↓

本当は日本語字幕をつけてくれている方がいてその動画を観たのが最初だったのですが、、見つけられなかったので公式のものを貼っておきます。
この動画を見てですね、キムテヒョンの可愛さにも衝撃を受けたんですがね、スケッチブックを持っているどんぐり頭の少年に目がいってしまいます。

どんぐり頭

彼の名前はカンテヒョンです。わたしの友達や家族なら少なくとも500回は名前を聞いたことがあると思います。もうお前テヒョンていう名前が好きなんか?と思われそうですが、BTSのキムテヒョンは김태형、TXTは강태현です。音は似てますが綴りが違うので別の名前です。(はい)
まだデビューして半年の生まれたてほやほやスーパーキュートベイビーカンテヒョンに出会い、わたしのケーポップ愛は加速し始めます。BTSについて調べ上げながらTXTの曲も聴くようになり、コンテンツを全てチェックし、ツイッターのアカウントを作りました。この時点で時は高校3年の秋。こうしている間にもわたしは志望校を決め、着々と入試の準備をしていました。

8. YouTubeチャンネル開設

ケーポップアイドルオタクの最強の味方がYouTubeです。これほどお世話になっているプラットフォームはありません。公式の動画はもちろんのこと、動画を面白おかしく編集し日本語字幕をつけてくれて投稿してくれるファンもたくさんいます。素人が作っているものなので偏った編集や誤訳なども多々ありますが、そのほとんどは既存のファンを喜ばせ、新規のファンを増やす役割を果たしていると思います。
これを読んでくれている人にご存知の方はいるかと思いますが、実はわたしもそんな動画投稿者の1人でした。きっかけはいくつかあります。TXTにハマりかけた頃日本語字幕をつけてくれる投稿者がそれほどいなかったこと。彼らの魅力をわたしが広めなければ!という謎の使命感に駆られたこと。当時は公式の動画に英語字幕しかついていなかったこと。英語→日本語訳ならわたしにもできるかも!と思ったこと。
そんなわけで、相変わらず受験生とは信じ難い行動ですが、携帯の無料動画編集アプリで字幕動画を作りYouTubeに投稿する日々が始まりました。最近は忙しくあまり動画を更新できていないのですが、たまにチャンネルを見に行くと新しくコメントがついていたり、わたしが作った動画をきっかけにTXTのファンになっている人がいたりして、それなりに需要はあったのだと感動させられます。わたし自身も翻訳というものに初めて興味を持つきっかけにもなったし、字幕を制作しながらたくさん新しい語彙を身につけられたので良い経験だったと感じています。動画投稿をきっかけに出会った人たちもいました。TXTはわたしの世界を広げてくれました。

9. V LIVEの直訳字幕

今はもうサービスが終了してしまったのですが、この当時はV LIVEというライブ配信アプリがあり、多くの韓国アイドルはこのアプリを通してライブ配信を行っていました。YouTubeにある字幕動画の多くもこの配信の切り取りが多いです。わたしが韓国語を勉強する上で本当に助かっていたのはV LIVEについている自動翻訳された日本語字幕でした。
映画やドラマについている洗練された意訳なんかよりも、文字数の規定が全くなく、機械がド直訳したV LIVEの日本語字幕が韓国語学習において素晴らしい役割を果たしていました。
例えば、TXTの円陣「내일도 함께히자」は分かりやすい日本語に訳すと「明日も一緒にいよう」になりますが、V LIVEならきっと「明日も一緒にしよう」といった感じに翻訳すると思います。
どうしてこんなガチガチの自動翻訳が役に立っていたかというと、理解しやすい綺麗な日本語に直される前の韓国語らしい表現を見ることができたからです。どの言語にも他の言語に直訳できない表現がありますが、日本語と韓国語も似ていながらそんなものが多いと感じています。ファンが字幕をつけることができる機能もあったので訳し方に悩んだときは人間が翻訳した自然な仕上がりのものを見て参考にしていましたが、基本的には勉強のために自動翻訳された方を使って動画を見ることが多かったです。
当時アプリ内で配信されていたBTSのバラエティコンテンツ「Run BTS!」というものを見ながらこの方法でしばらく勉強していたのですが、いつしかちゃんとした翻訳者の方が字幕を作成してくださるようになり、「힝」という日本語でいう「(泣)」みたいな表現が「ぴえん」と訳されていた時にはありがたくも寂しい気持ちになりました。きっとその方が自然だし多くの人に伝わりやすいから良いことなんだろうけど、もうあのガチガチ訳を見て勉強できないのか、、と思ってしまいました。
V LIVE自体のサービスも終了し、最近のコンテンツには基本洗練されたタイプの字幕がついていますし、YouTubeで生配信するアイドルも増えましたが基本は日本語字幕がつかない場合が多いのでもうあの字幕は見られないと思います。でももしかしたらどこかで見られる可能性があるので一応書いておきました。わたしはV LIVEの字幕で単語や表現をたくさん学びました。

10. とにかくインプットが多かった日々

アイドルのコンテンツを漁り、韓ドラを視聴し続け、字幕動画も作っていた高校3年の冬。日本に住んでいながら毎日聞いていた言語の量は日本語より韓国語の方が多かったのではないかと思います。
もちろん全て趣味でやっていたことなので無意識だったし「推しの言葉をそのまま理解したい」以外にこれといった目標とかもありませんでしたが、言語学習においてインプットを増やすということはすごく重要だと思います。入ってくる情報の全てを理解する必要はないので、とにかく耳をその言語のモードにする、というか、その言語のモードを作ることが重要です。インプット元はなんでもいいと思います。わたしの場合はアイドルのコンテンツと韓ドラが90パーセント、韓国バラエティが10パーセントとかなので正直フォーマルな韓国語はあまり身についていないと思います。これはリスニングとスピーキングに関してもそうですし、リーディングに関しても同じです。自分がどんな目的でその言語を身につけるかによって勉強に使う教材はかなり変わってくると思います。

11. 少しずつアウトプットしてみる

流れてくるたくさんの韓国語に耳が慣れてきた頃、気づけばよく使われている表現を自然に覚えている自分がいました。例えばわたしはアイドルの動画を見ることが多かったので「지금까지 ⚪︎⚪︎였습니다!(ここまで○○(グループ名)でした!)」や、「열심히 하겠습니다!(一生懸命がんばります!)」などの表現はすぐに覚えました。
ここでわたしが無意識にやっていたのが、聞こえてくる単語や表現を真似て発音してみることです。英語ではシャドーイング、韓国語では따라하기と言います。これは動画を観ている時だけでなく、字幕を作成している時、歌詞を見ながら曲を聴いている時など韓国語に触れている時には基本ずっとやっていたと思います。ちなみに今でも続けています。動画を見ながら聞いたことがない単語が登場したときはその箇所まで巻き戻して音を聞き、発音を真似ています。
この方法はリスニングとスピーキングを伸ばすのにかなり役立っていると思います。もしその動画に韓国語の字幕がついていたら、聞こえてきた言葉を真似するだけでなくハングルを読んで発音してみると綴りも覚えられるのでより効果的です。また、イントネーションやアクセントもそのままコピーするようにしてみるとさらに良いです。こんなことを続けているうちに、お手本だったものがいつか自分のものになる日がきます。
わたしの韓国語は読み書きがまだまだビギナーレベルでリスニングとスピーキングだけがぐんぐん伸びてしまっているというそんなアンバランスな状態にあるのですが、その原因はここにありましたね。今になってわかりました。

12. 韓国語の履修

ここまで準備が整ったタイミングで時は2020年の春になりました。わたしは無事志望校に入学しましたが、世の中はコロナ真っ只中で授業はほとんど全部がオンライン、入学式も中止、新学期はゴールデンウィーク後に始まるなど超グダグダなキャンパスライフの幕開けでした。まあ暇だったので、おうち時間は韓ドラの視聴とアイドルの字幕制作で充実していました。
わたしの学科は1、2年で第二言語を履修しなければならなかったのですが、入学後初めて韓国語の授業を受けられることを知り、いの一番に韓国語の履修を決めました。そこからは本格的に文法を学び始め、ほとんど全く足りていなかった読み書きのレベルも少しずつ上がっていきます。
聞き覚えのある表現を文法的な観点から教わるおもしろさと、全く聞いたことのない表現を学べる楽しさで毎回ワクワクしながら授業を受けていました。動詞の活用や基本的な文法の細かい部分、動画からの学習だけでは拾いきれていなかった単語など多くのことを学べたのが大学の授業でした。独学に限界があるとは思いませんが、わたしみたいに感覚で学ぶタイプの人はしっかり授業を受けて良かったと思っています。
ちなみに第二言語の授業が必修なのは2年生まででしたが、3年生からはよりハイレベルな韓国語を習得するためまた別の授業も履修していました。副専攻の試験にも受かったので帰国して復学したらまた韓国語に本腰を入れる予定です。

13. 紛らわしい発音は口を見る

어と오、우と으など、、英語も韓国語も発音を真似ることには自信のあったわたしですが、母音だけはどうしても苦手でした。
授業内で発音が微妙だったら先生が指摘してくれることもあったのですが、そんな練習量ではとても足りないと感じていました。そこでわたしはある方法を思い付きます。ネイティブの口に注目することです。きっかけはその当時リリースされたBTSの「ON」という曲。パフォーマンスがかっこよくて大好きな曲なのですが、画面越しにキャーキャー言いながらもわたしは韓国語を勉強する機会を探していました。ここまでくるともはや変態です。ジョングクさんが綺麗に歌い上げる超高音パートのこの部分にご注目ください。

내가 숨 쉬게 하소서

BTS「ON」より

この最後の「소서」の部分が、まさにわたしが苦戦していた2種類の発音でした。わりとうるさめなこの曲でこのパートのこの瞬間だけは伴奏も静かでジョングクさんがゆっくり歌ってくれるので、ㅗとㅓの違いがよく聞こえます。聞こえなくても、聞こえるまで繰り返し聞くのがポイントです。そしてジョングクさんの口に注目してみると、口の開き方が若干違うことがわかります。動いてるし歌ってるのでなかなかこの違いをわかっていただけるかは微妙かもですが、一応動画貼っておきます。(2:57あたりからです)

この2つの母音、日本語で表記するとどちらも「お」になってしまうんですが、「韓国語には「お」が2つある」と考えるのではなく、全く別の母音と捉えた方がよりネイティブに近い発音になると思います。
大切なのは自分が話す母語に当てはめることではなく、その言語をそのまま理解することだと思っています。なのでかなるび動画も、ある程度ハングルが読めるようになったらあまり使わないことをおすすめします。日本語を介さずその文字のまま読めた方が何倍も綺麗な発音になると思います。
「ON」のこの最高パートを見つけ「これだ!」と味を占めたわたしは、今度は動画上の字幕や文字よりも韓国語ネイティブたちの口に注視するようになります。
そうしているうちにだんだん、見様見真似で発音を真似ることができるようになり、口の動きから単語の綴りをなんとなく予想できるようになりました。練習として使っていた動画としては、日常会話よりもバラエティ番組などで見られるイヤホンガンガン伝言ゲームが1番分かりやすく良かったと思います。一音一音口を大きく開けて発音してくれるので口の動きを学ぶのにすごく役立ちます。
例↓(13:00あたりから)

この他にも色々方法はあると思いますが、わたしは主にこの類の動画を使って練習していました。韓国語の字幕もついていたら単語の綴りも同時に学べますし、一石二鳥ですね。

14. 敬語とタメ口の区別

日本語と韓国の似て非なる部分、それが敬語とタメ口の使用です。わたしもまだ完璧ではないのですが、やればやるほどおもしろい内容です。
ここは勉強中なので詳しいことは記述しないようにしますが、韓国語の授業で敬語について学習してからは実際に韓国人がどのタイミングでどんな相手に使うものなのか、逆にどうやってタメ口に切り替えるのか、など…。
ここまで全体的に感覚で勉強してきたわたしでしたが、こればっかりは珍しく文法を先に学び、そのあと聞き取りの練習に入りました。
形さえ覚えてしまえば、あとはバラエティ番組やアイドルの生配信、ドラマや映画などで実際の使い方を学べると思います。
最近はバイト先で韓国人同士の会話に耳を傾けて言葉尻からタメ口か敬語かを聞き取る練習をしています。動画からのインプットに加え、ネイティブが身近にいるというのは韓国語学習者のわたしにとって最適な環境だと思っています。

15. SNS韓国語を学ぶ

どの言語にもSNSで使われる崩れた表現はありますよね。日本語だと「了解」が「り」になったり、「(笑)」や「草」の使用だったり。もちろん韓国語にも、韓国語ならではの崩れた表現というものが存在します。有名なものでいうと、子音のみで表記する省略形です。
例)ㄱㄱ(고고)=行こう、ゴーゴー
ここまでに書いてきたわたしの動画を主に使った勉強法だとこのような表現を学ぶ術がありません。しかしわたしは立派なアイドルオタク兼言語オタク。ファンとアイドルが疎通できるコミュニティサイトやインスタやツイッターに投稿された文章などからSNSで使われる表現を多く学びました。例えば愛しのコムタクチズが投稿してくれたこちらの文章。

メンバーが投稿したこちらの文章を見てみると、「久しぶりに」という意味の「오랜만에」という部分が、「올만에」という形に短縮されていることがわかります。文章の最後にある「載せます」という意味の「올립니다」も、「올립니당」と語尾が可愛らしい形に変えられています。
もちろんテストや検定などでは全くといって良いほど使わない知識かもしれませんが、これを理解できるようになっておくと実際にネイティブとテキストでやりとりする時にスムーズです。わたしも最近初めて韓国人とテキストでやりとりをしながら、アイドルが投稿する文章でちまちま学んでいたことがめちゃくちゃ役に立ってるなと感じました。そして余談ですが、勝手に若くて可愛い自分の推したちだけが使っているものだと思い込んでた可愛い口調を韓国人のおじさん方も使っていて若干ショックを受けたりもしました。失礼ったらないですね。
携帯でハングルを打つのは日本人のわたしにとってはなかなか難しいことだったのですが、今ではなかなかスムーズに打つことができています。なぜかというと、Weverseというファンとアイドルのコミュニティアプリで、推しから返信をもらうべく血眼になって韓国語の文を打っていた時期があったからです。翻訳機を使った方が早いし正確なのはもちろんなのですが、こんな場面でも勉強できる機会を逃したくなかったので基本自力で文章を打つようにしていました。勤勉なオタクです。翻訳機は最終的に出来上がった文章の確認をしたいときにのみ使っていました。
とはいえ、SNSを毎日投稿するアイドルはそういません。いやいたらごめんなさいなんですが、少なくともわたしの推したちは誰1人として毎日投稿なんてしません。そうであってほしいけど。ツイ廃のアイドルとか嫌だけど。
つまるところ、アイドルが投稿する文章だけを頼りにしてたら圧倒的にインプット量が減ってしまいます。ということで最近はアイドルの本国オタクと呼ばれる方々(韓国人のケーポップオタク)を積極的にフォローして、彼らのツイートからSNS表現を学んでいます。アイドルについての情報も入手できて、勉強もできます。最高ですね。

16. 分かち書きについて

これだけ大口を叩いておいて、なのですが。わたしの韓国語の読み書きは本当に悲惨です。特に分かち書きと呼ばれる韓国語の謎の空白に関するルールがいまだに、全くもって理解できていません。例えば英語だと一単語ごとにスペースを空ければ良いのでこちとらとしては超makes senseなんですが、韓国語は、もう、理解不能です。日本語には全く分かち書きの概念がないというのもこの問題を難しくさせている一因だと思います。
と、弱音を吐きながらもわたしはなんとか勉強法を見つけました。ちなみにこの分かち書きは韓国人でも間違えたり適当にスペースを空けたりする場合が多いらしいので、先ほど紹介したSNSを使った勉強法はあまり使えません。使えないこともないですが、わたしはこういったものに関してはやたらと正確性を求める人間です。中途半端な知識を身につけないためにより参考になりそうなエンターテイメントを探しました。そして見つけたのが音楽サイトの歌詞と動画の字幕です。個人的にはこの2つが正確性に優れていて、使われる語彙や表現の種類も豊富なのでかなり勉強になります。
例えばこちらの歌詞。

도서관 맨 위 칸 책들도
図書館の一番上にある本も
내가 꺼내줄게
僕が取ってあげる
떡볶이 멤버가 필요할 때
トッポギメンバーが必要なとき
무조건 네 편이 필요할 때
絶対に君の味方が必要なとき
그저 고개 들면 그 곳에
ただ目線を上げたらそこに
내가 항상 있을게
僕がいつもいてあげるから

TXT 「20cm」より

TXT史上最強で最高に可愛い最高曲として知られているこちらの「20cm」より、中でもとびきり最高な歌詞を切り取りました。トッポギメンバーというワードが気になるところではあると思いますが、今はとりあえず無視してください。
こちらの最高な歌詞にもですね、変な分かち書き(こら!)のルールがしっかり適用されています。どれくらい変かというのを日本語に置き換えてお見せします。

도서관 맨 위 칸 책들도
図書館(の) 一番 上 にある 本も
내가 꺼내줄게
僕が 取ってあげる
떡볶이 멤버가 필요할 때
トッポギ メンバーが 必要な とき
무조건 네 편이 필요할 때
絶対(に) 君の 味方が 必要な とき
그저 고개 들면 그 곳에
ただ 目線を 上げたら そこ に
내가 항상 있을게
僕が いつも いてあげるから

どうですか?わたしの苦悩が少しは伝わったでしょうか。全くもってスペースの基準がわからないんですよ。本当に。単語でもないし、文節でもない。でもこれに関しては、理由とかよりもしっかりとしたルールがあるのでそのパターンを覚えることが肝となります。
とはいえ韓国語で本を読むわけでもないし自分で長い文章を書くこともないので、時間のあるときに好きな曲の歌詞や動画の字幕をチラ見しながらどこにスペースが入るのかをちまちま勉強しています。

17. 妄想会話

さあ、なんだか項目が多くなってきたのでそろそろまとめに入っていきたい所存であります。結局わたしの韓国語ってスピーキングがメインで、ここまで記述してきた道のりで大体の文法や語彙は身につけてきたのですが、問題はどのようにして韓国人と問題なく会話できるレベルまで伸ばしたのかという点です。
まずわたしが英語と韓国語の両方でやっていた練習は、ひとりごとです。かつて隣の部屋に住んでいた姉を困らせるほど、「えっ、電話してたんじゃなかったの?」と母に引かれるほどもともと独り言が多いわたしですが、この変な癖がスピーキング練習にめちゃくちゃ役立っていました。もちろん今も役立っています。
英語や韓国語で話せる友達もいなければ、おしゃべりのわりに人見知りなので先生に話しかけに行くこともほとんどありませんでした。それに、学んでる途中の言語を使って人と話すなんて緊張してしまいますよね。伝わるかどうか不安になったりもします。そんなわけでわたしは湯船に浸かっている間と頭を洗っている間、ドライヤーをしている間に、まるで相手が目の前にいるかのように会話するということをかれこれ6〜7年ほどやっています。もちろん毎日ではないです。ほんとに気が向いて、何か話したい内容がある時だけです。言語習得の目的で始めたことではないので普通に日本語で喋る日もあります。もうこの文章量で察してる方も多いかと思いますが、わたしってほんとにおしゃべりなので。
シャワー中やドライヤー中にこの練習をする理由としては、騒音で周りに声が届かないからです。
例えば英語だとイギリスの俳優エディレッドメインに憧れて勉強を始めたので、彼にインタビューする場面を想像しながらしゃべってみたり。
韓国語だと、好きなアイドルに日本文化について説明する練習をしてみたり。
これは完全に娯楽でやっていたのでプレゼンとかガチガチの練習には使ったことがありません。あくまでも妄想に浸るための手段であり、常にわたしが楽しくなければいけません。
この練習をする際のポイントは、とにかくしゃべり続けることです。分からない単語や文法があっても辞書とか使いません。実際に話し相手がいるわけでもないので正確性は大事ではありません。重要なのは、今の自分がその言語で何をどこまで説明できるかという点です。主にシャワーを浴びてる時や湯船に浸かってる時、あとはドライヤーで髪を乾かしている時にやっているので言葉が詰まったところでその箇所は無視する他ないというのも事実ですが。いずれにせよ、流暢さを身につけるためにはある程度の雑さも必要です。日常会話で頻出する単語はどこかで絶対に学ぶタイミングがくるのでその都度あえて調べる必要もないと思います。
新しく学んだ文法や語彙、言い回しなどがあればすぐに自分の妄想会話に取り入れてみるとかなり上達できます。
そしてだんだん長い文章を組み立てられるようになり、内容も複雑になっていくと思います。こうして使える会話パターンを増やしておくことがいつか実際に話し相手が出来た時の会話の弾み具合に関わるのではないかと思います。
そして繰り返しますが、これは決してわたしの勉強法ではなくただの趣味なのでわたしも本気でやってないですし、これを実践するかもしれないあなたも、わたしのようにグダグダやる必要もありません。
自分にとってちょうどいい熱量で実践してみてください。

最後に

ここまで書いてきたように、わたしにとって韓国語学習は完全な趣味でしかありません。最初から勉強したい気持ちはあったけど、ノートとペンばかり使うような学習には飽き飽きしていたので、基本的にはストレスフリーな、自身オリジナルの方法で学んできました。もちろん大学の授業では主に座学で読み書きや発音を学びましたし、そこで学んだこともわたしの韓国語学習において大きな役割を果たしています。それでも、外国語へのハードルを少しでも下げるためわたしのように「立派すぎる目標を持たず娯楽に重きを置く」という方法はかなり気楽で良いかなと思います。目標と聞くとつい肩に力が入ってしまうような感じがしますが、自分が超えられそうな低めの位置にいる目標も、また目標です。全ての目標が天を突き抜けるような高さであるべきだとは全く思いません。
韓国語の勉強を始めておよそ4年ほどになりますが、ここまでで検定などは1度も受けたことがないですし、韓国人の友だちもバンクーバーに来てから出会った数人しかいません。
そんな状況でも初めて会った韓国人の方に「ほんとに韓国行ったことないの?」「韓国人の友達もいないの?」と不思議がられるほどわたしのスピーキングは伸びました。
わたしの言語学習における目標は英語も韓国語も全く同じです。
推しの言ってることを自分の頭で理解したい。
こんな邪な気持ちだけで高校も大学も決めちゃったし、英検とかTOEICとかもいっぱい受けたし、ワーホリにも来ちゃうし、韓国料理屋でバイトしちゃうし。わたしの人生、自分の好きに振り回されすぎてて最高だなと思います。おかげで履歴書に書けることも多いのですが、全て好奇心に従って行動した結果なので褒められたものでもありません。未来を見据えて資格の勉強したり、必要なものを逆算して何かを早めに準備できる人の方がよっぽどすごいと思います。わたしは興味のあるものにしかエネルギーを使いたくない人間なので何においても基本偏っています。それでも、完璧な人間なんていないのでわたしみたいな人が一定数いても良いと思います。みんなそれぞれでこぼこだから、パズルのピースみたいにお互い支え合って生きていきましょうね。

そんなわけで今回は久しぶりに敬体&長文でわたしの韓国語学習について一から振り返ってみました。一応思い出せる限りのものは書いてみたものの、なんだかまだ全てを書ききれていないような気もします。もし今度また別の言語を学ぶことになったらその時はしっかり記録をしようと思います。
このnoteが言語学習をする全ての方の何かしらの原動力につながりますよう。わたしもまだまだ英語と韓国語の勉強に勤しみたいと思います。

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