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恋と深空 時系列順の感想【セイヤ編】

時系列に沿って、セイヤの物語を追いつつ、感想を添えていきます。ネタバレがありますので、未読の方は先にゲームをプレイする事を強くお勧めします。


厳しく育てられた子供時代

まずはセイヤの生まれと育ちから遡っていきたいと思います。

セイヤはフィロス星唯一の王子だが、王室には多くの儀礼が定められている。

伝説「指間の流星」3話

「決められたこと以外で、子供の頃の俺に許されてたのは剣術の練習だけだったから」

秘話「流星の降る夜」3話「対峙」

なぜ授業をちゃんと聞いていないのにいつもテストで1位を取れるのか…

秘話「流星の降る夜」1話「遠い星」

意外と読書家で、『クレーンゲーム必勝法』という本も読んだことがある。

絆コレクション「昔の経歴」

セイヤはフィロス星の王子として生まれました。ゆくゆくは王になるべくして、厳しく育てられた事がうかがえます。読書が趣味なのも、人と交流せず、ひたすら勉学に時間を費やしていた習慣が残っているからではないでしょうか?セイヤは、主人公に願いを問われた時こう答えています。

「あなたの願い事も一緒に流れ星に祈ってあげる。何をお願いしたい?」「願いなんてない」

秘話「流星の降る夜」2話「引力」

おそらく自我が育つ時間さえもなかったのでしょう。決められたレールをだた歩く無気力で受動的な様が描かれています。

時は変わってセイヤはEvolverを集めている学園へ転入します。

Evolが覚醒すると同時に学園につれてこられた私達とは違って、セイヤは唯一の転入生だった。

秘話「流星の降る夜」1話「遠い星」

おそらくセイヤは王家の家臣候補のEvolverを探すように王命が下っていたのではないでしょうか?上流階級では学生時代に味方を作る文化があったりします。恋と深空でも似たような文化があったのかもしれません。

複雑な家庭環境が理由で学園の寮には住んでいないとか、彼がボディーガードに囲まれているところを大勢の生徒が目撃したとか。

秘話「流星の降る夜」1話「遠い星」

入寮していなかったり、ボディーガードが帯同していたりと、この頃のフィロス王家は、立場が盤石ではない事がうかがえます。セイヤにとって、家でも学園でも息の詰まる毎日だった事でしょう。そして、そんなセイヤの運命が動き出します。

運命の出会いと自我の芽生え

宇宙アトラクティブ法則第1条によれば、「あなたが無意識に誰かを見るのは、98.8%の確率でその人があなたを見ているから」らしい。だからバレたのは私ではなく、きっと彼の方なのだ。

秘話「流星の降る夜」1話「遠い星」

「授業中にこっそり俺を見てたからじゃないのか?」

秘話「流星の降る夜」2話「引力」

クラスの女の子が自分を見ている事にセイヤは気づきます。そして法則を信じるならば、セイヤも主人公の事が気になりだして、たびたび盗み見るようになったのでしょう。しかし自我が薄かったこの頃のセイヤは自分の心を育てられず、自分の気持ちには無自覚だったと思います。しかし、主人公の方から行動を起こしてくれました。

「セイヤーー!」私はできる限り大きな声で遠くから彼に呼び掛けた。(中略)戸惑いの色を浮かべていたその瞳が、私と目が合った瞬間にふっと優しくなった。

秘話「流星の降る夜」2話「引力」

この時セイヤは嬉しかった事でしょう。自分が気になっていたクラスの女の子の方からアプローチしてきてくれたのですから。その後、主人公から思わぬ言葉をもらいます。

「セイヤが永遠に自由でいられますように」

秘話「流星の降る夜」2話「引力」

今まで自分の意志が必要とされなかった過去を持つセイヤには、この言葉は重く響いたことでしょう。誰かから想われる事は、セイヤにとって転換点となります。

「じゃあ、あんたは?どんな願い事をしたいんだ?」「健康でいられることかな。叶うかどうかわからないけどね」(中略)「流れ星は、わかったと言った」

秘話「流星の降る夜」2話「引力」

セイヤが自我を持った瞬間だったと思います。この時からセイヤはボディーガードを巻くようになり、敷かれたレールから外れ始めます。しかし、そのためにセイヤは選択を迫られるようになりました。

「自由を求めることは、自由を諦めることだ」

秘話「流星の降る夜」3話「対峙」

この言葉は、自分の永遠の自由を諦め主人公との一時的な自由を手に入れるか、自分の永遠の自由を手に入れるために主人公との一時的な自由を諦めるか、という意味でしょう。どちらを選択するか悩んでいる間に、セイヤは主人公の持病を知る事になります。

彼は手元の錠剤の瓶を倒しては立てを繰り返している。(中略)「今日剣術の練習中に倒れなかったら、いつまで隠してるつもりだったんだ?」

秘話「流星の降る夜」4話「すれ違い」

相手を威圧してしまうほどですから、余裕がない様子がうかがえます。セイヤにとって相当ショックな事だったのでしょう。

「コア介入症っていうのは?(中略)治療法はないのか?」「あるにはあるけど…特別なコアが必要みたい」「どんなコアなんだ?」「この世界には、どんな病気も治せるコアが一つだけあるらしくて…」(中略)セイヤは私をちらりと見ただけだった。しばらく黙り込んだ後、窓の外の夕日に顔を向け、また私に視線を戻す。

秘話「流星の降る夜」4話「すれ違い」

主人公の顔と外を替わり替わり見る様子から、かなりの葛藤が垣間見えます。主人公に視線を戻した時、セイヤは自分の永遠の自由を諦める事を選択したのでしょう。その後、セイヤは主人公と流れ星を見に行きます。

目を開けると、セイヤも願い事をしていた。

秘話「流星の降る夜」5話「燃え上がる心」

セイヤは始め「願いなんてない」と言っていました。そんなセイヤが主人公と出会ってから願いを持つまでになりました。

「あ、そうだ。渡したい物があるの!」(中略)「あんたが作ったのか?」「うん…あんまり綺麗な出来じゃないけど、でも…」「いや、綺麗だ。つけてくれないか?」(中略)「抱きしめてもいいか?(中略)ありがとう。願いが叶った」

秘話「流星の降る夜」5話「燃え上がる心」

主人公の行動に背中を押されて、セイヤは願うだけでなく行動に移し、自分で願いを叶えます。無気力だったセイヤは恋をして、初めて自己効力感を得たのだと思います。

1度目の失敗

セイヤは主人公を救うための行動に移ります。しかし、セイヤは主人公に相談も連絡もせずに特別なコアを探すために旅立ちました。

あの夜の翌日からセイヤを見なくなったことだ。彼は忽然と姿を消し、どこに行ったのか誰も知らなかった。もちろん連絡はしてみたが、返信はない。

秘話「流星の降る夜」6話「軌跡」

「…それを、自由と交換したの?」彼は質問には答えず、ただ私を救えるコアを見つけたとだけ言った。(中略)「もう間に合わないよ。(中略)この1か月、私は楽しく過ごしてきたから」

秘話「流星の降る夜」6話「軌跡」

その結果、主人公と過ごしたのはたった1か月しかありませんでした。セイヤは自己開示できず、自己完結し主人公に寂しい思いをさせてしまいます。

「次の100年なんてあっという間だ」

秘話「流星の降る夜」2話「引力」

セイヤと主人公は時間の感覚が違いました。セイヤにとっては、ちょっと席を外す感覚だったかもしれません。セイヤが自己完結せずに、主人公に相談していれば、主人公を寂しがらせる事は防げたかもしれません。

「来世でも、セイヤに出会えますように…叶うかな…」「…きっと叶う」(中略)「何度でも、どこにいても…俺は必ずあんたを見つける」

秘話「流星の降る夜」6話「軌跡」

セイヤにとって、自我が育った直後に味わった大きな挫折でした。しかし心は折れませんでした。願いは必ず自分の手で叶えると覚悟を新たにしています。セイヤの芯の強さが伺えます。

主人公と再会1回目

時代が変わってフィロス王家が勃興。

彼が剣の柄に星の飾りを結びなおしているのを見た。またこれを見ながらぼんやりしてたんだろうな…。

伝説「指間の流星」1話

セイヤは主人公が残した星の飾りを心のよりどころにしていたのでしょう。主人公を失ってからも、たびたび思い出していた事がうかがえます。

物心がついた頃から、私は師匠のもとで剣術を学んでいた。(中略)セイヤ
という兄弟子がいることは、早くから知っていた。(中略)けれど何年もの間、彼と直接会うことはなかった。

伝説「指間の流星」1話

セイヤは、はじめ主人公と会わせてもらえなかったようです。再会した時のエピソードは描かれていませんがセイヤが主人公と再会した時は、どれほどの喜びだったでしょうね。

急に暗い顔してどうした?誰かに意地悪でもされたか?

伝説「指間の流星」1話

再会後、セイヤは主人公を妹弟子としてかわいがっている様子がうかがえます。感情がくるくる変わる主人公をいなすセイヤは慈愛に満ちていて微笑ましいです。

反抗期と成長

時が変わってセイヤは受剣式を執り行うことになります。そこでセイヤは王が王妃を星の餌にした事を知り、家を出ます。

彼女がどんな姿になっても、その心は最初から最後まであんただけのものだ。

伝説「指間の流星」8話

「今回は帰るつもりなの?」「あの件は忘れる事はできない」

伝説「指間の流星」3話

できることなら、あの人の息子にはなりたくなかった。

伝説「指間の流星」2話

主人公に自分を変えてもらった過去を持つからこそ、セイヤは自分の妻を犠牲にする父の考えは受け入れがたいものだったのでしょう。

王には、自分のやりたいことをやり、自分の守りたい人を守る権利などありはしない。

伝説「指間の流星」8話

俺は、彼が望むような人間にはなれない。それに、彼が残した冷たい王座に座りたくもない。

伝説「指間の流星」4話

セイヤは昔、家の意向に唯々諾々と従っている風でした。しかし、主人公に出会いセイヤは変わりました。父は現状維持を望みますが、セイヤは解決策を模索する事になります。

セイヤだけは何の報告も説明もせず、冬休み2日目の朝にこっそり猟星寮の冬季パトロール船に乗り込み、星々の中に消えたのだ。

伝説「指間の流星」1話

「師匠、今回の騎士団の遠征は順調でしたか?」「帰還する途中、騎士団に密命が届いた。王室の要人が失踪し、星間をさまよっている恐れがあるとして捜索を命じられたのだ。その件が割り込まなければ、おそらくもう少し順調だっただろう。」(中略)「フィロス星の星域は広大で、学校のパトロール隊の航程には限りがある。なので、次はやっぱり騎士団について行くべきだと反省しました。」

伝説「指間の流星」3話

『流星の降る夜』の時にボディーガードに囲まれてたセイヤの見る影もありません。目的のためには手段を選ばず強行しています。師匠の嫌味にも、図太く煽り返す始末。願いは自分で叶える行動派な青年に成長しています。

王のそばにいることが、あんたの本当の望みか?(中略)追光騎士団に入らなくても、王の騎士にならなくてもいいんだ。フィロスの宇宙は広い。やれることは他にもたくさんある。なのに、なんで他人が決めたことに従って筆頭聖騎士にならないといけないんだ?

伝説「指間の流星」4話

『流星の降る夜』で主人公に諭されていたセイヤは成長し、今度は主人公を諭す側に回ります。セイヤは敷かれたレールを歩まなくても良いと主人公に語り掛けます。セイヤは与えられたものを享受するのではなく、自分で自分の世界を作ろうとします。

俺は別にフィロス星の王にならなくていい。(中略)俺とウルル星に行こう。今回のパトロール航行で俺が見つけた新しい星だ。名前も俺が付けた。(中略)いつか俺が家のことを片付けて、あんたが筆頭聖騎士になりたくないと思う日が来たら、一緒にウルル星に逃げよう。

伝説「指間の流星」4話

セイヤは主人公を誘いますが、主人公からの返事はもらえませんでした。

この時点でセイヤは、人から与えられた道ではなく、自分の道を歩む事を覚えましたが、けじめをつける事はわきまえていませんでした。ルールを破ったり、周りに迷惑をかけたり、青臭い部分が残っています。そんなセイヤが逃げ続けた父に会いに行くことを決めます。

ずっと逃げてても仕方ないしな。今回は、彼に会いに行く。

伝説「指間の流星」5話

おそらく擁立式典前に王太子を廃嫡したいと、王に告げに行くつもりだったのではないでしょうか。さらに、主人公に全てを打ち明け、告白するつもりだったのではないでしょうか。セイヤは当初、主人公に星について聞かれても、はぐらかしていました。

「何かを見ながらぼんやりするのは、好きな人ができたからだってよく言うよね」「何度も言ってるだろ。そういうわけじゃない。」そう言いつつも、彼は常に持ち歩いているその飾りについて、一度も話してくれたことはない。

伝説「指間の流星」1話

しかし、主人公をウルル星への逃避行に誘った後、態度が一変しています。

「その星の飾りは誰に貰ったの?もしかして、あなたの好きな人?」「やっと聞いてきたな。そうだ。これは俺の好きな人に貰った。(中略)彼女はちっとも俺を覚えていないし、これを俺に送ったことも忘れてる。しかも、彼女は俺に向かって、いつも知らん顔をしてくる。」

伝説「指間の流星」5話

もしかしたらセイヤは主人公に全てを打ち明けるつもりだったのかもしれません。「知らん顔をしてくる」に続く言葉は「それは実はあんたなんだ」だったのかもしれません。

2度目の失敗

主人公に過去を打ち明けるセイヤの計画は横やりが入ります。

「そういえば、キノアに聞いたよ。王室があなたの妃を選んでるって。」(中略)「あんた、キノアが好きなのか?いつもあいつの話ばっかりするだろ。(中略)あんたはバカで手が焼ける奴が好きなのか。」「…どうしてそうなるの?」(中略)「(ブローチを)つけてくれ。」

伝説「指間の流星」5話

主人公が自分以外を好きかもしれない事を知ったセイヤは、主人公とちゃんと話をせず、話をそらしてしまいます。『流星の降る夜』の頃からセイヤは周りに相談せず自己完結する嫌いがありました。セイヤは『流星の降る夜』の時と同じ失敗を繰り返しました。セイヤの生い立ちを思えば仕方ないかもしれません。しかし、この事はずっと後を引くことになります。主人公がキノアを好きなのかもしれないと思ったセイヤは、自分の気持ちを立て直すために、主人公にブローチをつけてくれるようねだったり、遠回しのアプローチを続けます。

その妃も、俺と同じように不器用かもしれないだろ。(中略)星?(中略)なら、あんたの手作りがいい。

伝説「指間の流星」5話

主人公は、昨夜のウルル星逃避行の誘いに乗ってくれませんでした。そして、セイヤの「追光騎士団に入らなくてもよい」という言葉も空しく、主人公はまだ追光騎士団を目指しています。

「私も頑張らないと。来月の追光騎士団の選抜に合格したら、本物の騎士になれる」「俺が本当に王になったら、どんなお祝いをくれる?」

伝説「指間の流星」5話

セイヤにとっては、遠回しに振られたも同然だったでしょう。セイヤはウルル星に逃げるのではなく、王になれば主人公と一緒になれると思ったのではないでしょうか?

あんたが俺に会いたいと思えば、俺は帰ってくる。

伝説「指間の流星」5話

「帰ってくるから、自分に会いたいと思ってほしい」というセイヤの気持ちがにじみ出ています。その後、セイヤは主人公を星の餌にする計画を知ります。

擁立式典の前に王宮に帰った時、彼らが星にエネルギーを送るのをやめたことに気づいた。(中略)エネルギーを送らなくなったのは、完璧な餌を見つけたからだ。(中略)王族は、彼女を空洞の中に送り込む機会をうかがってる。それが済めば、安泰だからな。(中略)そんな事実を知って、王になれるわけがないだろ?

伝説「指間の流星」8話

自分が王になって主人公をパートナーにする計画は総崩れしてしまいます。そして『流星の降る夜』の時と同じく、主人公への相談なしに、セイヤは主人公を救うための行動に移ります。自分の想いが、主人公から返ってこなかった訳ですから、自己完結してしまうのも仕方がないかもしれません。

それから長い間、セイヤと再び会うことはなかった。(中略)式典が行われなかった理由と彼の行方は、誰も、師匠さえも教えてくれなかった。

伝説「指間の流星」6話

セイヤはロールバック計画を立案。そのために仲間を集めロールバック隊を結成。時空航行するために宇宙船を改造します。

その後、星降りの森で、星核に落ちてしまった主人公をセイヤが助け出しました。その時、セイヤが諦めていたであろうウルル星の事を、主人公が口に出します。

「セイヤ、ウルル星のことを覚えてる?」「もちろんだ。俺たちの星だからな。(中略)もし本当にこの世界に逃げ場がなくなっても、少なくとも…俺のところには逃げてきていい。」

伝説「指間の流星」9話

「俺のところには逃げてきていい」は、追光騎士団になる事を選んだ主人公に、自分の方を選びなおしてほしいという願いが込められた言葉だったと思います。セイヤは主人公がウルル星を覚えてくれていた事が嬉しかったはずです。そこでセイヤは、自分が主人公に言われた言葉で、主人公に尋ねます。

「昔、『ぼんやりするのは好きな人ができたからだ』って誰かに言われた気がするんだが。」

伝説「指間の流星」7話

おそらく、この時セイヤは、王への謁見前でやってしまったすれ違いを、やり直すつもりだったのではないでしょうか?セイヤはあの時「これは俺の好きな人に貰った。それはあんただったんだよ」と自分の気持ちを伝える心づもりだったと思われます。主人公も自分と同じ考えを持っていて「好きな人ができたのか?」と聞けば「好きな人は実はセイヤなの」と返ってくると考えたのではないでしょうか。星核から主人公を助け出した後でしたし、主人公がウルル星の事を覚えてくれていた訳ですから、それなりの自信もあったはずです。しかし主人公から返ってきた言葉は、セイヤを想う気持ちではありませんでした。

「そうだね…長い間会わないうちに、私にも好きな人ができたのかも。」「それはよかったな。誰だって、あんたにとってはいいことだ。長く生き続ける中で、心から思う人が一人でもいれば、それは希望になる。」

伝説「指間の流星」7話

この時のセイヤの落胆は大きかった事でしょう。事実上2度目の失恋です。「心から思う人が一人でもいれば、それは希望になる」は、セイヤが自分に言い聞かせている言葉のように思えます。主人公が自分を好きでなくても、自分が主人公を好きでいれば良いと、自分を無理やり納得させようとしているように見えます。

失恋と諦念

この後からセイヤは悟った事を言うようになります。

「あの時、私が他の人の騎士になって、他の人のそばに行くのは嫌だって言ってたよね。」「…誰にでもそういう幼稚な時期はあるものだろう?」

伝説「指間の流星」8話

セイヤは、主人公へ独占欲を持っていた自分を振り返って、恥じています。過去から逃げたいと思っているように見えます。そして、主人公が故郷を守ろうとする気持ちを聞きます。

フィロス星には、私の大事な人たちもいるから。騎士団の仲間、昔の同級生、友達、師匠、そして…あの子供達も同じ。彼らにとって大事な人も、この星にいる。

伝説「指間の流星」8話

セイヤは、過去にフィロス星を捨てて、ウルル星に逃げようとしました。追光騎士団をまとめ上げ女王にまでなった主人公とは正反対です。そんなセイヤからは、主人公がまぶしく見えたのでしょう。

彼女はどんな試練も乗り越えて、フィロス星が混乱に陥った時も絶対に諦めなかった。

伝説「指間の流星」8話

主人公への敬意が表れています。

彼は「女王陛下」という他人行儀な敬称を使った。思えば、もう長いことセイヤに名前を呼ばれていない…

伝説「指間の流星」1話

セイヤは自分の気持ちに整理をつけ、主人公には女王として接するようにしたのでしょう。そしてセイヤはフィロス星の事を願います。

どうか、フィロス星が永遠でありますように。

伝説「指間の流星」9話
ホーム画面セリフ

自分の恋心には蓋をして、主人公を救う事だけを使命に、セイヤはフィロス星を旅立ちます。

航行中

どうやら航行中のエピソードがあるそうですが、筆者が未取得のため、取得後に追記しようと思います。

難航する任務と焦燥

任務は難航します。ロールバック隊は目標のアンカーを見失い、ブラックホールの特異点に墜落。その後に脱出を果たしますが、故障した宇宙船は地球に不時着。宇宙船の起動装置の加速器となるコアを探す事になります。そこから200年が経過します。

Noah:やっぱりあの人を待つのか?
セイヤ:ああ。
Noah:どれくらい待つつもりなんだ?十年か、百年か、それとも千年か?(中略)エーテルコアも「彼女」も行方知れずのままだ。もしかしたら、崩壊したトンネルの中でとっくに宇宙の塵になってるかもしれない。
セイヤ:わかってる。
Noah:これ以上粘っても、お前が望む結果は得られないと思うぞ。

秘話「夜を過ぎゆく」4話「旧友」

どうやらエーテルコアが深空トンネルの崩壊に巻き込まれると、他時空でも主人公は転生できないようです。反論しない所を見ると、セイヤも長い時間を経て気力が消耗している事がうかがえます。

「もういいんじゃないか?200年かけて直ってないんだ。恋に集中した方がいいかもしれない」

深層「星の来処」2話「家」

投げやりなセリフを吐く事からも、セイヤは精神的に参っているようです。

「ちょっ!?言ったな!」
目の前で光が閃き、セイヤは消えた。テーブルに置かれていた、キノアが新しく改造した起動装置の加速器と共に。

深層「星の来処」2話「家」

セイヤはキノアの返事も半ばに、壊れた宇宙船の元へ向かいます。きっとキノアから追及される事が嫌だったのでしょう。

セイヤはツタをかき分け、キノアの家から持ってきた加速器を起動装置に入れると、Evolと使って起動させた。(中略)機械の轟音が消えた。森は再び静まり返り、闇に包まれる。やはりコアエネルギーがないと駄目なようだ。セイヤはあちこちへ乱れ飛んだ思考を引き戻した。(中略)もし時間という次元が本当に存在しないのなら…フィロス星も、そして彼と彼女だけのものであるあの小さな星も、この星海の中にあるのだろうか。

深層「星の来処」3話「森の中の滝」

セイヤは、フィロス星とウルル星に想いを馳せます。セイヤは過去に「心から思う人が一人でもいれば、それは希望になる。」と言いました。自分が発した言葉通り、主人公を思い出して希望を見出し、参った精神を立て直そうとしているように見えます。

主人公との再会2回目

ある時、ひどく破壊されたとある通りの真ん中で、一人の女の子を見つけた。セイヤはその子を連れて行ったっきり、二度と姿を見せることはなかった。キノアはわかっていた。セイヤはきっと、「彼女」を見つけたのだ。

深層「星の来処」4話「災変」

粘った甲斐あってセイヤはついに、主人公を見つけます。

その日が来るまで、誰も彼女に近づいてはいけない。俺もな。

1期8章2話「汚れた地」

主人公を見つけたセイヤですが、事情があって主人公とは一緒にいれないようです。

最初の災変が徐々に収束した後、私はついにある避難所で彼女を見つけた。

深層「埃の中」4話「災変後の日記」

セイヤは主人公を避難所に送り届けて姿を消したようです。

ここ数年、臨空市の光害は悪化の一途をたどっており、もう空には何も見えない。セイヤはかつて森の奥で目にした滝のような天の川を思い出した。あれがはるか遠い故郷を見た最後の思い出だ。もしかしたら、今回は本当に落ち着く場所を決めてもいいかもしれない。できるなら、星が見える場所がいい。

深層「星の来処」5話「Philo」

主人公を見つけた後のセイヤは、精神的にも落ち着きを取り戻したようでした。現代の主人公に会ったおかげでしょうか。故郷を想った日々を、過去の思い出にしています。

お前達は必ず送り返す。

1期8章7話「星の導き」

セイヤは「必ず一緒に帰ろう」ではなく「お前達は必ず送り返す」とキノアに言っています。女王主人公への恋心は諦めたが、女王主人公を助ける事は諦めていないのでしょう。

主人公との再会3回目

セイヤは宇宙船起動装置の加速器となるコアを探している最中と思われる中、廃基地で寝てしまい、主人公に見つかってしまいます。

「あなたは?」「セイヤ。(中略)悪い…今度会った時、説明する。」

1期1章5話「光に消える」

一応名乗って、その場は退散する事にしたようです。しかし今度会った時に説明すると言いつつも、主人公が心配なのか、連絡を入れています。

しばらくはあの基地に近づくな。爆発やワンダラーの他にも、何か危険が潜んでるかもしれない。

メッセージ/ストーリー「注意」

第85号特別指令中は、セイヤの言っている事が二転三転していました。

「パートナーと連絡が取れなくて、こうするしかなかったの。」「ここはエネルギーが乱れてて道に迷いやすい。早く出た方がいい。」

1期3章3話「月下の再会」

考えたんだが、怪我をしたパートナーを一人で放置するのはあまり良くない気がする。

1期3章4話「迷宮」

セイヤは主人公と距離を置きたいができず、右往左往している様子が見て取れます。

「そんな大事件はネットで出てくるよ。他のことを言って。」彼が軽くため息をつき、手を上げる。すると、周りから少しずつ光が集まり始めた。その光は彼の指に沿って流れ金色の線となり、最後に複数の菱形が重なった模様を形成した。(中略)「あんた、これを覚えてるか?」(中略)「見たことない。覚えとくべきだった?」光が一瞬暗くなる。セイヤが期待していた答えではなかったかもしれない。

1期3章4話「迷宮」

セイヤは主人公が知らないと分かっていながら王宮の模様を見せ、覚えていないか聞いてしまいます。冷静でない様子がうかがえます。

「あ、違った。あなたはただの通りすがりのハンターだったね。」「…警戒しすぎじゃないか?」

1期3章6話「目覚める森」

「その日が来るまで、誰も彼女に近づいてはいけない。」のなら、主人公から警戒された方が、距離を置ける気もします。しかしセイヤは主人公から警戒される事が嫌なようです。その後、ハンター協会が主人公に改造コア捜索の辞令を出します。

「私が断るように説得しようとしてたんじゃないの?今日は一体何しに来たの?」「恐らく…自分が後悔したくなかったんだ。(中略)…俺はあんたが誘惑に負けて、その場で頷くんじゃないかと心配だった。」

1期3章11話「選択」

セイヤは主人公が危険な目に合う事を危惧して、主人公に辞退するように説得を試みます。しかし説得も空しく、主人公は依頼を受けてしまいます。

それに、他の奴をパートナーに選ぶんじゃないかと。(中略)もしあんたが最終的に参加を決断したら、パートナーには一番に俺を選んでくれるか?

1期3章11話「選択」

ここでもう、セイヤは主人公と距離を置くことを諦めたのではないでしょうか?主人公を心配する気持ちが勝ってしまったのでしょう。

主人公と深めていく親交

セイヤはその後、職場ではパートナーとして、プライベートではご近所さんとして主人公と親交を深めていきます。

この人、人付き合いに興味ないのかな…

思念「留めた瞬間」

セイヤは最初、主人公と深い仲になる気はなかったようです。しかし主人公が手作りクッキーを作ってくるなど、積極的にアプローチをしてきて、ほだされていったのだと思います。『流星の降る夜』で、セイヤを連れ出した主人公を思い出します。

主人公に陥落

「でも、あなたにはなかなか会えないよね…」「最近はそれほど忙しくない。」

思念「朗らかな予兆」

なるべく仲を深めないように踏ん張っていたセイヤでしたがついに観念。主人公のために時間を作るようになります。

告白

任務で主人公と偽装夫婦を装うことになったセイヤ。会話の節々から浮かれている様子が伝わってきます。

「あの時、お前のために俺が両親と縁を切ったことをもう忘れたのか?」「ちょっーー!」「…あらあら。あなた達、駆け落ちしたの?」

思念「21日」

セイヤは偽装夫婦設定に追加して、駆け落ち設定も入れてきて、主人公は驚きます。『指間の流星』でウルル星に一緒に逃げようとして失敗したセイヤは、奇しくも任務中ではありますが、夢が叶ってしまいます。

任務中、主人公はセイヤが好きなサクランボを買ってきてくれました。

「初めて誰かとこういう任務を遂行して、誰かと一つ屋根の下で暮らして。それなのに感想は『悪くなかった』だけなの?」「あんたの言う通りだ。確かに行動で示すべきだな。」「何を?」「好きだ。あんたは?」

思念「21日」

死別と失恋を繰り返し臆病になっていたであろうセイヤの背中を主人公は押てくれました。そしてセイヤは念願の告白をします。そして初めてのキスを主人公に捧げます。「心から思う人が一人でもいれば、それは希望になる」と自己完結していたセイヤが、相手の返事をねだっています。主人公がセイヤの背中を押してくれたおかげでしょう。セイヤは一人で完結せずに、ちゃんと両想いになる事を望めるように変わりました。想いは伝わり主人公はキスで返事をしてくれます。

交際

順調に交際を重ねていき主人公との仲を深めたセイヤは、その先を望むようになります。抑圧的だったこれまでの過去を想うと、男として自然にふるまえるようになった事は感慨深いです。

良い雰囲気に持って行けたけど、主人公が酔っていたため断念したエピソードがあるそうなんですが、筆者が未取得なので、取得したら追記したいと思います。

その後

思念「惑わす愛執」

その後、時を経てセイヤは男の本懐を遂げます。ここは詳しく書くと野暮になるので、筆者は静かにセイヤを祝福したいと思います。

あとがき

解釈違いも多々あった事かと思いますが、最後までお読みいただきありがとうございます。

筆者は恋と深空ではセイヤが一番好きなので、一番最初に感想を書きました。セイヤは不器用で空回りする事がありますが、性根がまっすぐで芯の強い人だと感じました。愛想が悪い部分もありますが、嫌味を言う事がなく好青年です。お堅そうに見えますが、冗談も通じます。逃げ癖を持っていますが、一度決めた事は最後までやり抜きます。そんな弱くも強い彼が私は大好きです。本編が未完の状況ではありますが、セイヤの半生を追っていく中で、セイヤの魅力を一部でも知れて光栄に思います。Papergames様にたくさんの感謝を送ります。

もしゲーム未プレイのまま本記事を読んでしまった方は、ぜひ本編もプレイしてみてください。リンクを張っておきます↓


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