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【ジョジョ】第4部キラークイーンの立ち姿がカッコよすぎるので、ポイントを解説する


出しな…テメェの…
キラークイーンを……!!
(画像はAmazonのフィギュアより)


皆さん「ジョジョの奇妙な冒険」はご存知でしょうか。
濃いキャラクターたち、根底にある哲学、数々の名言など魅力あふれる作品なんですが、物語に彩りを添えているのが「ジョジョ立ち」と呼ばれる独特のポーズです。


不自然な立ち方からネタにされることも多いジョジョ立ちですが、一部のコアなファンからは再現してみた系のコンテンツが出されるなど、ファンから高い支持を受けているジョジョには欠かせない要素です。


僕自身はそんなにコアなファンではなかったのですが、最近AmazonのPrime Videoで配信されているジョジョの奇妙な冒険をみはじめて、すっかり世界観に魅了されてしまいました。


ついこのあいだ見終わったのはジョジョの第4部。

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない

エジプトでの宿敵DIOとの死闘から11年後。1999年、空条承太郎は祖父ジョセフ・ジョースターの隠し子、東方仗助に会うため、日本のM県S市、杜王町にやってきた。
しかし発見した仗助は承太郎と同じ特殊能力、「スタンド」を持っていた。そして、承太郎の来訪を皮切りにまるで引かれ合うように、新たな「スタンド使い」達が動き始める。
「この町には何かがある…」
生まれ育った杜王町を守るため、仗助は立ちあがる——。
https://jojo-portal.com/anime/du/

ジョジョ公式サイトより


この第4部のラスボスである吉良吉影(きらよしかげ)が操るスタンドが、冒頭に画像をのせたキラークイーンです。



数あるジョジョ立ちの中でもキラークイーンが特別な理由

あまたあるジョジョ立ちの中でもこれほど惹かれたのはキラークイーンだけです。思わず鏡の前でマネしてしまうほど、特別な魅力がありました。


事実、いくつか存在するジョジョ立ちの人気ランキングでも上位に食い込んでいるのがこのキラークイーンです。


しかし、第4部のラスボスとはいえ、多数いる主人公格のキャラ達を差し置いて、なぜ悪人のスタンドであるキラークイーンがこれほどまでに魅力的なのでしょう。


マネしようと思ったとき、特徴を捉えやすいから?しかしそれだけの理由なら他の主人公格のキャラ達を差し置いてランキング上位に入る理由にはなりません……。


とりあえずカッコいい。カッコいいと思わせるだけのスゴ味がある。でもなぜこんなにカッコいいのか。そんなことを写真を見ながらボンヤリと考えていたら、ある仮説にたどり着きました。


もしかして……だからキラークイーンのジョジョ立ちはコレほどまでにカッコいいのか!!



人間に必要な動きがすべて含まれている


再掲(キラークイーンは人間じゃなくて猫らしい)

キラークイーンを象徴するこのポーズは、人間に必要な動きがすべて含まれており、それが見事に現れているからこそ美しく、カッコいいのです。


必要な動きが何かはいったん置いておいて、なぜすべての動きが含まれると美しい(カッコいい)のか。次の動画でヒントとなる考えが解説されていました。

美はなぜ私たちを幸せにするのか - 美の解説


動画から読み取れることは

  • 人間には美しさについての本質的(本能的)な共通認識がある。

  • 自然界に根ざしたパターン、例えば黄金比、左右対称、フラクタルといったものである。その認識を本能に取り入れることで、生存に有利になるよう進化してきたからである。

  • 中でも左右の対称性は、物体が正しく本来あるべき姿にあるかの指標と考えられる。(左右対称に育った小麦は栄養状態が良いのに対して、変形した小麦は食べても安全ではないかもしれない)

つまり対称性を備えていること(正常に本来あるべき機能があること)は美しさの感性を刺激する。それが生存に有利だから。本来のあるべき姿にあるモノは美しいと感じるように人間の感性にプログラムされているようです。


人間の動きに関しても、本来あるべき姿というのがあります。



人間のあるべき姿(動き)とは

産まれたばかりの赤ちゃんは首もすわってませんが、少しずつ首が自由に動かせるようになり、ハイハイができ、立ち、歩き、走り、跳び、投げといった大人と変わりない動きが可能になります。これは筋肉の発達のおかげです。


その発達の過程で関節における屈曲/伸展、内転/外転、内旋/外旋、回内/回外といったあらゆる動き、本来の動きを獲得していきます。


ここで今いちどキラークイーンの写真を見てみましょう。


エコーズ(第4部)のスタンド攻撃みたいになりました。


画像には関節で起こっている運動の一部を記載しました。からだの末端部を含めると本当はもっと動きはありますが省略しています。


右肩関節の外旋、左肩関節の内旋、胸椎の伸展、体幹部(腰椎)の回旋と過伸展を防ぐ固定、そして右股関節は内旋し、左股関節は外旋をしています。からだの仕組み的に左肩関節の内旋が過剰なので不自然ですがキラークイーンのモデルは猫なので柔らかいと考えて目をつむります。


特筆すべきは赤字で示した胸椎の伸展です。


先ほど述べたようにこの"胸椎の伸展"の動きも本来は人間に備わっている機能ですが、教科書的にも運動指導の経験からしても、多くの人においてこの動きが悪くなっている、あるいはできなくなっていることが多いです。これはスマートフォンが普及し猫背姿勢でいることが多くなったことが原因の1つと言われています。


胸椎の伸展をしてください(胸を張ってください)と伝えても、胸ではなく腰を反ってしまう。あまりにも動かないので、他の部分で変わりに動いてしまう"代償動作"が出てしまいがちな動きなのです。


ところがキラークイーンはどうでしょうか。現代では失われてしまった胸椎の伸展がキレイに出ている。なおかつ腰に代償動作をおこさず、骨盤を正面に向けて固定したまま上体はひねっている。これは難易度が高い。


さらに、それだけにとどまらず肩関節と股関節の外旋/内旋の動きも申し分なく出ている。これはただ単に上体をひねって反らしただけではなく、体の中心部に適度な力を保った(腹圧を入れた)まま行えていることも暗に示しています。


これだけのことを1ポーズに集約しているから、ひと目見ただけで美しい、カッコいいと無意識に感じてしまうのです。その証拠にキラークイーンが似たポーズをしていても、上体を反らしていないポーズはどこか魅力が半減してしまう!!


胸椎の伸展がないバージョン。これでは何か足りない!
(https://1kuji.com/products/jojo_6)



見ための印象に大切な動き、胸椎の伸展

以上のことから、見た目の印象には胸椎の伸展が非常に大切だと言えます。


胸椎の伸展ができるかできないかは、人の本能に根ざした美的感覚を介して、見た目の良し悪しを大きく左右するのです。それが同じひとであっても。



さらに影響を与えるのは見た目の印象だけにとどまりません。実用面にも多大な影響を与えます



例えば筋トレの効果。ラットプルダウンという背中を鍛える代表的な筋トレの種目があります。その知名度の割にはいまいち背中を鍛えている感覚がわからない背中難民を生み出し続けている魔の種目でもあります。


ラットプルダウン


この種目で効果がでない原因の1つに、胸椎の伸展ができないことがあります。よく見る種目だからやってるけど、効いてる感じがしないという声は本当に多いです。そういう方は大体胸椎の伸展が出来ていない。または胸ではなく腰を反っている。そのためやり過ぎで腰が痛くなったりする。


もしキラークイーンほどの胸椎の伸展ができれば効かせやすい。そして腰痛や肩の痛みが起きにくい。見た目だけではなく、実用面からも胸椎の伸展を身につけるメリットがあります。



カッコいい身体を目指すなら身につけるべき

胸椎の伸展を身につけることが大切です。見た目の印象、実用的な観点からもメリットしかありません。特に現代ではこの動きが悪くなりやすい。


僕自身、最初はどうやって動かせばいいのかわからなかった。というか動きが悪いことすらわからなかったのですが少しずつ動かせるようになって、見た目の姿勢、トレーニングの質ともに向上しました。


もし動きができてるかチェックしたいなら、キラークイーンのジョジョ立ちをしてみるのです。腰には気をつけてくださいね。



(左)胸椎の伸展できてる (右)できてない

左に近ければ胸椎の伸展ができている。どうしても右になってしまうなら胸椎の伸展ができない。と考えましょう。



皆さんも胸椎の伸展をできるようにして、カッコいいキラークイーンのジョジョ立ちをブチかましましょう。そしてカッコいい姿勢、身体を手にいれましょう。


ちなみに記事の終わりにある ♡(スキ)マークは、僕のスタンドのキラークイーンが触れて爆弾に変わっています。絶対に押すんじゃあないぞ。

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