Ayeshaww5♦

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最近の記事

忘れられた墓の前で魂は出会う

必死になればなるほど、本当に必要だと思えば思うほど、そういうものほど手に入らなかった。昔からそうだった。 きっと残酷なのは私欲の塊で、純粋無垢で粘りけのある行動だ。 深い慈愛を持ち、己の欲求を抑え、自分よりカーブミラーに映った誰かの幸せを素直に喜べる人間になりたい。 きっとそんな人は、誰かの代わりに罰を受け、幸福を取り上げられてしまう場面に向き合うかもしれないが、誠実であることが最も簡単で、唯一の救いであると思えるだろう。 人を信じる行為を疑ってしまうなら、ただ自分の正しさだ

    • 廃景に鉄塔、

      広大な田園の海を裂くように渡された線路 這うように確かめるように走る一両の電車 車内には誰もいない 世間は夏休み 差し込む日の光に当てられ同じ周期で視界を横切る鉄塔をボーッと眺め 遠い昔の誰かに会いに行きたい

      • 2022/11/23

        帰り道に新しく本屋が出来たので放課後に寄りました 店内がホームセンター並に広くて探索していたらあっという間に日が沈んでしまいました 焦って勢いにまかせてその場にあった一冊手に取って会計して帰りました 買ったのはSF短編集です 「短編集は一冊で複数の作品が読めるのでお得かも(?)」と思いながら読み進めています

        • 黒煙に傷口を願い

          誰かを幸せにしたいなら誠実であることだ 安寧は不誠実によって崩される 最初から最後まで覚悟をもった選択をして生きないと失ったものは返ってこない 大なり小なり約束は丁寧に丁寧に守らなければならない ただいくら誠実を尽くしてしていても狡い人間は不意に全て奪っていくこともある どうすればいい どうすればいい どうしようもない

          取るに足らぬ淀んだ暮らしは今日も続く

          最近は専ら生活をしています。多くを諦めて、手元に残った物を大切に大切に掬い上げる事が私を醜く幸せにするのだと思います。 私の母は、高い買い物をした時の空き箱を捨てる事が出来ない人間でした。「いつか使うかもしれない」と、不明瞭な"いつか"のために今の生活のスペースを占領するその行動は、学生時代の私には理解が出来ないものでした。 今は、その考えについて少しだけ理解できるようになりました。 今日はお昼前に起きました。ゴミ出しはまだ出来ていません。 部屋にゴミ袋がたまっているのを

          取るに足らぬ淀んだ暮らしは今日も続く

          ムラサキカガミ

          晴れ。とくにやる事はない。散歩にでも行こっかな。 不意に鳴ったアラーム、ドラマはない、普通の毎日のつづき。 単調に、単調に、鳴る。ただのアラーム。 今日何も食べてないな。が、それは良しとしよう。 散歩の途中、いつものお店で、いつものパンを買って食べました。で、 「あぁ、またいつものパンを買ってしまったな」 って思いながら、いつも 「これおいしいな」 って思いながらまたゆっくり日が沈んていくのを見ながら。 今日できなかった事は、また明日に任せてみよって思いながら、 「でも明

          ムラサキカガミ

          遠い夢の中で腐っている

          夕焼けの光が差し込む アパートのベランダで 生活感が微細な粒となり 風に乗って舞う コインパーキングの隙間には 日常の断片が落ち着き 車のタイヤの跡に刻まれた 一日の流れが感じられる 喧噪の中に潜む静寂 アスファルトの冷たさが 足元から感じられるその狭間で 生活が息づいている コンクリートの塊と鉄の冷たさ しかしそこには人の温もりが アパートの窓から漏れる笑い声 遠くで響く子供たちの遊び声 生活感は何気ない瞬間に宿り ベランダと隙間が織りなす 小さな世界に息づいて 日

          遠い夢の中で腐っている

          思いを形に変えないで

          片目のない猫の死骸、ホームレスの布団を剥ぐホームレス、顔も隠れてしまうほど大きなマスクをした人の群れ、コンクリート、吐瀉物、廃車。 そんな当たり前の光景に目もくれず、彼女の脳内の言葉の輪郭を確かめる。 生れてこなければよかった。 彼女は両親を恨んだ。クラスメイトを恨んだ。頭の悪い大人を恨んだ。私の人生は線路から外れてしまった。いや、元から線路から遠く外れた荒れ地に置かれたのかもしれない。この環境はあらゆる人間の結晶だ。頭の悪い人間の向こう見ずな行動の先端を縛った、きっと

          思いを形に変えないで

          連続秒針

          きっと自分なんかいない方がいいだろうと思っても、いなくなるのはなかなか大変である。 毎日が淡泊でなく、何も変わらない深い苛立ちと、自分の無能感に潰されそうになる。 自分が堕ちてゆく姿と、それを笑う幸せそうなみんなが、同じコントラストで映る。 誠実に生きていても、現実は冷静で正直で、魅力がない人間は放っておかれる。 プライドも人生の楽しみも幸せもすべて失ってしまっても、ただ生きるだけ生きよう。 正しく生きるのは難しい。美しい心をください。

          思い馳せまくった週9回

          アニメキャラクターは基本的に我々と住んでいる世界とは断絶されている虚構の世界の人間ですが、それは単に個々の世界を開闢点とした”私”から観点で、私の独在性に重きを置いた絶対的現実の観点から見れば、彼女の存在は私からしてあなたや他の方々と全く対等です。彼女が特殊にはらんでいると思われていた虚構性はキャンセルされ、彼女も我々と同じ人間に過ぎないと考えられます。 嘘みたいに小さなことで、今まで積み上げてきた塔は崩れてしまうでしょう。自分が悪いのではなく、世界が狂っているんだと思えば

          思い馳せまくった週9回

          確かなことが重なる音が

          一人の意味のありかの夢の話の続きをしよう 愛と呼ぶにはあまりにもちっぽけな僕の為の命の声 今日例えば君が死んだとする夢の話の続きをしよう 誰一人とて君のありかを探す者は見当たらない 太陽の痛み再三の祈りに木漏れ日首吊り見えない瞳に映らない 意味などなく火を働かせ飽きるほどに話をしよう 日が沈んでどこの誰かが夢を語る為に死のう あさやけに濡れた 夢の中で踊る夜染まれ微に声止めどなく響け雨 飽きれば捨てようそれまで染めよう それでも祈れば報われよう鼓動よ

          確かなことが重なる音が

          不明瞭な心、些細な事。

          聞き馴染みのない通知音がした。 ほとんど個人的な領域のように思っているスマホから音が流れる、その強制力がどことなく不安を煽った。 しかしそのような不安を1分間くらいだけ感じたあと、眠気が上回って揺れを感じながら二度寝に入った。よくない悠長さだとは思う。 眠気と、ほんのちょっとの死の不安を天秤にかけたら眠気のほうが沈んでいった。でもそのあと少し不気味な夢を見たのは、眠気が解消されていって、不安の重さが上回ったからなのかもしれない。 ではどの程度まで死の可能性が高まったら、ベッ

          不明瞭な心、些細な事。

          嘘拡散ーカルチャージャミングー

          個人に真実を嗅ぎ分ける能力がなくても、大きな社会になると、真実と嘘を見分ける力を持っている。条件を満たした集団は自ら正し、満たしていない集団は嘘がより色濃く沈殿していく。誤った常識として定着する。これを数値化することで様々な集団の健全度を測れる。 嘘を浄化する集団を健全だと言い切る。それはとても自然な考えだけど、一方であらゆる嘘を締め出す集団は本当に健全なのだろうか?

          嘘拡散ーカルチャージャミングー

          雨が降り土が湿ること

          傷。とても浅い傷、自分だけが気にしている。 年月を重ね、それはだんだんと深くなって、最後には消えてなくなった。 なくなってからどうなったかと言うと、ほとんど何も変わらないけれど、 少しだけ自信がついた。少しだけ誰かを傷つけるようになった。 傷つけるようになってしまった。 いつからそうなってしまったのかを思い出すことが出来ない。 一番大きな傷を負わせたのは?

          雨が降り土が湿ること

          エンジェル係数

          久しぶりに午後の紅茶を飲んだのですが、甘すぎてだめですね。明日からまたジャスミンティーを飲もうと思います。 花を育てたくなったので、バーバパパみたいな色の植木鉢を買ってみました。たんぽぽの根っこが長いってほんとなんですかね。春になったら土から掘り起こしてみようと思います。 きょうの夜空は黒というより、ネイビーって感じでした。空は毎日色が違っていいですね。 いつか2人でプラネタリウムにいきましょう。うお座、おしえてあげます。

          エンジェル係数

          案外不安定な街の中

          「もちろん猫に、オープンソースソフトウェアのことはわからない。リーダーシップもありはしない。でもね、猫に与えられた役割というのは、つまりそれなんだよ、人は優しい独裁者を求めている。そして猫は生まれながらにして独裁者だ」 猫を飼う人の多くは、まるで猫に従えているようだ。 ただ可愛いだけの非力な生き物に支配されることを喜んでいるようだ。 空を見上げたというよりが背筋を伸ばすような動作で、その姿は不思議と猫を連想させた。

          案外不安定な街の中