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レビュー、劇評、インタビューなど

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綾門優季が執筆したレビュー、劇評、インタビューなどを不定期に掲載していきます。
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#演劇レビュー

言葉にならない言葉がいちばんだいじな言葉

言葉にならない言葉がいちばんだいじな言葉

ヌトミックの『何事もチューン』のこと、本当に大好きだなあと思ったのは錯覚かと思ったらぜんぜん錯覚じゃなくって、半年以上経ってもその気持ちがなかなか鎮まらなくって、それがどうしてなんだろうって結構、日々のスキマ時間とかも使って考えてみたんだけど、これだ!っていう結論にはぜんぜんたどり着けなくって、でも、べつに結論とかなくったって、大好きだったら素直に大好きだってそれだけを伝えればいいんだと思う。中学

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テアトロコント vol.10『辛笑い』

テアトロコント vol.10『辛笑い』

辛笑い、という言葉はこの世に存在しないが、もし存在していれば今回のテアトロコントは辛笑いに満ち溢れていた。現実の辛さを鮮烈に思い出しながら、それでも笑わざるを得ない状態だ。辛い現実を忘れたくて、笑いに劇場に来るお客さんだって一定数いたことだろう、本当に申し訳ない。いつものテアトロコントはここまで辛笑いに偏っているわけではないのだ。示し合わせたわけでもないのに、異常な偏りをみせた回だった。

1番目

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テアトロコント vol.9『コントに謎は必要だろうか?』

テアトロコント vol.9『コントに謎は必要だろうか?』

1番目はだーりんず。四つのコントのうち、何よりも昔捨てた五つ子が父親に会いに来る作品の完成度が高い。順番が前後するだけで、父親の子供に対する扱いが違う。いくら人生にとって大切な場面とはいえ、何度も繰り返しているうちに段々と扱いが雑になる。自分も誰かとの一生に一度の出会いで、知らず知らずのうちにこのような不運に見舞われているのかもしれない。

2番目はトリコロールケーキ。コントにあるまじき、相当やや

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