包丁とスライサー
こんなタイトルだけど作曲機材論的な話。
包丁って自分の実力さえあればどんなサイズにもキレるし色んな切り方もできるじゃないですか。だけど何かを一定の厚さにスライスするにはそれなりの修練が必要になります。
対してスライサーって実力がなくても一定の厚さにスライスできるんですよ。ただしスライス以外は出来ないんです。
書いてみると至極当たり前の話なんですが作曲機材にも当てはまることがありまして。
例えばマスタリングという作業があるんですが、
10年くらい前、駆け出しの作曲家は憧れ、エンジニアはみんな使っていると言われていた「waves」のマスタリングプラグイン。
僕にとってこれはよく切れる包丁でした。ただし我ながら使いこなせていなかったと思います。今ほど耳が育っていなかったので、
やれneveのコンソールをシュミレートしてるとかシルキーな倍音を付加するとか言われても良さが全くわからんかったわけです。
一方、10年が経ち、最近の流行りのizotope のOzone。
自動マスタリングしてくれるこれは完全にスライサーです。
何も考えずにクリックすれば良い感じになります。ただそこに個性というかクセというかそういうものは介在しません。
僕はアルバム単位で販売するので大体25曲くらいまとめてマスタリングするんですが、そういう使い方をするにはこのOzoneというスライサーは最高です。小一時間で作業が終わります。同じ作業をwavesのみを使用してやったら途方もない時間がかかるし、恐らく集中力が尽きるので精度も低くなるでしょう。
どちらが良い悪いの話ではないんですが、最近のOzone普及率や、wavesがヤケクソな値下げ(当時700,000程度したプラグインが数万円!)というのを見ると、世間はOzoneの圧勝だと思います。
最近wavesが「MIXは必ず上手くなる!」と言った内容の煽りテキストを広告に使用しているのをみましたが、
MIXが上手くなりたいんじゃなくて
MIXが上手い状態になりたいんですよ。手軽に。
とまあ、そんな最中、捻くれ者の僕は
「じゃあまあ、久しぶりにwavesでも使ってみるか」
と思いまして、旧パソコンのライセンスを移動させ
新パソコンで使用してみようとしたんですよ。
実際当時よりかなり作曲レベルも上がってるし耳も鍛えられてる、
最近はneveやらSSLのコンソールを通した音の良さもなんとなく分かってきてる、今なら使いこなせる!新しい武器ゲットだぜ!と思ってドキドキしながら起動したんですが、
バージョンが古いせいで起動すら出来ないっていうね。。。
色々方法を調べたんですがどうやら無理っぽいと。。。
wavesってライセンス関係が非常にややっこしくて製品とライセンスを別々に管理してるっぽいんですが、その関係でバージョン古い製品を入れるには別のソフトが必要とかなんとかで実際書きながらよくわからんのですが
そういうところだよ!izotopeに負けてるの。。。
とまあそんなわけでちょっと外れましたがスライサーと包丁の話でした。
普段はOzoneというスライサーを使いつつ、ここぞというとき使える包丁のような機材を探したいと思います。
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