目に見えない言葉
「君はどう思ってる?」
相手から問われた言葉に返そうと脳内で言葉を探る。
「僕は、その提案いいと思う」
練った上の出た言葉がこれだ。
口にした言葉はこの一文だが、実際には何百文字という言葉が脳内で飛び交っていた。
そう、見えない言葉だ。
この言葉が正直、世界で1番ややこしい奴なのではないかとふと思う時がある。
とても邪魔なのだ。
そのまま伝えたい。
思ってることを伝えたい。
でも見えない言葉に邪魔され、整頓された言葉だけが相手の耳へと届く。
こんなの面白さの欠片もない。
脳を2つにパカッと開いて中身を見せてあげたいくらいだ。
「君の問いだけでこんなにも面白い言葉が出てきたんだよ。」ってね。
だけど、3次元の世界ではそんなの無理だ。せめて、2次元の世界なら見れただろう。
そう考えると、本当に3次元は見えないものが多すぎる。
まあ、こうやってあーだこーだ言っても変わるのは時間だけだ。
それ以外、なーんにも変わらん。
今日も明日も。その次の日も。
毎日見えない言葉と戦い続ける。
そんな毎日に飽き飽きしてとっくに違う世界にいってやろうとも考えた。
けど、3次元も悪くは無いな。と最近感じるのだ。
見えない言葉がある反面、見える言葉があるからだ。
見える言葉で一喜一憂する自分を見て、この世界も悪くないな。って気づく。
今日も明日も。次の日も。
次は、どんな言葉が見えるだろうか。
心が踊るほど楽しみだ。
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