三角比(三角関数)の基礎(1)
どうもこんにちは
今回から三角比について話していきます。
いきなり数学Ⅰで現れるsin、cos、tan・・・ なんでこんなの考えなくちゃいかんのか、こんなの考えて何がおもろいんだ、これがわかってないと勉強のモチベなんて上がりようがありません。そこで今回、できるだけ学習のモチベを保てるように、三角比をできるだけわかりやすく説明します。
三角比の定義
三角比とは文字どおり、三角形の比のことです。昔の人が三角形の比を考えたかったのでしょう。なので三角形を考えてみます。(今回は直角三角形)
(基礎知識:角度は「θ」を使って表します。読み方は「シータ」です。)
三角形の比を考えるとき、一気に3つの辺を考えるのは難しいです。なので2つずつ考えてみましょう。aとb、aとc、bとcの3つにわければよさそうですね。なので、a/b(b分のa)、c/b(b分のc)、a/c(c分のa)を考えてみましょう。
(基礎知識:分数が比を表すことを知っていますか?2:3が4:6と同じように、2/3(3分の2)は4/6(6分の4)と同じですよね。)
いちいちa/bと書くのは面倒くさいので記号を使って書こう!これがsin、cos、tanなのです。
sinθ=a/b
cosθ=c/b
tanθ=a/b
(基礎知識:sinは「サイン」、cosは「コサイン」、tanは「タンジェント」と読みます。)
(下の図を見ながらsin、cos、tanの定義を確認しましょう。注意してほしいのが、直角三角形であることです。直角三角形でないと三角比は定義できません。)
・・・まぁ、文字だけ見ても定義は覚えにくいですよね。なので、言葉で覚えてしまいましょう。ACのことを「斜辺(しゃへん)」、ABのことを「θにくっついてる辺」、BCのことを「θにくっついてない辺」と呼ぶことにすると、
さて、そろそろ覚えられそうですか?練習問題で確認してみましょう。
問1
下の図の直角三角形ABCにおいて、sinθ、cosθ、tanθを求めよ。
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解答
sinθ=(θにくっついてない辺)/(斜辺)=3/5
cosθ=(θにくっついてる辺)/(斜辺)=4/5
tanθ=(θにくっついてない辺)/(θにくっついてる辺)=3/4
まとめ:三角形の辺の比を考えたくてsin、cos、tanを定義した。
θに具体的な値を入れてみよう
いままでθと書かれていて、実際に何度なのかはわかりませんでした。しかしある直角三角形を使うと少しだけ具体的な世界を覗くことができます。
このような三角定規があったのを覚えていますか?辺の比は2:1:√3で、角Aは30°です。(知らなかったなら今覚えてください)
図を見ると、
sin30°=1/2 cos30°=√3/2 tan30°=1/√3
です。
(おいおい!1/√3は有理化しなくていいのかよ!と思った人へ。別にしなくていいです。三角比の単元では、有理化せずに放っておく慣習があります。)
次に、
この三角形も三角定規にありましたね。
図を見ると、
sin45°=1/√2 cos45°=1/√2 tan45°=1
です。
最後に、
最初の三角形と同じです。
図を見ると、
sin60°=√3/2 cos60°=1/2 tan60°=√3
です。
今までに出てきた、9つの具体例は覚えてしまいましょう。すぐに覚えなくてもいいです。
まとめ:θが30°、45°、60°の時のsin、cos、tanは覚えよう。
sin、cos、tanの進化
さて、今回習ったsin、cos、tanですが、注意してほしいのが「あくまで辺の比の関係」ということなのです。なので、相似な三角形ならsin、cos、tanの値は変わらないのです!
下の三角形を見てください。例題の三角形とそれを1/5倍にした三角形です(相似ですね)。すると、どちらの三角形でも、
sinθ=3/5、cosθ=4/5、tanθ=3/4
になります。(自分で計算してみてください)
ここで昔の人は考えたのでしょう。
「じゃあ、斜辺を1に固定したら計算楽じゃない?」
これはどういうことでしょう。もう一度三角比の定義に戻ってみましょう。
sinとcosの分母に「斜辺」がありますね。なので、斜辺のところに1を代入すると、
sinθ=(θにくっついてない辺) cosθ=(θにくっついてる辺)
すっきりしましたね。
次に考えたのが、
「斜辺を円の半径にしたら楽じゃない?」
文章だけでは意味が分かりませんね。下の図を見てください。
円の中に三角形がすっぽり入りました。点Pが動くとθの値も変わります。
図を見てください。θにくっついてる辺、ない辺がありますよね。
OA=θにくっついてる辺 AP=θにくっついてない辺 ・・・①
ここでさっきの話を思い出してください。
sinθ=(θにくっついてない辺) cosθ=(θにくっついてる辺) ・・・②
①、②より、
OA=sinθ、AP=cosθ
さて、これはどういう意味かというと、
半径1の円の上に直角三角形を乗せたとき、
sinはy座標の値に、cosはx座標の値になる
ということです。
(基礎知識:半径1の円のことを単位円といいます。)
ちょっと工夫するだけで、sinとcosは辺の比から辺の長さに進化しました!
tanはどうなったでしょう。図をじっくり見ると、・・・そうですね、直線OPの傾きに進化していますね。
まとめ:単位円の上に直角三角形を乗せると、sin、cosは辺の長さ、tanは傾きに進化した。
今回はここまで。次回は三角比の公式を導出していきます。
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