超MM

超MM

僕が小学生の頃に子ギャルというものが流行った。

超MM、MK5など、様々なパワーワードが生まれた時代だ。


主にクレヨンしんちゃんとドラゴンボールの影響でピチピチギャルというキラーフレーズが僕の頭の中に強烈にインプットされた。

恐らく、この頃が女子大生から女子高生へ性のメインストリームが変化した時期なのだと思う。

僕の地元は田舎なので、夜になるとコンビニが閉まってしまうのである。

唯一の近所のコンビニは昼間でもおばちゃんが立ってなくて、悪ガキ達はみんな万引きをしていた。

当時エロを手に入れる手段に乏しい我らは、親、兄等の親族のもので賄うか、ここで万引きするという手段だった。


忘れもしない小学6年の修学旅行の前夜。

多感な僕らは「何かしらエッチなものを各自持ち合わせよう。」と打ち合わせていた。

僕はボストンバッグに全ての荷物を詰めて玄関に置いていた。

バスタオルに素人投稿雑誌『美少女投稿倶楽部』をしっかりと包み込み。

しかし、何を血迷ったか母親がバッグの中身をチェックし始めたのだ。

顕になる僕の『美少女投稿倶楽部』。


「なにこれは。」


穏やかなトーンの母K子(仮)。


「美少女投稿倶楽部です。」


「どうしたのこれ。」


この『美少女投稿倶楽部』は同級生で、文武両道、サッカー部キャプテン、雰囲気で言うとちびまる子ちゃんの『大野くん』似の超絶イケメン君から借りていたのだ。

僕は自分の身を守るためなら平気で仲間を売る男だ。


「大野くんから貰った。」


母は声を荒らげた。


「大野くんがこんなもの持ってるわけないでしょ!」


そう。

全てはパブリックイメージなのだ。

きっとあの時は世界中の誰に言っても信じては貰えないのだろう。

僕は静かに俯き


「それでも、これは持っていかなくてはならないんだ、、、!」


と呟きボストンバッグに詰め込み部屋に逃げ込んだ。

世界はみんな間違っている!

仲間を売った罪悪感など微塵も感じずに憤りに溢れていた。


ちなみに『大野くん』は今、選挙に行くと役場の職員として投票所にいつもいる。

ごめんなさい。大野くん。

この曲は『スーパーマジックマッシュルーム』と読みます。

無我夢中って気持ちいいよね。みたいな感じです。

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