広尾TC2022年募集馬を血統分解から見てみるページ

今回もライト版です!

①キャッツアイ22 牝馬

タワーオブロンドン×キャッツアイ  母父Tale of the Cat
蛯名正義厩舎(美浦)  遺伝子:CC

広尾馬キャッツアイの初仔。キャッツアイは岩田康誠Jで未勝利戦を勝利、1勝Cを2着などとりましたが屈腱炎にて引退。武豊J、福永Jも騎乗しました。
タワーオブロンドンの本馬を出産後に亡くなってしまったということで、特別な思いを持つ元出資者さんもいらっしゃるのではないでしょうか(自分もです

キャッツアイはダート中距離を走りました。ミスプロ多重クロスとStormCatによるダート適性、リファール多重クロスによる先行粘り力。血統がそのままでていたような馬でした。未勝利時の実況の「キャッツアイ、逃走態勢!!」は名実況でしたね。

タワーオブロンドンは芝の短距離~マイルで活躍。するどいキレが特徴的でした。GoneWestのスピードに名血Touch of Greatness(パーフェクトラヴの項目でも出るよ)で名種牡馬Elusive Qualityの血脈に対して凱旋門賞馬Dalakhaniとシンコウエルメスといったハイインローを基軸にしたフランス血脈の底力とキレで構成されている馬です。

Touch of GreatnessとGoneWest(≒Miswaki)とSadler's Wellsと欧州底力にナスキロというのはタワーオブロンドンやファストアプローチなどで成功しておりニックスといえます。名牝という土台にナスキロ構成要素とサドラー構成要素がニアリークロスしていることが成功の要因と思われます。

キャッツアイと配合されることで日本向きのSSやStormCatといったものに加え、上記の成功した要因であるサドラーをそのままクロスできるうえ、GoneWestの父であるミスプロをなんと5本も内包しており、リファール多重クロス含めてほんとに欧米ニックスクロスマシマシな子になったと思います。
スイートマカロン系統であることやこれだけのミスプロの数なだけあってダートに出る可能性も高いと思いつつ、タワーオブロンドンの持つ可能性含め楽しみだと思います。


②パーフェクトラヴ21  牡馬

サトノクラウン×パーフェクトラヴ  母父オルフェーヴル
鈴木慎太郎厩舎(美浦)   遺伝子:CT

広尾っ子パーフェクトラヴの初仔となります。ステゴ×ハイアーラヴのクレッシェンドラヴに対してステゴの子オルフェ×ハイアーラヴの血統。

サトノクラウンは芝中距離で重馬場巧者という印象。ラストタイクーンからの直系という日本ではなかなか珍しい流れの馬。
キャッツアイ22の欄で書いたTouch of Greatnessの名前がありますね。
「Touch of GreatnessとGoneWest(≒Miswaki)とSadler's Wellsと欧州底力にナスキロ」という名牝である本馬をめぐる配合パターンに完全一致しているのがこのパーフェクトラヴ22です。
MiswakiとTouch of GreatnessでRossini(≒Elusive Quality)、
パーフェクトラヴにサドラー、底力のWelsh FlameやSharpen Up、
ナスキロはラストタイクーンのミルリーフやハイアーラヴからの素晴らしい血であるShirley Heightsなどなど。
この辺の配合ニックスを狙ったかのような種付けでとても素晴らしいと思います。
さらになんといってもステゴそしてオルフェが母父に来ることでどうなりますか。スピード成分も持ちながらパワー底力成分たっぷり。
BuckpasserとBestinshowとセットなSexAppealにBuckpasserがジョコンダからもうひとつ。ラトロワンヌ満載でパワーの下支えにナスキロとの潤滑油しててよき。

あと個人的に推せる要素なのがMarjuの母母Welsh Flame。これにGone West(≒Miswaki)にサドラーが加わって・・・。
はい、ウェルシュステラの出来上がりです。そこにサンデーが合わさってステラリードです!
ということで実はすでに多くの広尾民がこのへんのニックスの組み合わせの恩恵を受けているんですよね。
もちろん似た馬かどうかというと全然違いますが、組み合わせとしてはこの配合チョイスも広尾民として納得してしまいますw
血統系の記者がWelsh Flameを取り上げたりしているのも見かけますね。

芝の中距離くらいでクレッシェンドラヴのような活躍をしてほしいものです。


③ミスペンバリー21  牡馬

キズナ×ミスペンバリー  母父モンジュー
高柳瑞樹厩舎(美浦)   遺伝子:TT

アシタカの全弟にあたりますね。今年はスターズオンアースでG1をとった高柳瑞樹先生になります。
血統解説についてはアシタカの血統解説をご確認ください。使いまわしサーセン
https://note.com/ayasecharlotte/n/nc9e9cccc3c9a (③ミスペンバリー19です)

この過去の解説と現在のアシタカを見て思うのは欧州的な感じがやっぱり強いけど気性が邪魔してようわからん、です。   おとなしく走れればパンサラッサのようにスタミナを存分にいかせると思ってるんですけどね。
本馬については尺が小さく、最終的にもアシタカのような500kgクラスにはならないでしょう。それならそれで軽快にスタミナを活かして走れるような、似た血統のメロディーレーンとかの印象でいるのもありかもしれません。あそこまで小さくはならないと思うけど・・・!
まずはしっかりとした成長過程を辿れるよう見守れたらと思います。ハイパー晩成血統だしね!


④ラズベリータイム21  牝馬

ダンカーク×ラズベリータイム  母父フジキセキ
田村康仁厩舎(美浦)   遺伝子:CT

エベーヌの全妹でありラズベリータイムのラストクロップになりますね。
産駒だとミトノレインボーが準OPで活躍していました。

ラズベリータイムの母レディストロベリーはCaerleonというNijinskyの代表産駒の子です。NijinskyはRedGodのSpringRun(≒TomFool)の構成要素をそのまま持っているのでとても良いです。
フジキセキからMillicent、レディストロベリーからMillReefやPrincequilloのナスキロ要素も多いのも良いです。
またラストタイクーンの文字がありキングマンボ系との間にキングカメハメハが誕生しているようにこういった形でアプローチ出来るのも魅力的です。

他にも牝系のJackie Berryという血統の父系はAureoleというHyperion+Donatelloのドナペリオンで、母系もDonatelloからなので底力スタミナ・先行力をもってきています。

グランツベリー分解時にはあまり気にしていなかったんですが、今思うとエベーヌの気性はAureoleによるものと思われます。前向きに発揮されればすばらしい血なのですが後ろ向きになるとやる気スイッチがオフになる血統と解釈しています。

ダンカークとの配合については、まぁダンカークそのものがどうかというところですがこちらも血統構成としてはすばらしいんですよね。ラズベリータイムと配合されることでLe FabuleuxとIn Realityがクロスするという、血統的にはとっても魅力的な底力パワー配合なんですよね。
フジキセキの成功はLe FabuleuxとIn Realityによるものが大きいと思うのでやはり魅力的。
Unbridled's Songも日本に合ってますからね。
血統的にはやっぱり魅力的で、グランツベリーかこの子には繫殖に入ってほしいなという思いがあります。
実際エベーヌ2桁口いったくらいには魅力に感じてますw
がんばってほしい。


⑤セイリングホーム21   牡馬

シュヴァルグラン×セイリングホーム  母父Shamardal
高柳大輔厩舎(栗東)  遺伝子:CT

セイリングホームはゴドルフィン生産馬でフランスで勝っている馬です。
木村秀則牧場にいるようなので、めざせ今後の広尾の繫殖の柱、という形で購入したのでしょう。本馬が初仔ですね。
広尾血統解説でも語られていますがこの血統はむちゃくちゃ魅力的です。
分解すればするほど魅力があふれてくるくらい、良質な構成をしていると思います。
広尾解説の竹内さんもアツく詳しく書いているのでそっちも参照してもらいつつ、そこでは語られていなかった情報を。

Monsunのドイツ血統、牝系からはAllegedという、ドイツ血統の重厚さ+Man o'Warたくさんのアメリカパワー底力血統。Le FabuleuxやSharpen Upという血も含めて、底力がしたからささえています。そこにStorm Cat、Rahy、ミスプロ、Halo、Rivermanといったスピード血統のShamardalをあわせたと。日本向きにもなるわけですね。
Shamardalはミスプロ×StormCatだけどフランスでたくさん勝ったのはTroyの底力の支えがあったのもありそう。
ステラリードやミスペンバリーもそうですが牝系からこういう支え方をしたうえでスピード系統と合わせるのはとても打率が高く感じます。

Shamardal×Monsunはエイシンエルヴィンという活躍馬がいて準OPまでいきフランスのモントルトゥー賞を勝ちレオンで話題になったG1クイーンアンSに出走までしています。芝1800-2000で活躍しました。

Monsunはハイインローの権化ともいえるくらいスタミナ底力があり、そこにStorm Cat、Rahy、Mr.Prospector、Halo、Rivermanといったスピード血統をもつShamardalあてがわれたかたちですね。

Shamardalの牝馬に対してハーツクライ肌を付けるのは流行っているらしいですね。フォロワーさんの働いている牧場も2頭いるとか。

シュヴァルグランについては広尾血統欄参照ですが、ハルーワスウィートと配合する意味もものすごい大きいと思います。Shamardalのよさのスピード配合を増幅させる形になるし、それもコアとなるMaciavellianとRahyですからね。Specialがあるのも良くて文句なし。ハルーワスウィートいい血統だね・・・。

ハーツクライとの配合はナスペリオンいっぱい!が鉄板なんですが上述の通りハイインローたっぷりだしそもそもがナスルーラのラインですから、もうベストでしょう。1800~2400で活躍が見たいところです。
抜群のスタミナと底力。アメリカンスピードたっぷり。
すでに22はスワーヴリチャードで同じくハーツクライ肌のようですね。こちらもいい。

今後のセイリングホームの繫殖としての動向も楽しみです。



⑥ステラリード21  牡馬

レイデオロ×ステラリード  母父スペシャルウィーク
矢作芳人厩舎(栗東)   遺伝子:TT

最後は広尾の鉄板となりましたステラリード。
パラスアテナ、カイザーノヴァ、キングエルメスはG2制覇からのG1好走と毎年産駒が素晴らしい活躍。テラステラもすごいよさそうですね。

ステラリードにはキンカメが一番と推し続けてきたのでここは割愛。
キンカメ系のレイデオロとの配合ですね。
種牡馬の力はレイデオロが初年度なのでわかりませんが、配合としてはロードカナロアであるキングエルメスよりも上であると思います。

ステラリード≒シーザリオというのは知られていますがシーザリオはキンカメとの間にリオンディーズ、カナロアとの間にサートゥルナーリア、シンボリクリスエスとの間にエピファネイアを産んでおり全て種牡馬になっています。レイデオロとのかけあわせは全てを同時に実現できるものです。

レイデオロ母ラドラーダはシンボリクリスエスとレディブロンド。レディブロンド側にBuckpasserがおり、ステラ×キンカメの強みをさらに引き出してくれます。また、ディープインパクト母のウインドインハーヘアがいるのが秀逸で、ステラリード-ウェルシュステラのラインでの一番の強みといえるのがWelshFlameなんですがこれとBurghclereはニアリークロスにあたります。
いずれもHyperion、Donatello、Fair Trial~Son-in-Lawという、自分が普段血統をみるにあたって特に重要視している要素を丸ごとクロスできる形になります。ボリクリのロベルト要素もかみあって、「強さ」がより補完されているように思います。(ディープ同血のブラックタイドが底力にすぐれておりキタサンブラックのようなすごい強い馬がでたのはBurghclereが強く引き継がれたからです)
牡馬においては特にこのハイインロー&ドナテロフェアトライアルは抜群の成長力をもたらしやすく、遺伝子からも息の長い活躍が期待できると思います。また、ディープ牡駒のG1勝ち馬の多くの割合でこのニアリークロスを持っているのも良い要素といえます。

この世代のエースとして、いろいろなレースにつれていってくれることでしょう。


追加募集のページはこちら
https://note.com/ayasecharlotte/n/nc078f7db5a26

また募集されたら頑張ります(´ω`)