広尾TC2023年「特別」募集馬を血統分解から見てみるページ

①ストームハート22 牝馬

リアルスティール×ストームハート 田中克典厩舎 遺伝子CC

ストームハートは広尾馬です。海外で購入したマル外牝馬で、外傷などの影響でデビューが遅れてしまいましたが名古屋で3連勝して1勝クラスでの引退となっています。良馬場のダート短距離。スタートセンスが抜群でスピード能力はかなりありましたが、どうしてもスタミナが欠点というところです。ただ、この仔は2歳時の馬体が抜群によく、一番良い時期を牧場での外傷で無駄にしてしまったのが非常にもったいなかったです。順調だったらという思いもあります。
自分自身も出資していたのもあり、思い入れのある馬で仔が募集されてうれしいところです。

ストームハートはStormCat直系で優秀なTaleoftheCatからのUncapturedが父。特徴的なのは母ミスフィアファクターですね。
なによりも母父Siphonという血。ブラジル血統で同国2歳チャンピオン。アメリカでもGⅠを2つとりドバイWCではあのシングスピールの2着。
血統表を見ても異端も異端。見たことのある血がほぼない。
これと配合された母Puddlejumpはナスキロの塊。SummerSquallはA.P.Indyの半兄。GraustarkにSwapsといった底力スタミナ血統が支えている。
結構な集合クロスの牝系に対して完全異系のSiphonの組み合わせは大きな爆発力を秘めていると思います。

個人的にSiphonなどの完全異系は1/4よりも1/8くらい離れたほうが良い作用をすると思っています。また、古馬になっても奥ゆかしさのある成長が見込めます。

そんなミスフィアファクターにStormCat×Roberto系のカナダ年度代表馬Uncapturedが配合されることでTurnto系が入り若干日本寄りになったかなというのがストームハート。

これに対して掛け合わされたのがリアルスティール。ディープインパクトに対してStormCatにミスプロというアメリカ系の配合。
ディープインパクトに対してStormCatは言わずもがなニックス。今回の配合はさらにその強みを伸ばした形。お互いの血統がお互いに作用しまくってる印象です。StormBird≒Nijinskyが4本かな?いる形になります。
やみくもにクロスさせているわけではなくやはりSiphonが1本いることで血統のバランスが良く、化ける可能性は少なくはないと思われます。

課題だったスタミナについてはウインドインハーヘアのBurghclereに対してGraustarkやSwapsなどがニアリークロスで重なるので引っ張ってこれる要素も多分にあります。

適性は単純に考えるならダートの短距離。ただ半兄エイシンブルズアイが芝短距離、今回は父がリアルスティールなのもありそちらにふれる可能性もありますね。遺伝子タイプも血統構成にマッチしているCC。
多分のスピード要素にしなやかなストライドと底支えするパワーな印象。

かーちゃんであげられなかった中央での勝利をまずは目指したいところ。


②シンボリバーグ22 牡馬

モズアスコット×シンボリバーグ 矢作芳人厩舎 遺伝子CC

広尾TCはシンボリ牧場とは古い関係なのは知っている方も多いと思います。
シンボリルドルフの共同馬主シンボリホースメイトはシンボリ牧場が主体のクラブで、そのクラブがサウスニアに引き継がれ、それが現在の広尾サラブレッド俱楽部になっている形です。
過去をさかのぼってもシンボリ牧場生産馬の募集はかなーり久しぶりっぽいのでなかなかムネアツな展開。

モズアスコットについての説明はリンクのゴッドフロアー22の部分をご覧ください(すんません)

今回特に注目するのは母父ダイワメジャー。
今回この配合表をみて、割とすぐに配合の目的というか、ニックスを思いっきり狙ってるなー、むしろこんなピッタリ当てはまる配合あるんだなとびっくりしました。

ダイワメジャーへの黄金配合は「ナスキロNijinsky要素にもし可能であれば欧州BIG血統を添えて」
シンボリバーグという馬はTomFoolのクロスにPrincequillo。しっかり当てはまっています。

上記URLのゴッドフロアー22の説明は見てもらえましたでしょうか。
「モズアスコットはそれこそStormcat系にミスプロ、Hopespringeternalの素敵なナスキロTomFool、Nijinsky。Miswakiが直接クロスすることでミスプロとナスキロTomFoolを全部ダブル増しにしてしまうすげぇ配合」
と書きました。
したがって、ダイワメジャー黄金配合をマシマシ×2くらいにした感じです。
RainbowQuest内のRedGodもTomFool父Menow系。

そしてもし可能であれば欧州BIG系統を添えて、の部分に関しては当然、GalileoからのFrankelが当てはまります。欧州BIG系統と書きましたがおおよそサドラー系の血をさします。

完全に余談ですがダイワメジャー産駒の選びは成功していて、空央POGではセリフォスを一人指名しているのです(ドヤ それも上記の配合理論から出したものでした。(欧州BIG系統はいないけど)

モズアスコット産駒についてはまだ1世代目なので結果からの血統解説とはいきませんが、ダイワメジャー産駒で強いのはまぁ「スピードのあるパワーごりごり」だと思っているので、そういう意味でもモズアスコットなんかは理想的な配合相手なのではないでしょうか。

遺伝子CCもマッチしていますし楽しみな1頭ですね。
広尾×矢作ニックスはここでも炸裂するのか!


◆Ayaseの広尾馬血統考察◆ ポータルページ

これまでの考察はこちらから。

また募集されたら頑張ります(´ω`)