見出し画像

日中首脳会談の中国外交部の発表 2022年11月17日

日中は11月17日の午後約45分間の首脳会談を実施し双方の意見を出し合意に達した。それについて少し深堀をしそれを保存するために書いてみました。

本文

以下中国外交部HPから引用を和訳したもの

・新時代の要求に相応しい中日関係を構築することを望む。

<この新時代の要求に相応しい中日関係というのは2010年に中国は日本のGDPを抜き今や4倍に差は達しようとしており、中日関係は新しい力関係の元日本はそれに適応すべきだという中国側の政府系メディアの社説から読み取ることができる。ただこの背景には中日関係を見るどころか西側を見る際に彼らは西側に脅威を与えてるのではなくエリートや政府が現状に適応出来てないからでありする努力をすべきだという中国側の思考も含まれている事を理解しなければならない。また新時代の要求というのは2008年に締結された日中共同声明とは全く異なる時代に突入したと中国側は見ておりそれに似合った関係性を模索していくのは日本としてもハイレベルなコミュニケーションや接触を通じて日本の立場を明確に堅持しつつやるべきなのかもしれない。>

・習近平国家主席は双方は誠意と信頼をもって接し(中日四つの政治文書の原則を守り)歴史的経験から教訓を得互いの発展を客観的かつ合理的に見つめ「相互協力と非脅迫」という政治的合意を政策に反映すべきと強調した。歴史や台湾といった原則的な重要問題は、両国関係の政治的基盤や基本的な信頼に関わることなので、誠意を持って適切に処理しなければならない。
中国は他国の内政に干渉しないし、(いかなる口実であれ中国の内政に干渉する者を受け入れない)。

<この4つの政治文書というのは
1972年に田中角栄総理と周恩来総理が締結した初めの日中共同声明
78年に園田直外務大臣と金華外交部部長が締結した日中平和友好条約
98年に小渕恵三総理と江沢民国家主席が締結した平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言
2008年に福田康夫総理と胡錦濤国家主席が締結した「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明の事で、
中国側からの見方は
1.双方は、中日間の4つの政治文書の原則と精神を遵守し、中日間の戦略的かつ互恵的な関係を引き続き発展させていくことを確認した。
2.双方は、「歴史を直視し、未来を見据える」精神に基づき、両国関係に影響を及ぼす政治的障害の克服について、一定の合意に達した。
3.双方は、釣魚島をはじめとする東シナ海海域をめぐる緊張について異なる見解があることを認識し、対話と協議を通じて状況の悪化を防ぐとともに、不測の事態を避けるための危機管理メカニズムを確立することに合意した。
4.双方は、様々な多国間チャンネルを利用して、政治・外交・安全保障対話を徐々に再開し、政治的相互信頼の構築に努めることで合意した。となっている。
注目して欲しいのは、中国は魚釣島をはじめとする東シナ海での緊張をコントロールする事で一定の危機管理メカニズムを構築することで合意していることであり、中国は自国の内政問題と定義する台湾を巡る一連の日中双方の緊張状態を幾分かコントロールする用意が中国側にもあるということを忘れてはならず、2023年3月31日に日中ホットラインが設置された>

・習近平は中国と日本は社会制度や国情が異なるので双方がお互いを尊重し信頼を高め疑惑を晴らすべきだと強調した。
海洋と領土の問題についてはすでに達成された原則に関するコンセンサスを遵守し、政治的な知恵とコミットメントを示して差異を適切に管理しなければならない。
双方は、その独特な地理的近接性と人文的結びつきを生かし政府政党議会地方など様々なチャンネルを通じて交流往来を継続し特に長期的視野に立って青少年交流を積極的に行い、互いに対する客観的かつ肯定的な認識を構築し交流を促進する必要がある。

・習近平は両国は高度な経済的相互依存関係にありデジタル経済・グリーン開発・財政金融・医療年金・産業チェーンにおける安定的かつ円滑なサプライチェーンの維持などで対話と協力を強化しより高いレベルの相互補完と相互利益を実現するべきだと指摘した。両国は、長期的な利益と地域の共通利益を重視し、戦略的自主と善隣性を堅持し紛争や対立を避け真の多国間主義を実践し地域統合のプロセスを促進し世界の課題に対応するためにアジアをよく開発し建設するために協力する必要がある。
<ここから中国は日本の経済安保でのサプライチェーンの分離や先端産業の回帰させている現状を憂慮していると取れそれへの牽制球と共に中日間での円滑な対話を推進し中日間での信頼関係の再構築と相互に利益を得依存する体制を構築することを願っているのかもしれない。(長期的な利益と地域の共通利益を重視し、戦略的自主と善隣性を堅持し紛争や対立を避け真の多国間主義を実践し地域統合のプロセスを促進し世界の課題に対応するためにアジアをよく開発し建設するために協力する必要がある。)という部分に関しては中国は14日環球時報で社説をだしておりその中でこのような発言をしている。以下引用和訳(もし東京が反中戦略を続けるなら、特にワシントンの手先として自発的に行動するなら、自らを傷つけるだけだろう。)これは編集部が書いたものなので党の意見に極めて近い公式見解だと取れる。また(「日本は地域国家として、インド太平洋地域の平和と安定を優先させるべきことを深く認識しなければならない。日本は地域国家として、インド太平洋地域の平和と安定を優先させるべきであり、米国の影響下で地域に混乱をもたらすのではなく、多くの問題で紛争を棚上げし、共通の発展と平和的共存を目指すべきである」)と中国の軍事専門家で軍事コメンテーターの宋忠平氏が述べています。このように協力する必要があるという言葉の中に、中国としては日本を中国から見たインド太平洋地域の安定と平和を求めておりそれには日中国交正常化50周年に出された環球網の社説にも全面的に出されています。以下引用(1924年、孫文は生前最後の大演説で、日本にこう忠告した。西洋の覇権主義の犬になるか、東洋の王道的盾になるかは、あなた方日本国民が慎重に選ぶことだ)とこういうところからも中国は日本がГ地域大国」として多国間主義を実践し戦略的自主性、この場合の戦略的自主性というものは(日本にはもともと独自の計算とイニシアティブの余地があったが、問題はそのイニシアティブを米国の対中封じ込め戦略のバランスをとるためではなく、むしろ強化するために使うことが多く、そうすることで日本は北東アジアにおけるトラブルメーカーになっていることである)との引用のように日米同盟ではなく、中国の言うところの東洋の王道的盾としての役割をすることを望んでいるということで、また(中国と日本は、互いに普通の隣人とは言い難い。日本側が中国に対する客観的かつ合理的な認識を確立し、中日が「パートナーであり、互いに脅威とならない」という政治的コンセンサスを政策に反映し、行動に移すことで、中日関係という船が座礁せず、軌道を外れないようにすることを期待する。これは、中国と日本、そして地域と世界の平和と安定のためになることです。)と日本側が変わることを一方的に求めていることで、中国側がどう変わるか?何を変えなければならないかが一切明記されてないのは不気味さを感じずに居られなく思います。>

・岸田文雄は、「昨年10月、私たちは会談を成功させ(新しい時代の要求に応える日中関係を構築することに合意した)」と述べた。
<これに関してはまず日本外務省のHPを見ると

と書いているように新しい時代の要求とは一言も発言しておらず、これに関しては中国側か日本側が意図を持った相違を生じさせており、この後にハイレベルな対話や2014年の4つの原則的共通認識に基づいた国防部門での連絡メカニズムを設置する際に何らかの形で齟齬が出かねないと不安要素が積もるばかりです。また、中国側メディアは統一して(新しい時代の要求に応える日中関係を構築することに合意した)と書きつつ華僑系アカウントやいわゆる五毛などといったアカウントが日本側を批判する行動を仕掛けてるのを見た為何らかの工作が行われていたかなと推察してしまいます。>

現在、両国のさまざまな分野での交流協力が徐々に再開されつつある。
日本と中国は近い隣国であり、互いに脅威を与えるものではなく平和に共存する必要がありまた、そうする資格がある。
日本の発展と繁栄は中国抜きにはあり得ずその逆もまた然りだ。
日本は中国が自らの発展を通じて世界に積極的に貢献することを歓迎する。
日本と中国は協力の大きな可能性を持っており、両国は地域と世界の平和と繁栄に重要な責任を負っている。
台湾問題については日中共同声明での日本側のコミットメントにいささかの変化もない。
中国側との対話とコミュニケーションを強化し日中関係を共同で正しい方向に導く用意がある。
<日本は中国が自らの発展を通じて世界に積極的に貢献することを歓迎する。という文言に関しては外務省HPでは(岸田総理大臣から、中国が確立された国際ルールの下で国際社会に前向きな貢献を行うことを期待する旨述べた上で、両首脳は経済や国民交流の具体的分野で互恵的協力は可能であること複数種の分野等での協力を後押ししていくことで一致した。)と書かれており、言葉のニュアンスが異なって表現されていることが見て取れる。また中日関係を正しい方向に導く用意があると言うことは(「建設的かつ安定的な日中関係」の構築という共通の方向性を双方の努力で加速していくことが重要である)と言うところで書かれており、習近平からは新しい時代の要求に相応しい日中関係の構築をしたいと述べられたと書いている。その事から、日中関係を双方が改善したいという意志を日本側の文書だと強調している。また日中国交正常化50周年に環球時報が出した社説からも中国側は戦略的な不信感や猜疑心が双方に広がっているということを書いており、日中関係の悪化を懸念していることがわかる。>

双方は、ハイレベルの接触と対話コミュニケーションを維持し、政治的相互信頼を高め実務協力を推進し人文交流を拡大し国際・地域問題での調整と協力を強化し(新しい時代の要請に応じた安定的かつ建設的な日中関係を構築する)ために協力することに合意した。

<日中双方共に日中国交正常化50周年関連での扱いといい、現状の悪化した状態を変えたいというところで一致しており、11月25日の日中経済懇談会では、(中国は、今後も日本と実務協力を深め、発展のチャンスを分かち合っていく)10月29日の王毅外交部長と林外相の祝電の中でも中国側は(林外相と共に、両国の指導者が達成した重要な共通認識を実現し、双方の各分野の交流と協力を拡大し続けたい)日本側は、(両国は共に、重要な責任を負う大国である。)(建設的かつ安定的な日中関係の構築すると言う共通の目標の実施に向けて、率直な対話を積み重ねつつ、共に進んでいく必要があります。)と表明するところからも日中の対話に関しては双方一定の歩み寄りを見せてることが分かると思うます。

最後に新時代の要求に合う日中関係というのはどういうものかということですが、日本のエリートが中国脅威論を唱えることを止め、新しいパワーバランスに適応し、孫文の言う王道の盾になることになりますがそれは中国側の力を用いた一方的な現状変更を受け入れることになります。<これが対中脅威論につながってることを自覚してないのはワロタ>これが良い判断なのかはわかりませんが、忘れてはならないのは自分たちの思想や価値観を大切にするべきであり、守るための努力を続けていかなければならないということです。

追記
もしよろしければお小遣いをくれたらありがたいので有料を載せますが大したことは書いてないので期待しないでください。

ここから先は

201字

¥ 300

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?