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恋は快楽

ぼくがきみを好きでなくなったとき、きみがぼくを好きなままでいられるという根拠がどこにあるだろう。ぼくがきみを好きでなくなったとき、きみがぼくを綺麗と言い続けられる根拠がどこにあるだろう。きみは与えられる恋に恋をしている、ぼくなんかよりもずっと。寂しさを温め合っているときにだけ湧き出てくる感情を恋と呼びたくない。孤独を埋め合っているときにだけじわじわと押し寄せてくる気持ちを恋と呼びたくない。恋はもっと触れるのもはばかられるくらいに神聖で美しいものであってほしいと願う。それでも、お手軽に気持ちよくなれる簡単さにつられて人は身を寄せ合う。孤独なんかに恋を利用するような人間にならないでいて。寂しさなんかに愛を利用するような人間に。恋は快楽、愛は祝福、交わることでしか確認し合えない人間というおろかな生物がこの星にはたくさんいます。

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