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死にたがりの君へ

天国にも地獄にもなるこの場所でわたしたちは這いつくばって生きてきたよね。わたしたち、生きるか死ぬかの二択でなんとか生きる方を選んで進んできたよね。死ぬ勇気がないから生きてるだけだなんてきみは言うけれどきみのその勇気の無さにわたしは救われているよ。一生そのままでいてね。きみはきみの選んだ戦場で生き抜いて。例えそこがベッドの上だったとしても。例えそれが馬鹿な男の隣だったとしても。それでもきみの選んだフィールドできみは生きていて。それで最後にひかりを掴もうよ、隣で一緒に笑いあおうよ。もしもそれが地獄に近い場所だったとしても、それはきっと透明で綺麗な地獄だよ。そうして地獄の頂点で、最後はこれでよかったって言えたらいいね。今の辛いことはぜんぶぜんぶ、きっと最後に笑い合うための序章だよ。きみだってほんとはずっと泣きたかったんだよね、苦しかったんだよね、どれだけ傷ついたって平気なふりをしていたんだよね。たまには子供みたいに思いっきり泣いていいよ、絶望を叫んでいいよ、無理やり強くなんてならなくたっていいよ。大丈夫、ここまで生き抜いたきみは充分強いから。だから死の奴隷になんてならないで。死の為に生きるようなくだらない人間になんてならないで。アルコールで日々にモザイクをかけたっていい、薬で何もわからなくなっちゃったっていい、生きてさえいればそれで。今があるから未来があるんだよ、だからきみのその大きな瞳で今だけを見つめていて。いつかのことはいつかの自分にお預けしちゃお。きみはまだ何にだってなれるよ。

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