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「英語を話せる」と「英語ぺらぺら」の違いについて

私は旅ブロガー&ライターとして海外を旅する機会があります。個人的にも、航空券とホテルだけ手配して完全フリーで海外へ行くことも。

すると、ときどき言われるのが、「ayanさんは英語ぺらぺらだからいいよね。」という言葉。

言っている方は一種の羨望をもって、あるいは褒めるつもりで言っているのだと思います。

ただ、自分の中では、どうしても自分が「英語ぺらぺら」とは思えません。謙遜とかではなく。「英語ぺらぺら」がネイティブスピーカーのように話せることを指すなら、正直なところ、私の英語レベルはそれには程遠いです。

英語に苦手意識を持っている方からすると、外国人と英語で淀みなく会話する様は立て板に水の如く見えるのかもしれません。でも、限られた語彙で易しい言い回しをしているのが現実です。

日本は恥の文化だと言われるように、日本人は失敗して恥をかくことをとにかく避けようとする人が多い気がします。

もし私が英語を「ぺらぺら」話しているように見えるのだとしたら、それはきっと英語が拙いことで恥をかくことを気にしていないせいでしょう。

「Veterinarian(獣医)」という単語を知らなくて、「animal doctor (動物のお医者さん)」と言ったり、「detergent(洗剤)」という単語を知らなくて「liquid for dish washing (お皿を洗う液体)」と言ったり、そんなことはしょっちゅうです。要するに、手持ちの語彙と表現パターンで乗り切っています。

でも、ちゃんと通じてるし、旅行中に自分の言いたいことが伝えられず困ったということは、最近ではほとんどありません。

(話すときは、頭の中で日本語を英語にしているわけではなく、最初から英語で出てくる感じです。)

ちなみにリスニングについては、相手が訛りのない早口過ぎない英語で、専門的な話題(政治・法律・学術・歴史・宗教など)ではない日常的なトピックについて話してくれれば、こちらの集中力があれば、95%くらいわかります。

でも、相手の英語の訛りが強かったり(舌を巻くのが強いと聞き取れない)、内容が難しかったり、集中力が切れてる状態だと、半分しか聞き取れないときも。いや、半分以下かも……。

そのくらい、シーンによって差があります。いつでも完全に聞き取れるわけではありません。

なので、うまく聞き取れなかったときは、「それってこういうこと?」と自分の理解があっているかを(自分の言葉で口に出して)確認するようにしています。たいてい、これで大きな齟齬は生まれないです。

(特に英語が母語でない英語話者は一生懸命にこちらの英語を理解してくれようとしますし。)

とは言え、私は「ハート(伝えたい気持ち)さえあれば英語は勉強しなくてもいい」と言いたいわけではありません。

もちろん、言葉はツールなので、まず伝えたい気持ちがあることが肝心です。単語を並べるだけでも最低限の意思疎通はできますから、それはじゃんじゃんやって欲しいと思います。

でも、そこから少し勉強して、英語の基本となる文章の型、よく使う文法、時制を覚えれば、話せる内容はぐっと広がるんです。そうすると、話すのが怖くなくなるし、言いたいことが言えないというストレスも減ります。

私が言いたかったのは、「英語ぺらぺら」に見える人も必ずしも完璧なわけじゃないから、「英語ぺらぺら」にあまり幻想を抱かなくてよいということ。

「自分は英語ぺらぺらじゃないから話せない」と思うのではなく、いま自分の中にある語彙と文法を総動員してしゃべればオーケイ。

というより、それ抜きにスピーキングの上達はないと、私は思っています。

そして、「もっと自分の意見や気持ちを伝えたいなあ」ともどかしく思ったら、勉強をすればよいのです。

日本人が英語を話せるかと聞かれて「No, I can’t speak English!」と答える、いう笑い話(英語を話せないと英語で答えている)がありますが、もし、ネイティブスピーカー並みに話せないと「I can speak English.」と言ってはいけないと思っているなら、まずはその呪縛を解きましょう。

ぺらぺらじゃなくても、たどたどしくても、語彙が限られていても、「英語を話せる」と言っていいんですよ。

そして、間違いなく、英語を話せると世界は広がります。

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