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どこでもないここで、築くことを選ぶ

それでも、ここがあかるいと感じる。
光源がなにかわからなくとも、あかるいと感じられていることに嘘はない。
ここにあなたやあなたがいる。
いるというほんとうを抱き留める。
ここで転んで、ここで怒って、ここで泣いていよう。
あなたから見えるここで。
ここで惚けて、ここで笑って、ここで愛していよう。
どこでもないここで。
ここで、打ち明けていよう。

これから、おおきな失敗をするかもしれない。
初めてのことだから、やらなかったらよかったと思うかもしれない。書きなぐった企画書、その言葉を後から邪魔に思うのかもしれない。
わたしひとりで作れないものを、作りたいと願ってしまった。
呆れるほど身の程知らずだったと後でひとりひっそり後悔するのかもしれない。
ふるえながら、でも、わからないから、わかりたいのだ。
十代から抱き続けている「確実に楽になりたい」という願いに対して、誰も答えを用意してはくれない。楽になりたいと願うなら、楽になりたいという思いで全力で自分へ差し出さなければいけない。それが自分の「体裁」であるなら転んで汚すくらいなんてことない。

ひとに差し出す格好で差し出しているものすべて。
それはいつだってわたしが欲しいもの、あるいは欲しかったものだ。いつまで死にたかったことを大事に抱えて生きていくんだろうなあと他人事みたいに呆然とすることもありますが、今はまだそういう季節にいるみたいです。大いに楽しんでいこうと思う。これはめちゃめちゃ元気だからできることです。

「安心してるね?」
その言葉に即座に頷いたわたしは一体何を根拠に安心しているのかと考えていたら、両思いだとわかったからだと思い至りました。対象は人間ではないのでこれまでもこれからもわたしたちの関係性は変わらない。わたしが死ぬまでにあなたが滅びるわけもないので両思いだなあと思いながら生きて死ぬ予定です。(こんな風にも言えるけれど、もっとほかの言葉でも言える、ずっと書いてゆきたいなあ、きっとずっとうれしいから)


今年の抱負は「築く」にします。
地面から伸びた直線や、素直さや、風が吹いても倒れないようにするとか、とりとめのないイメージがなかなか言葉にならず、ようやっと出てきました。
自分の仕事の方向性が変わったのは昨年です。(意識としては2020年ですが)昨年はじめたものがいくつもあって、最善のやり方かどうかを疑うことなくほんとうに夢中で日々を駆けていたように思います。ここからは「なんとかなる」だけではなんともならないことも出てくる予感がしているので、それらをときに誰かの力を借りながら育んでゆこうと思います。他力は偉大です。
一年後には、今よりもっと時間や肉体やエネルギーをうまく使えるように、自分自身の内奥との関係性も築いてゆきたい。

さわがしく、瞬いてゆきます。
あらためて本年もどうぞよろしくお願いいたします。


池田彩乃

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