最後の支度

母が転院する先で必要なものをツメツメしている。病院でよく見かける入院アイテムを入れる大きめのビニールバッグ(某100円ショップで購入可能)3つ分になりそうだ。

①2022年年の瀬、大腸がん疑い
②2023年一月、大腸がん確定(末期に近い中期)
以降の治療方針として、抗がん剤投与でがん細胞を縮小し、外科手術で取り除くことになった。
③2023年三月、抗がん剤投与の最中持病が悪化。抗がん剤治療中断。
④2023年五月、転院(持病の回復を待ちながら体力回復)
⑤2023年九月、老人施設へ入居。介護認定を受ける。
それまで住んでいた部屋を退去、家財道具を処分する。
⑥2024年二月、大腸がんが増悪。入院。
⑦2024年三月、緩和ケアのため転院。

母の一連の流れをまとめるとこんな感じである。
昨年九月、住んでいた部屋を退去する際家財道具等などを処分したのだが、4トントラック一台分であった。そして老人施設へ入居する際用意したアイテムはフタ付きハードコンテナ(プラスチック)4つ分。そしてこのたびの「引っ越し」では某100円ショップの大きめビニールバッグ3つ分である。まあ、わびしさを感じてしまった。

昨年秋の退去の際、ほとんどの家財道具やら衣類やら小物やらを処分したが、その中にはアルバムもあった。母との思い出がつまったものだけにどうしようか迷ったが、私が持っていても、その私が死んだら結局処分されてしまうので(子どももいないし)苦渋の決断ではあったが処分した。この一件で、これからの人生、必要最低限のもので暮らし、夫氏との楽しい時間のためにお金を使おうとかたく心に決めた。もともと子どもがいない夫婦の老後を夫氏と一緒に考えていたこともあるが、母の件は自分のこれからの生き方
を真剣に考えるきっかけになった。ともすればギリギリまで考えないことだけに、まだどうにかできる五十路で考えられたのは幸運なのかもしれない。

夫氏が死んだら私が看取る。そして私が死んだら、夫氏の甥か姪に最後の後始末をしてもらうことになるが、二人には迷惑を掛けたくない。今回母の一件でどうすれば二人に負担を掛けないか考えられたから、あとは時間をかけて実行に移すだけである。

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