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乃木坂高校学校内警察 第九話

~翌日~

AM10:15~青梅市立第八小学校~

救助隊1:指揮隊長!
指揮隊長:どうした?
救助隊1:陥没した道路が通行可能になりました!
指揮隊長:了解!

指揮隊長無線:青梅消防署指揮隊から各隊あて。先ほど陥没した道路が通行可能になりましたので現場へ行く人員を選定してください

高山:さっきの無線聞いたね?
絢音:はい
高山:警視庁からは私たちが行くことになったから
寺田:わかりました

AM10:25~青梅市立第八小学校~

高山:警視庁です
救助隊1:お疲れ様です。この車両で現場まで行きますので乗ってください
高山:わかりました

AM10:55~奥多摩消防署~

救助隊1:お疲れ様です。状況は?
山岳救助隊1:お疲れ様です。昨日、奥多摩内を探索し発見した要救助者は、全員ここに集めてトリアージをしました。DMATは要救助者をお願いします
医師1:わかりました
山岳救助隊1:それと、まだ探索できていない地域があります
救助隊1:結構、残ってますね...
山岳救助隊1:何しろ管轄内がほとんど山なもので...
救助隊1:では、何組かに分かれたほうがよさそうですね...
高山:そうですね...
救助隊1:では、3組に分けましょう
高山:わかりました

高山:じゃあ、私たちは昨日と同じように分かれて
絢音○○寺田:わかりました
生田真夏:わかった

~生田・真夏視点~

真夏:あの家、確認しようか?
生田:そうだね

ドンドンドン

真夏:警視庁の者です!誰かいませんか!
男の子1:・・・
真夏:大丈夫?もう大丈夫だからね?
男の子1:お...さ...て
真夏:え?
男の子1:お母さんを助けて!
生田:お母さん?
男の子1:こっち!

真夏生田:!?
真夏:大丈夫ですか!?わかりますか!?...意識がない...
生田:脈は?
真夏:...ある
生田:じゃあ、この棚を動かそう!
真夏:待って!
生田:どうしたの?
真夏:クラッシュ・シンドロームの可能性があるかも...
生田:!?
真夏:念のためDMATの方に確認してからのほうがいいかも...
生田:そうだね...
真夏:すみません!DMATを呼んでください!
救助隊2:わかりました!

~絢音・蘭世視点~

絢音:あそこって、公民館?
寺田:そうだね
絢音:避難してきた人が集まってるかも...
寺田:行こう

絢音:警視庁の者です!
男性2:警察?助かった!
高野:お疲れ様です!警視庁青梅警察署の奥多摩交番の高野巡査です
絢音:二機捜の鈴木巡査長です
寺田:同じく二機捜の寺田巡査長です
絢音:状況は?
高野:負傷者は3名いますが全員、命に別状は...
バタンッ
寺田絢音:!?
寺田:高野巡査!大丈夫ですか!?
男性2:高野さん!?
絢音:すみません!高野巡査に変なところってありませんでしたか!?
男性2:変なところ?...そういえばさっき、転んで頭を打ってたな…
絢音:そうですか...
寺田:どうなってるの...
絢音:脳震盪…
寺田:え?脳震盪?
絢音:うん
寺田:脳震盪だとしたらなんで...
絢音:多分、さっき転んだらしいからその時かも...
寺田:とりあえず、DMATを呼ぼう
絢音:うん。すみません!DMATとネックカラーを!
救助隊3:わかりました!

~高山・○○視点~

○○:この先に廃病院がありますね...
高山:念のため中も確認しようか
○○:そうですね...

高山:警視庁の者です!
○○:誰かいませんか!
高山:誰も居ないかな?
○○:居なさそうですね...
高山:じゃあ、行こうか...
○○:はい...

ガタガタガタガタ

○○:余震!?

ガシャンッ

○○:一実さん!?

~生田・真夏視点~

真夏:大丈夫?
生田:大丈夫...
真夏:ならよかった...それで、どうですか?
医師2:やはりクラッシュ・シンドロームの疑いがあります...
真夏:そうですか...

~絢音・寺田視点~

絢音:誰もケガしてませんか?
寺田:大丈夫そう...
絢音:そう...
医師3:では、慎重に搬送しましょう

~高山・○○視点~

○○:一実さん!
高山:○○君...ごめん...
○○:瓦礫に完全に足が挟まれてる...
救助隊1:瓦礫を持ち上げましょう!
○○:はい!
救助隊1○○:1.2.3!
救助隊1:クソッ!無理か...
高山:ごめんね...
○○:大丈夫ですから...すみません!救助お願いします!
救助隊1:すみません...できません...
○○:え?どうしてですか!?
救助隊1:救助敷材が無いからです...持ってきてるのは救急敷材しか...
○○:救助敷材を持ってくるのは!?
救助隊1:ダメです...
○○:何でですか?!
救助隊1:ここは廃病院です...薬品が散乱してます...そんな状況で救助敷材を使い火花が薬品に引火したら、その瞬間...
○○:・・・
救助隊1:役に立てず…すみません...
高山:私は助からなさそうだね...
救助隊1:すみません...
○○:切断...
高山救助隊1:え?
○○:DMATをここに呼んで一実さんの足を切断すれば助かりませんか?
救助隊1:可能性はあると思います...
○○:DMATを呼びます!

○○無線:警視庁二機捜鈴木から各局。現在、廃病院に居ますが、高山警部が瓦礫に足を挟まれ身動きが取れない状況で救助も不可です。DMATを要請します。どうぞ
医師1:DMATの者です。すみません。こちら手が離せない状況でして現場へ向かえない状況です。どうぞ
○○無線:了解しました...

高山:もう、手は無さそうだね...
○○:一実さん...

絢音無線:○○。一実さんの状況は?
○○無線:一実さんの状況は…足が完全に瓦礫の下敷きになってて抜けなくなってる...
絢音無線:救助は?
○○無線:無理みたい...
絢音無線:そう...ねぇ?○○?
○○無線:どうした?
絢音無線:一実さんを諦める気じゃないよね?
○○無線:・・・
絢音無線:こんなこと言わなくても分かると思うけど…今、一実さんを助けられるのは○○だけだよ?
○○無線:・・・
絢音無線:私の知ってる○○はどんな時も諦めない人だよ?
○○無線:・・・
絢音無線:○○!一実さんを助けて!
○○無線:わかった

○○:一実さん!まだ諦めないでください!
高山:いつもの○○君に戻ったね...
○○:救急敷材はどの範囲までありますか?
救助隊1:DMATが来てもすぐに処置できるようにしてるのである程度のものは揃ってます!
○○:わかりました!

○○無線:至急至急!二機捜鈴木から対策本部!高山警部の足の切断の許可を願います!
上層部1無線:その場に医師はいないはずだが?
○○無線:はい...だから僕がやります
上層部1無線:何を言っている!?医師免許も無いお前が切断をする気か!?
○○無線:そうです。DMATの医師の方は手が離せないなら指示をください!
上層部1無線:そんなこと許可できるわけないだろ!
○○無線:じゃあ、目の前で高山警部が亡くなるのを黙って見てろって言うんですか!?
上層部1無線:そんなことは言っていないが...他にも手があるだろ?
○○無線:他に手がないんだよ!
上層部1無線:!?
○○無線:これ以外手がないんだ!
上層部1無線:・・・

~絢音・寺田視点~

寺田:やっと、いつも通りに戻ったか...
絢音:そうだね...

絢音無線:二機捜の鈴木です。私からお願いします!
寺田無線:二機捜の寺田です。私からもお願いします!
秋元無線:二機捜秋元です。私からもお願いします!
生田無線:捜一生田です。私からもお願いします!

~災害対策本部~

トントン

若月:失礼します!
上層部1:どうした?
若月:二機捜の若月です。私からもお願いします!
上層部1:...でも、やらせるわけには...
上層部2:さすがに危険すぎます!
上層部3:そうですよ!

救助隊1無線:こちら青梅救助隊、救護所までの搬送の準備は整ってます!
救急隊1無線:こちら奥多摩救急隊。救護所の受け入れ態勢、整ってます!
指揮隊1無線:統括指揮隊より鈴木巡査長。搬送病院見つけました!救急車も待機してます!
医師1無線:こちらDMATの者ですが、鈴木巡査長へ指示します!

新内:どうやら、こちらが折れるしかなさそうですね
若月:新内刑事部長...
上層部1:でも、懲戒免職の可能性だってあるのにどうして...
新内:現場の彼らはそんなことどうでもいいんですよ...
上層部1:そんなことって...
新内:今、彼らは目の前の命を救う事しか考えてませんよ...
上層部1:・・・
新内:それが、現場にいる彼らの警察官としての覚悟です
上層部1:・・・

~○○・高山視点~

上層部1無線:災害対策本部から二機捜鈴木巡査長。高山警部の足の切断を許可する。その代わりなんとしてでも高山警部を助けろ!
○○無線:了解!

~数十分後~

~青海市立第八小学校~

絢音:・・・

寺田:わかりました
指揮隊2:よろしくお願いします

秋元:住人の方々全員の安否確認できました?
PM2:はい、住人の方々全員の安否確認が完了しました!
秋元:了解しました

生田:重症者の搬送ってどのくらい終わりました?
指揮隊2:赤タグ患者の搬送は一人を除き終わりました...
生田:残るはうちの高山ですか...
指揮隊2:はい...

絢音:・・・
寺田:そろそろ来る頃だと思うんだけどね...
絢音:○○...大丈夫かな...
秋元:○○君なら大丈夫だよ!
生田:それと、絢音ちゃんが一番○○君を信じてあげなきゃ!
絢音:そうですよね...

救助隊1無線:間もなく第八小学校に赤タグ患者が到着します
指揮隊2無線:指揮隊了解

絢音:来た...

ピーポーピーポーピーポーピーポー

救急隊1:下ろします!
医師1:状況は?
○○:足の部分が瓦礫に挟まれており救出困難だったため現場で足を切断しました
救急隊1:呼吸と脈拍は...
医師1:わかった。あとはこちらで
○○:お願いします
高山:○○君...ありがとう...
○○:一実さん。もう少し頑張ってください

絢音:○○…お疲れ様…
○○:ありがとう...
生田:じゃあ、私たちも片付けて帰ろうか...
全員:わかりました


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