正義と犯罪は紙一重　～警視庁警察学校～　第六話

～警視庁警察学校第４教場～

（教場に入る桜井○○万理華）
与田：気を付け！
（席を立つ生徒達）
与田：敬礼！
（礼をする生徒達）
桜井：休め
（席に座る生徒達）
桜井：皆さんは、残り１か月で警察学校を卒業となります。なので...
賀喜：失礼します！
桜井：授業中ですが...
賀喜：分かっていますが○○さん！緊急事態です！
○○：どうした？
賀喜：絢音さんが殺人容疑で任意同行されました！
○○：は？
岩本筒井与田愛萌：え？
○○：どういうことだ？
賀喜：昨日、赤坂管内で殺人が発生し捜査をしていましたが、現場の凶器から絢音さんの指紋が出てきました
○○：指紋...
与田：絢音さんが素手で触ったんじゃないですか？
○○：いや...捜査一課の人間が現場で凶器を素手で触るのはあり得ない。もし凶器だと思っていなくても、現場ではビニール手袋をしてるから、指紋が着く可能性はほぼゼロだ...
賀喜：それと、被害者の死亡推定時刻に絢音さんのアリバイが無いんです
○○：死亡推定時刻は？
賀喜：昨日の午前１時から午前４時です...
岩本：午前１時から４時なら○○さんと居たんじゃ？
○○：昨日は警察学校に居た...捜査本部も分かってるんだろ？
賀喜：はい...勤務記録を確認したので...
岩本：・・・
賀喜：どう思いますか？
○○：お前らはどう思う？
岩本与田筒井愛萌：絢音さんはやってないと思います
○○：ではなぜそう思う？
愛萌：捜査一課の刑事が凶器に指紋を残すとは思えません
○○：僕も同意見だ。被害者と絢音の関係は？
賀喜：今のところは分かっていません
○○：だから任同なのか...
賀喜：はい...逮捕状を請求するほどの証拠が見つかってません...
○○：46係はどう思ってる？
賀喜：全員、やってないと思ってます
○○：そうか...
賀喜：ただ、千堂管理官は絢音さんが犯人だと決めつけてます...
○○：千堂管理官？
賀喜：はい...
○○：捜査は所轄と46係？
賀喜：そうです。刑事部長まで捜査会議に参加してて...
○○：賀喜ちゃん。至急本庁に戻って協力してほしい
賀喜：分かりました！

～数時間後～

～警視庁取り調べ室～

賀喜：失礼します
刑事１：どうした？
賀喜：絢音さんと少し話してもいいですか？
刑事１：どうぞ
（取り調べ室を出ていく刑事１）
絢音：どうしたの？
賀喜：○○さんから電話です
絢音：○○から？

～警視庁警察学校第４教場～

○○電話：絢音。話は賀喜ちゃんから聞いた
絢音電話：・・・
○○電話：絢音。警察学校に来てもらっていい？
絢音電話：本気で言ってる？私は今、重要参考人なんだよ？
○○電話：でも、やってないんだろ？
絢音電話：そうだけど...
○○電話：じゃあ、逃走しな？
賀喜絢音電話：・・・

桜井：本気で言ってるの？
○○：本気で言ってます
桜井：警察官が重要参考人に逃走を提案する気？
○○：はい
桜井：どういうつもり？
○○：絢音はやってないと言ってるんです
桜井：・・・
○○：捜査本部は絢音が犯人と決めて捜査してます。このままだと冤罪事件が起きる。違いますか？
桜井：・・・
○○：それに夫である僕が妻の絢音を信じないで誰が信じるんですか？
桜井：・・・

絢音電話：分かった。○○のところに行く
○○電話：気を付けて
絢音電話：うん

～警視庁取り調べ室～

賀喜：もういいですよ
刑事１：はい
（取り調べ室に入ってくる刑事１）
絢音：・・・
刑事１：じゃあ、鈴木部長...
絢音：ごめんなさい
刑事１：え？グハッ！
（倒れる刑事１）
絢音：賀喜ちゃん。あとお願いね？
賀喜：わかりました。それと、これ...
絢音：ありがとう
（拳銃を絢音に渡す賀喜）
絢音：行く前に鑑識課に寄ってから行くから
賀喜：分かりました。気をつけてください
絢音：うん
（取り調べ室を出る絢音）

～警視庁鑑識課～

琴子：絢音!?
絢音：静かに
琴子：ごめん...
絢音：今他の人は？
琴子：捜査本部だけど...
絢音：そっか...凶器に着いてた私の指紋だけど...どう思う？
琴子：個人的には指紋の感じに違和感があるから絢音が着けたものじゃないと思う...
絢音：そっか...

～警視庁捜査本部～

賀喜：大変です！鈴木部長が逃走しました！
管理官：何!?本庁内を隈なく探せ！
刑事達：はい！
賀喜：私達は鑑識課付近を探します！
生田：行こう！
久保：はい！
真夏：私達も！
堀：はい！

～警視庁鑑識課～

絢音：ありがとう。じゃあ行くから
琴子：ちょっと待って！一人で行く気？
絢音：そうだけど...
琴子：一人で本庁出れると思ってるの？
絢音：・・・

～警視庁廊下～

刑事２：佐々木査長！
琴子：お疲れ様です
刑事２：鈴木部長を見てませんか？
琴子：絢音ですか？見てないですけど...
刑事２：そうですか...
刑事３：ところでこれなんですか？
琴子：資機材ですよ。現場で使ったから鑑識車に乗せないと行けなくて
刑事２：ずいぶん大きいですね...
琴子：大きすぎて台車が無いと運べなくて大変なんですよｗ
刑事２：そうなんですね...
刑事３：おい。急ぐぞ
刑事２：あ、はい。では失礼します
琴子：気を付けて～

掛橋無線：逃走中の鈴木部長は屋上に逃走中！

～警視庁地下駐車場～

琴子：もういいよ～
絢音：段ボールの中ってキツイね...
琴子：まぁ、狭いからねｗ
絢音：そうだね...
田村：ここからは私の出番ですね
絢音：真佑ちゃん...
田村：トランクに乗ってください
絢音：特殊犯係にアリオンあったんだ...
田村：ありますよ～
琴子：じゃあ、お願いね
田村：はい

～警視庁駐車場入り口～

ＰＭ１：すみません。身分証を
田村：特殊犯係の田村です。これ職員証です
ＰＭ１：ありがとうございます。一応車両の確認をしてもいいですか？
田村：どうぞ（車を確認するＰＭ１）
ＰＭ１：トランク開けてもらってもいいですか？
田村：・・・
弓木：すみません！一機捜です！
ＰＭ１：お疲れ様です！
早川：ここの警備について確認したいんですけど...
ＰＭ１：分かりました。あ、行っていいですよ
田村：どうも

～有楽町１丁目～

田村：・・・
高山電話：前からＰＣ来てる
北野電話：右側で検問してるから注意
田村：分かりました。左に曲がります
高山電話：そのあとは周りにはＰＭ居ないけど気を付けて
田村：はい

～東京駅前～

高山電話：その近くはＰＭが多いから降りたほうが良いかも
絢音：分かりました。三人ともありがとうございます
田村：気をつけてください
高山電話：気を付けてね
北野電話：気を付けなよ？
絢音：ありがとうございます

～東京駅入口～

瀧野：みっけ
絢音：あ...

瀧野無線：至急至急。鉄道警察瀧野から警視庁。逃走中の鈴木巡査部長を東京駅地下２階で発見。応援を要請する。どうぞ
高山無線：警視庁了解

絢音：瀧野部長...
瀧野：早く行くよ
絢音：いいんですか？
瀧野：皆と一緒で私も鈴木部長を信じてるから
絢音：瀧野部長...

～警視庁警察学校第４教場～

衛藤：皆さん。何をしているんですか？
万理華：校長...
○○：授業です
衛藤：桜井教官。本当のことを言ってください。何をしているのですか？
桜井：・・・
衛藤：桜井教官
桜井：授業です
衛藤：そうですか...

～乃木坂駅前～

山下：あ、来ましたね
井上：乗って
絢音：はい
樋口：あとお願いね
梅澤：はい
井上：私達は東側から行くから
生駒：了解。カーロケは？
井上：切ってある
瀧野：鈴木部長。気を付けて
絢音：はい

飛鳥無線：駅前齋藤から乃木坂！逃走中の鈴木部長を乃木坂西２丁目で発見！応援を要請する
乃木坂無線：乃木坂了解

～警視庁捜査本部～

刑事４：管理官！大変です！
管理官：どうした？
刑事４：逃走中の鈴木部長の目撃情報が多すぎて見つけられません！
管理官：どういうことだ！
刑事４：分かりません！
管理官：クソっ！緊急配備だ！
刑事達：はい！
新内：・・・

～数時間後～

～警視庁警察学校～

○○：・・・
絢音：○○...
（振り向く○○）
○○：絢音...
愛萌：鈴木絢音巡査部長！武器を捨てなさい！
筒井：手を挙げて！
カチャ（銃を構える愛萌筒井岩本与田）
絢音：騙したの？
○○：違う...宮田！筒井！岩本！与田！やめろ！
与田：武器を捨てないと撃つ！
岩本：武器を捨てなさい！
絢音：○○...
カチャ（銃を○○に向ける絢音）
バンッ（銃声）
○○：ウッ...
バタッ（倒れる○○）
愛萌：○○さん！
岩本：そんな...
生田：武器を捨てなさい！
真夏：鈴木絢音！諦めなさい！
カチャ（銃を構える生田真夏賀喜久保堀）
？？：何をやってるんだ！警察官が撃たれたんだ！早く撃て！
（陰から出てくる？？）
全員：・・・
？？：何をしている！早く撃てと言っているだ..ろ...
井上：なんで居るんですか？
？？：は？二機捜がなんで...
金川：残念ながら三機捜もいます
弓木：一機捜もいます
飛鳥：所轄もいます
瀧野：鉄道警察もいます
？？：・・・
絢音：○○もういいよ？
○○：そう？
（起きる○○）
？？：なんで...
○○：元アイドル仕込みの演技どうだった？
宮田：上手でしたよ～
○○：ならよかった
寺田：状況分かってる？
○○宮田：すみません...
○○：さて、あんたが真犯人だったんだな...
○○絢音：千堂管理官...
千堂：どういう意味だ？
○○：なぜあなたはここに来たんですか？
千堂：・・・
○○：それは、絢音の携帯を盗聴していたからですよね？
千堂：違う。私は鈴木巡査部長の携帯のＧＰＳを...
絢音：私の携帯は今は46係に置いてありますよ？
千堂：機捜のＧＰＳを確認して...
樋口：機捜246は切ってあります
遠藤：機捜346も切ってあります
早川：機捜146もです
生駒：もちろん、私達もです
山下：ちなみに全員、携帯の電源も切ってあります
千堂：・・・
○○：つまり、あなたがここに居るのは普通はあり得ないんですよ？
千堂：騙したのか？
○○：あなたの上の人から許可は頂きました
千堂：は？どういう...
？？：私が許可しました
千堂：刑事部長...なんで許可したんですか？
新内：鈴木巡査部長を信じたからです
千堂：どちらを信じたんですか？
新内：両方ですよ
千堂：・・・
○○：あなたは絢音に罪を被せるために現場に指紋を残した
絢音：だけど、それが○○や刑事部長に違和感を覚えさせた...
千堂：違和感？
新内：本人は捜査一課の刑事で夫は二機捜の刑事。同期にも二機捜の刑事と鑑識課の鑑識官がいる。そんな鈴木部長が現場に指紋を残すと思いますか？
千堂：・・・
○○：だが、捜査本部は絢音を犯人と決めつけている。そして真犯人も分からない
田村：だから○○さんは罠を仕掛けた
千堂：田村...お前も共犯か？
田村：はい
千堂：俺はまんまと罠にはまったわけか...
生田：なんでこんなことをしたんですか？
千堂：あいつは俺の情報屋だったんだよ...
賀喜：情報屋...
千堂：そして、あの日俺は、あいつに脅されて...殺した...
宮田：・・・
千堂：だがな、俺は捕まるわけにはいかないんだ
カチャ（銃を絢音に向ける千堂）
○○：やめろ！
カチャ（銃を千堂に向ける警察官たち）
千堂：じゃあな
バンッ（銃声）
バタッ（倒れる絢音）
○○：絢音！
寺田：オリャ！
（千堂を背負い投げする寺田）
寺田：確保！
遠藤：15時35分です！
井上：千堂管理官！公務執行妨害と殺人未遂で現行犯逮捕！
千堂：・・・
○○：絢音！
宮田与田筒井岩本弓木山下：絢音さん！
宮田：腹部を撃たれてます！
絢音：はぁ..はぁ..はぁ..
弓木：誰か！救急車！

金川無線：至急至急！機捜346から警視庁！警察学校で鈴木絢音巡査部長が撃たれた！救急車を要請します！
北野無線：け、警視庁了解！

○○：絢音！大丈夫か!?
絢音：ご..め..ん...
○○：喋らなくていいから！
宮田：出血が止まりません！
山下：誰か！タオル持ってきて！
春樹：持ってきたよ！
真夏：春樹!?
春樹：中から見てたから必要になると思って...ＡＥＤも持ってきたから
山下：ありがとう
絢音：○..○..寝..む..い....
○○：絢音！寝るな！
岩本：絢音さん！
筒井：私！救急車を校門まで迎えに行ってきます！
黒見：誘導棒持ってきたから行こう！
筒井：分かった！
○○：絢音！今寝たら一生嫌いになるからな！
絢音：それ..は..嫌..だ..な...
○○：じゃあ、もう少し耐えろ！絢音！