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正義と犯罪は紙一重 ~警視庁警察学校~ 第二話

AM6:00~警視庁警察学校女子寮~

ピロピロピロ

愛萌:もう朝かぁ...早く準備しないと...

~警視庁警察学校グラウンド~

(走ってる生徒達)

生徒達:イチ!イチ!イチ!ニ!

~警視庁警察学校食堂~

愛萌:○○さん。おはようございます
○○:おはよう
愛萌:いただきま~す
与田岩本筒井:いただきます
○○:どう?警察学校は
筒井:逮捕術の訓練が苦手です...
岩本:私も苦手...
○○:苦手でも逮捕術は現場で役立つから頑張れ...
筒井岩本:はい
与田:( ˘ω˘)スヤァ
○○:与田。寝るな~
与田:は~い...
岩本:与田!
与田:はい!
○○:授業中に寝るなよ?
与田:はい
万理華:相変わらずご飯の間は仲がいいね~
与田:○○さんはご飯の間だけは優しいですからね~
○○:与田?
与田:すみません...
万理華:あ、一緒にいい?
○○:僕は良いですけど...
与田:もちろんいいですよ!
愛萌:どうぞ!
万理華:ありがとう
○○:宮田はどう?アイドルじゃない生活は慣れた?
愛萌:まだあんまり慣れてないですね...
○○:まぁ、そうだよね...
万理華:に、してもうちの教場の女子は可愛い子ばっかりだよね~
与田:伊藤助教も可愛いですよ!
万理華:そう?ありがとう
○○:そういえば、今日の教場当番は宮田か...
愛萌:そうです
○○:頑張ってー
愛萌:気持ちがこもってない...
万理華:😅

~警視庁警察学校第4教場~

(教場に入る万理華○○)
愛萌:気を付け!
(席を立つ生徒達)
愛萌:敬礼!
(礼をする生徒達)
万理華:休め
(席に座る生徒達)
○○:今日は職務質問について教える。職務質問とはなんだ?服部
服部:はい。不審な人物に対し、氏名と住所を聞いたり所持品検査などをし、犯罪に関わっていないかを確かめることです
○○:では、この中で職務質問を受けたことがある者は居るか?
(手をあげる愛萌)
○○:宮田は何故職務質問を受けた?
愛萌:服装が怪しかったみたいです
○○:芸能人のプライベートは最早不審者だからな...
愛萌:そうなんですよね...
○○:その時、どんな気持ちだった?
愛萌:大変だな~って思いました
○○:うん...待ってた答えじゃないけど、アイドルとしての模範回答ありがとう
愛萌:いえいえ~
○○:待ってた答えとしては、職務質問を受けた者はほとんどが良い思いをしない
万理華:つまり喜んで協力してもらえることは殆どないということ
○○:誰か二人一組で僕に職務質問をしてみろ。自身があるものは?
愛萌:はい!
○○:宮田と相勤は...及川。前に
愛萌及川:はい
○○:設定は街灯の無い渋谷の路地裏。ここ数日、暴行事件が多発している。では始め
愛萌:すみません。お時間よろしいですか?
○○:なんだ?お前ら?
及川:職務質問です。身分を証明できるものはお持ちですか?
○○:あ?人に聞く前にお前らが身分を明かすものだろ!
愛萌:警視庁の宮田です
及川:同じく及川です
○○:これが身分証だ
愛萌:ありがとうございます。鈴木○○さんですね?
○○:そうだ
愛萌:ありがとうございました
○○:いえ
及川:では、何個か質問させてください
○○:なんだよ?
及川:なぜここに居たんですか?
○○:なんだっていいだろ!
及川:では、危ないものは持っていませんか?
○○:持ってねぇよ!
及川:念のため所持品検査よろしいですか?
○○:断る。身分証を見せたんだからいいだろ?
愛萌:・・・
及川:最後までご協力いただけませんか?
○○:なんで協力しなきゃいけないんだよ?
及川:それは...
愛萌:嫌な気持ちにさせてしまい申し訳ありません
○○:・・・
愛萌:ですが、街灯もない路地裏に一人で立ってると、どうしても怪しく見えてしまって...怪しいと思った以上は放置するわけにはいかないんです。すみませんがご協力いただけませんか?
○○:分かったよ...
及川:では、所持品検査失礼します
○○:そこまで!
愛萌及川:・・・
○○:宮田合格。及川...不合格だ。席に戻れ
愛萌:はい!
(席に戻る愛萌)
及川:助教!なんで俺が不合格なんですか!
○○:分からないのか?
及川:え?
万理華:及川は、鈴木助教に何故協力しなきゃいけないのか聞かれた時に答えられなかったよね?
及川:・・・
万理華:そして宮田は答えた
○○:職務質問に協力しなきゃいけない理由を答えられなかったのに合格にするわけにはいかない
及川:・・・
○○:及川も席に戻れ
及川:はい...
(席に戻る及川)
○○:職務質問は人によって様々なことを思うものだ。宮田のように大変だと思うものや、警察なんかクソくらえと思うものだっている。そんな思いをしてる人にどうやって協力してもらうのか、正解は一つじゃない。自分の答えを考えておけ
生徒達:はい!
○○:では他の者で自信のある者!
及川:・・・

PM19:20~警視庁警察学校教官室~

トントン

与田:失礼します!
優里:どうしたの?
与田:愛萌さんが居なくなりました!
かりん:え?居なくなった?
与田:はい!どこにも居ないんです!
万理華:寮には居ないの?
与田:居ません...
優里:無断外出かな?
与田○○:それはないです
優里:え?
○○:宮田に限ってそれはないです
優里:そう...
与田:今、皆で探してます
桜井:とにかく私たちも探そう
○○かりん万理華:はい
桜井:斉藤教官は教官室で待機してください
優里:わかりました

~警視庁警察学校女子寮~

筒井:居た?
黒見:居ない...
小西:お風呂は?
宮坂:まだ見てない
黒見:確認しに行こう
筒井:うん

~警視庁警察学校校庭~

岩本:ここも居ない...
村田:あっちも確認しようよ
岩本:うん

~警視庁警察学校校内~

○○:居ないな...
与田:どこに消えたんですかね?
○○:分からない...
万理華:こっちにも居ない...
○○:宮田を最後に見たのは?
与田:最後に見たのは...夕食の時です
○○:そうか...
かりん:あっち側も居ないよ
桜井:全然見つからない...
○○:まさか...
与田:どうしたんですか?
(走り出す○○)
与田:○○さん!?

~警視庁警察学校男子寮~

○○:おい!
春樹:鈴木助教!お疲れ様です!
○○:今、桜井教場でこの寮に居ないものは居るか!?
春樹:今ですか?
正義:どうしたんですか?
○○:いいから!
正義:多分、及川だけだと思いますけど...
春樹:そうだな...及川だけです
○○:そうか...ありがとう
春樹正義:いえ

~警視庁警察学校教官室~

○○:伊藤助教!伊藤教官!
万理華かりん:どうしたの?
○○:無くなってる鍵ってありませんか?
万理華:鍵?
かりん:あ...プールの鍵が無い...
○○:プールか...
(走り出す○○)
万理華:あ、鈴木助教!

~警視庁警察学校プール~

(手錠を掛けられて座っている愛萌)
愛萌:なんでこんなことするの?
及川:うるさい!
(カッターで愛萌の腕を斬りつける及川)
愛萌:きゃあ!
及川:俺はたくさん勉強してきたんだ!勉強もしてないお前に負けるはずないんだ!
愛萌:・・・
及川:死ねよ
愛萌:待って!
及川:なんだよ?
愛萌:私を殺してもすぐ捕まるよ?
及川:だったらなんだよ?
愛萌:え?
及川:ここはプールだぞ?死因は溺死だろ
愛萌:・・・
及川:元アイドルは精神的に限界が来て警察学校で自殺。完璧だなw
愛萌:・・・
及川:諦めろ
○○:おい
及川:あ?
(振り向く及川)
○○:オリャ!
及川:グハッ!
○○:殺人未遂と逮捕監禁罪の現行犯な
カチャ(及川に手錠をかける○○)
万理華:鈴木助教!
○○:時間取ってください!
万理華:午後20時12分!
○○:こいつお願いします
万理華:分かった
愛萌:○○さん...
○○:大丈夫か?
愛萌:助かりました...
○○:鍵は?
愛萌:多分、及川君の胸ポケットに...
万理華:あったよ。はい
○○:ありがとうございます。手だして
愛萌:はい
○○:取れたよ
愛萌:ありがとうございます...
万理華:行くよ!
及川:・・・
(プールを出ていく万理華及川)
愛萌:○○さん
○○:どうした?
愛萌:ありがとうございました
○○:無事でよかった...
愛萌:はい!
○○:行こうか
愛萌:は~い
○○:久しぶりのぶりっ子だな...
愛萌:はい!

~警視庁警察学校教官室~

与田:愛萌さん!
岩本:大丈夫ですか!?
愛萌:大丈夫だよ
筒井:無事でよかった...
○○:及川は?
桜井:今、事情聴取してる
○○:そうですか...応援は?
桜井:要請した
○○:分かりました
衛藤:何があったの?
○○:校長...
桜井:桜井教場の及川彩人が同教場の宮田愛萌に対し殺人未遂と逮捕監禁罪をし鈴木助教が現行犯で逮捕しました
衛藤:そうですか...
桜井:現在、事情聴取中です
○○:宮田。医務室行こうか
愛萌:はい

~数十分後~

○○:戻りました
愛萌与田岩本筒井:失礼します
○○:じゃあ、話聞かせて
愛萌:はい
遠藤:失礼します
金川:三機捜です
○○:お疲れ様
遠藤:被疑者は?
○○:今、事情聴取中だから、そのうち来ると思う
遠藤:そうですか...
万理華:来なさい
及川:・・・
(教官室に入ってくる万理華と及川)
遠藤金川:お疲れ様です
万理華:お疲れ様
衛藤:動機は?
万理華:授業で自分を差し置いて合格したからだそうです
衛藤:そうですか...
○○:及川。何か言いたいことはあるか?
及川:僕は警察官ですよ?まさか逮捕する気じゃないですよね?
全員:・・・
○○:及川。明日も授業に出ろ
全員:え?
及川:分かりました
○○:ただし、三機捜の二人の監視の上でだ
遠藤金川:はい

~翌日~

~警視庁警察学校第4教場~

(教場に入る桜井万理華○○)
村田:気を付け!
(席を立つ生徒達)
村田:敬礼!
(礼をする生徒達)
○○:休め
(席に座る生徒達)
○○:悪いな。二人とも交代時間過ぎてるのに...
遠藤:大丈夫ですよ
○○:ありがとう。では、質問だ。警察官とは何のためのに存在する?例えば医療従事者なら人を救うため。みたいな感じで簡単に答えてくれ
霖之助:はい
○○:東
霖之助:警察官も人を救うためだと思います
○○:他には?
岩本:はい
○○:岩本
岩本:人を守るためだと思います
○○:そうか。では、警察官が一番気を付けなきゃいけないことは何かわかるか?及川
及川:はい。冤罪を起こさないことでしょうか?
○○:それもあるが違う
及川:では、指示に従うことでしょうか?
○○:違う。間違った指示に従う必要は無い
及川:...分かりません
○○:国家権力に溺れないことだ!
全員:!?
○○:人を救う警察官だったら...人を守る警察官だったら...犯罪を犯していいのか?
及川:いえ。ですが!警察官の正当な職務執行は!
○○:お前が昨日やったことも正当な職務執行か?
及川:・・・
○○:勤務時間外に授業で自分を差し置いて合格した同期を傷つけることが正当な職務執行だと?
及川:い、いえ...
○○:ならお前は!なぜ昨日、警察官である自分を逮捕するなといったんだ?
及川:警察官は逮捕されるべきではないからです
○○:お前が警察官だからか?
及川:はい
○○:お前が警察官ならお前が殺そうとした宮田愛萌も警視庁の巡査であり警察官だ!
及川:・・・
○○:お前は警察官を傷つけたんだ!
及川:・・・
○○:警察官は警察官を傷つけてもいのか?
及川:・・・
○○:なら、僕がお前を殺しても問題ないな?
カチャ(拳銃を及川に向ける○○)
全員:!?
遠藤:○○さん!?
桜井:鈴木助教!
万理華:落ち着きなさい!
愛萌:○○さん!ダメです!
○○:・・・
及川:こんなにも目撃者が居るんですから逮捕されますよ?
○○:警察官は逮捕されないんだろ?
及川:・・・
○○:お前が行ったんだぞ?
及川:・・・😢
○○:泣いてんじゃねぇよ。お前も昨日、同じことを宮田にしたんだぞ?
及川:ごめんなさい!ごめんなさい!😢
○○:謝る相手が違うだろ
及川:宮田さん!本当に申し訳ありませんでした!
○○:お前は二度と警察官を語るな
及川:ごめんなさい...ごめんなさい...😢
○○:あ、これモデルガンだから
桜井遠藤愛萌:・・・
○○:逮捕状
金川:どうぞ
○○:及川彩人。殺人未遂と逮捕監禁罪で逮捕する
ガチャ(及川に手錠をかける○○)
○○:頼む
遠藤:はい
金川:行きますよ
○○:授業は以上だ
村田:き、気を付け!
(席を立つ生徒達)
村田:敬礼!
(礼をする生徒達)
(教場を出ていく桜井○○)
村田:休め!
(座る生徒達)
服部:なんだったんだ?
小西:及川くん。逮捕されたの?
富沢:どういうことだ?
愛萌:○○さん...
万理華:宮田。教官室に来なさい
愛萌:はい

~警視庁警察学校教官室~

桜井:なんで帯革付けてるんだろうと思ったらこんなことするとはね...
○○:勝手なことをして申し訳ありませんでした
桜井:怒る気は無い。でも始末書を提出しなさい
○○:はい
桜井:それと校長には報告させてもらうから
○○:はい
衛藤:報告は不要よ
桜井○○万理華:衛藤校長...
(礼をする教官達)
衛藤:何をしたかは見させてもらいました。宮田巡査は今の鈴木助教の行為で救われましたか?
愛萌:いえ...
衛藤:では、先ほどの行為は必要なかった。違いますか?
○○:そうかもしれません
愛萌:すみません
衛藤:どうしました?
愛萌:鈴木助教の先ほどの行為で私は救われたわけではありません。でも、及川巡査は考えを改める良い機会になったのではないでしょうか?
○○:・・・
衛藤:確かにそうかもしれません。ですが規則を破ってしまった以上は...
万理華:お言葉ですが、現場では規則通りに行かないことなんてたくさんあります。確かに規則を守ることは大事ですが、時には破ることも必要なのではないでしょうか?
衛藤:...分かりました。今回は処分はしませんが次はありませんからね?
○○:分かりました。ありがとうございます
衛藤:いえ
(教官室を出る衛藤)
○○:伊藤助教。ありがとうございました
万理華:まぁ、拳銃はやりすぎだと思うけど...
○○:すみません😅
万理華:次は控えめにね
○○:はい。宮田もありがとう
愛萌:○○さんに処分が無くてよかったです

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