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正義と犯罪は紙一重 ~警視庁警察学校~ 第三話

~警視庁警察学校第4教場~

(教場に入る桜井万理華○○)
黒見:気を付け!
(席を立つ生徒達)
黒見:敬礼!
(礼をする生徒達)
桜井:休め
(席に座る生徒達)
桜井:今日は拳銃についてです。この後、あなた達は拳銃を使った訓練をしますが、拳銃はとても危険であることを自覚してください
○○:では、拳銃は何のためにあると思う?
正義:はい!被疑者を確実に確保するためです!
○○:他には?
富沢:はい!被疑者に威嚇するためです!
○○:お前らは被疑者のことしか頭にないのか!
正義富沢:・・・
○○:被疑者以外で何かないのか?
愛萌:はい!自分を含めた周りの人間を守るためです
○○:そうだ。拳銃の考え方は人それぞれだが、僕はそう思っている
万理華:日本では拳銃は銃刀法で規制されている。警察官だからといって理由もなく拳銃を発砲していいことにはならないから注意するように
春樹:はい!
万理華:なんだ?
春樹:教官と助教は現場で拳銃を発砲したことはあるのでしょうか?
桜井:私は現場経験が殆どないから発砲する場面に出会ったことがない
万理華:私もない
○○:僕は数回あるがもちろん正当な理由があっての発砲だ
与田岩本筒井愛萌:(正当な理由...)
○○:与田。岩本。筒井。宮田。何か言いたいことでも?
与田岩本筒井愛萌:いえ、ありません!

~警視庁警察学校射撃場~

かりん:拳銃を発砲するときは落ち着いて撃て。落ち着かないと関係ない人間に当たる可能性があるから気を付けなさい
桜井:誰か、教官又は助教でお手本を見せれる人は?
○○:では僕が
桜井:お願いします

カチャ(拳銃を構える○○)
バンッ(銃声)
かりん:10点!
バンッ(銃声)
かりん:10点!
バンッ(銃声)
かりん:10点!
バンッ(銃声)
かりん:10点!
バンッ(銃声)
かりん:10点!

桜井:凄...
霖之助:完璧かよ...
与田:さすが○○さん...
岩本:凄い腕前...
かりん:さすが元全国5位...
桜井:では、次はあなた達がやりなさい
生徒達:はい!
万理華:本気出し過ぎじゃない?
○○:いつも通りですよ?
かりん:では、一人5発ずつを二回。まずは1発ずつ撃ちなさい
万理華:次回からは20発の検定を行う。初級70点。中級80点。上級90点よ
春樹:緊張する...
霖之助:俺も...
桜井:では、撃ち方用意!
カチャ(銃を構える春樹霖之助岩本黒見小西筒井)
かりん:力を抜いて
桜井:撃ち方始め!
バンッバンッ(銃声)
かりん:1発目。秋元、4点
春樹:よしゃ!
かりん:東、0点
霖之助:難しいな...
かりん:岩本、7点
岩本:腕キツイ...
かりん:黒見、10点
黒見:・・・
かりん:小西、0点
小西:はい
かりん:筒井、5点
筒井:はい
かりん:残り4発は連射で撃ちなさい
桜井:撃ち方用意!
カチャ(銃を構える春樹霖之助岩本黒見小西筒井)
桜井:撃ち方始め!
バンッバンッ(銃声)

~数分後~

正義:緊張する...
服部:腕大丈夫かな...
桜井:撃ち方用意!
(銃を構える富沢服部正義宮坂愛萌村田与田)
桜井:撃ち方始め!
バンッバンッ(銃声)
かりん:1発目。富沢、0点
富沢:はい...
かりん:服部、6点
服部:はい
かりん:東、9点
正義:・・・
かりん:宮坂、0点
宮坂:はい
かりん:宮田、4点
愛萌:はい
かりん:村田、0点
村田:難しい...
かりん:与田、8点
与田:はい!
かりん:残り4発は連射で撃ちなさい
桜井:撃ち方用意!
カチャ(銃を構える富沢服部正義宮坂愛萌村田与田)
桜井:撃ち方始め!
バンッバンッ(銃声)

~警視庁警察学校食堂~

愛萌:拳銃ってどうやって狙うの?
○○:宮田は1回で当たったんだからいい方だと思うけど...
愛萌:そうですけど...
万理華:1回で当たるなんて凄い方だけどね~
愛萌:そうですか?
万理華:そうだよ?
○○:お昼に拳銃なんて物騒な話はしない方がいいぞ
愛萌:は~い...
与田:ところで○○さんはどうやって拳銃の腕を磨いたんですか?
○○万理華愛萌筒井岩本:(この子、人の話聞かないのかな?)
与田:どうかしました?
○○:いや、なんでも...

~警視庁警察学校第4教場~

(教場に入る○○万理華)
黒見:気を付け!
(席を立つ生徒達)
黒見:敬礼!
(礼をする生徒達)
○○:休め
(席に座る生徒達)
○○:授業を始める前に話したいことがある。今日、君たちは拳銃を初めて使ったが、この世で一番危険な凶器は何か分かるか?宮坂
宮坂:え~と...拳銃...ですか?
○○:そうだな。拳銃も危険な凶器だ。他には?
富沢:ナイフや包丁などの刃物ですか?
○○:それも、危険な凶器だ。他には?
服部:爆発物ですか?
○○:爆発物は一度に多数の人にケガをさせられる危険な凶器だ。宮田は何かあるか?
宮田:...言葉ですか?
○○:そうだ。これは、あくまで個人の意見だが、僕はこの世で一番危険な凶器は言葉だと思ってる
春樹:どういうことですか?
○○:言葉の中にも色々な種類の言葉がある。その中でも人を傷つける言葉がある。その言葉一つで人が死ぬ可能性があることを忘れるな
霖之助:言葉なんかで人が死ぬんですか?
○○:ああ。少し前に爆川暴露という、暴露系ユーチューバーが居たが、爆川暴露の暴露は殆どが適当に言ったデマだった。だが、そのデマに騙されて、暴露された人に対して誹謗中傷をした人間がたくさん居た。その誹謗中傷のせいで自殺しようとした女性教師が居た
与田筒井岩本:・・・
○○:その女性教師は自殺を踏みとどまったが、ある一人の言葉が原因で集団の人達が言葉を使い誹謗中傷した結果。自殺しようとしたんだ
生徒達:・・・
○○:最近はSNSという便利なツールがあるが、そのSNSが匿名だからと誹謗中傷をする人が後を絶たない
生徒達:・・・
○○:そのせいで、数多くの人が自殺をしている
生徒達:・・・
○○:そして人は‶死ね"という言葉や‶ゴミ"‶消えろ"などの言葉を簡単に使う。もしかしたら、言った本人はふざけて言ったのかもしれない。でもな、その一言で自殺する人もいるんだ
生徒達:・・・
○○:忘れるな、人はいつまでも我慢できるわけじゃない。限界があるんだ
生徒達:・・・
○○:普段使う言葉だから、簡単に使える言葉だからこそ、ここに居るものには、警察官として自分の言葉に責任を持ってもらいたい
生徒達:はい!
○○:以上だ。では、伊藤助教。授業をお願いします
万理華:分かった。では...

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