警視庁捜査一課46係　第七話

ＡＭ２：０１～絢音・○○宅寝室～

（悪夢を見る絢音）
絢音：ハァハァハァ...
○○：絢音…
絢音：はぁ…夢か…
○○：大丈夫？
絢音：大丈夫だよ...

プルプルプル

絢音電話：はい。鈴木です
久保電話：絢音さん。高尾管内の高尾山で女性の変死体が見つかったそうです
絢音電話：わかった。今から行く

○○：送っていくよ
絢音：ありがとう

ＡＭ３：３５～高尾山駐車場～

ＰＭ１：すみません。ここは現在立ち入り禁止で...
○○：二機捜です
ＰＭ１：二機捜？なんで二機捜が...
○○：捜一の奥さんを送ってきたのですが...
ＰＭ１：失礼しました！どうぞ

絢音：じゃあ、行ってくるね
○○：気を付けなよ？
絢音：ありがとう

～高尾山現場～

ＰＭ２：お疲れ様です
絢音：お疲れ様です

絢音：遅くなりました
真夏：あ、絢音ちゃん。お疲れ様
絢音：お疲れ様です。ご遺体は？
生田：ここ
絢音：え...
賀喜：ＰＭの何人かがご遺体を見て気分が悪いと体調不良を訴えてますが…絢音さんは大丈夫ですか？
絢音：大丈夫だよ。中学生かな？
久保：制服的に間違いないと思います
堀：制服姿の女の子を木にくくりつけて、頭部を切断って...
久保：異常犯罪ですね...
絢音：頭部は？
生田：まだ見つかってない...
絢音：そうですか...
堀：遺留品は？
久保：遺留品も見つかってません...
真夏：機捜の初動捜査は？
？？：異常なしです
絢音：あ、さくらちゃん
遠藤：お疲れ様です
久保：お知合いですか？
絢音：乃木坂駅前にそば屋あるでしょ？
久保：あ、えんそばですよね？美味しいですよね～
絢音：そこの娘さん。賀喜ちゃんの同期で三機捜の遠藤さくらちゃん

遠藤：遠藤です
久保：久保です
絢音：それと、さくらちゃんの相勤の
金川：金川です

絢音：階級は二人とも巡査ね
真夏：それで、初動捜査は何も見つからなかったの？
遠藤：はい。現着の時点で人気は無く、遺体のそばにこのライトがあったおかげで遺体が見つかりました
金川：通報内容は遺体を見つけたとの入電でしたが付近に通報者はいませんでした
生田：通報者が居ない...
金川：それと、防犯カメラが壊されていて映像は残ってませんでした…
絢音：相当用意周到ですね...
賀喜：あ、さく。ご遺体の制服の中学校って何処かわかる？
遠藤：多分、高尾管内の坂之上中学だと思います
絢音：そっか。ありがとう
琴子：頭部見つけました！
絢音：どこ？
琴子：こっち！

絢音：これ...

真夏：また、アノニマスのマスク...
堀：どうなってるの...
琴子：頭部の付近にも遺留品はありませんでした…
生田：そう...
琴子：それと、地面の血の跡を見て思ったのは殺害現場と切断現場はここじゃないと思います
絢音：やっぱり...
久保：絢音さんは気づいてたんですか？
絢音：切断なのに地面の血がほとんどなかったからね...
琴子：さすが絢音だね～
絢音：琴子ちゃんこそ～
遠藤：それと、防犯カメラの映像は0時35分に壊されていて、通報が1時55分に来ているのでその間に事件が起きたと思われます
生田：そうだね...
遠藤：私たちは密行に戻ります
真夏：わかった。ありがとう
遠藤：いえ
遠藤金川：失礼します
真夏：明るくなるまで所轄で待とうか…
絢音：そうですね…

ＡＭ８：５５～警視庁高尾警察署応接室～

生田：そろそろ行こうか～
堀：そうですね
真夏：じゃあ、絢音ちゃんと賀喜ちゃんは坂之上中学でご遺体の身元を調べて？マークＸ使っていいから
絢音賀喜：わかりました
真夏：私と未央奈は現場付近で聞き込み
堀：はい
真夏：いくちゃんと久保ちゃんは現場をもう一回調べて？鑑識も呼んでおくから。それとキザシで送っていくから
生田：了解
久保：わかりました

ＡＭ９：１０～高尾山前～

真夏：すみません。警視庁の者なんですけど
久保：今日の午前0時35分から1時55分の間に不審な人を見たり、不審な音を聞いたりしてないですか？
男性１：聞いてないですね...第一その時間は寝てますし...
真夏：そうですか...ありがとうございます

同時刻～高尾山現場～

生田：何にも見つからないね...
久保：そう簡単には見つかりませんね...

同時刻～坂之上中学職員室～

絢音：警視庁捜査一課の鈴木です
久保：久保です
先生１：どういったご用件ですか？
絢音：付近で身元不明の女子中学生のご遺体が見つかりまして、坂之上中学校の制服を着ていたのでここの生徒かと思いまして...
先生１：なるほど、でしたら生徒の一覧を持ってきますね
絢音：お願いします

先生１：お待たせいたしました。こちら生徒一覧です
絢音賀喜：ありがとうございます
絢音：私、二年生やるから一年生お願い
賀喜：わかりました

～数十分後～

賀喜：一年生には居ないですね...二年生は居ました？
絢音：居な...あ、居た！
賀喜：被害者の氏名は高沢りんさん。2年4組の生徒ですか...
絢音：すみません。2年4組の高沢りんさんの資料を見せてもらえますか？
先生１：わかりました。少々お持ちください

先生１：どうぞ
絢音：ありがとうございます。賀喜ちゃん。生田さん達に資料の内容送って？
賀喜：わかりました

きゃああああああ！

先生１：なんだ？
絢音：行こう！
賀喜：はい！

～坂之上中学理科準備室～

絢音：どうしました？
女生１：あ、あ、あ、あれ...
絢音：!?
賀喜：絢音さん！状況は!?
絢音：賀喜ちゃん！応援と出口封鎖！
賀喜：は、はい！
先生１：何があった...うわああああああ！

～数十分後～

～坂之上中学理科準備室～

ウーーーーウーーーーーーーーーー

生田：お疲れ様…
絢音：お疲れ様です…
真夏：状況は？
絢音：ご遺体を見てください
堀：これって...
久保：女子高校生が柱に括りつけられてて...
真夏：頭部が切断されて...
生田：アノニマスのマスクを付けてるって...
久保：連続殺人ですかね？
絢音：分からないけど…最初の事件と違って遺体が見つかりやすいところにあるのが気になる...
賀喜：確かに授業をやってる学校の理科準備室ってリスク高いですよね...
真夏：第一発見者は？
絢音：ここの女子生徒です
真夏：話を聞こうか
絢音：じゃあ、私は先生の方に話を聞きます
真夏：お願い
生田：じゃあ、私たちはご遺体の身元を調べる
真夏：お願い

～真夏・堀視点～

真夏：大丈夫ですか？
女生１：大丈夫です...
真夏：お名前を教えてもらえますか？
女生１：田中三実です
堀：何があったか教えていただいてもよろしいですか？
田中：はい...理科の授業中に先生に準備室に教材を取りに行ってと頼まれて...
堀：準備室に行ったんですね？
田中：はい...そして...
真夏：ご遺体を見つけた...
田中：はい...
堀：不審な人とか不審な音って聞いたり見たりしませんでした？
田中：特に何も...
真夏：そうですか...ありがとうございます

～生田・久保～

久保：見つかりませんね...
生田：あ、居た…
久保：何年何組ですか？
生田：２年４組
久保：え？

～絢音・賀喜視点～

絢音：何度もすみません
先生１：いえ
絢音：２年４組の先生にお話をお聞きしたいんでけど...
先生１：２年４組の先生ですね。お待ちください

賀喜：先ほどのご遺体も２年４組の生徒だそうです。氏名は滝沢めぐみさん
絢音：そう...
先生２：お待たせしました。２年４組担任の者です
絢音：警視庁の鈴木です
賀喜：同じく警視庁の賀喜です
先生２：どういったご用件でしょうか？
絢音：今日の午前１時頃に見つかったご遺体がこの中学校の生徒で２年４組の高沢りんさんだと分かりました
先生２：え？高沢が亡くなったってことですか？
絢音：はい
先生２：そんな...
絢音：それと、先ほど理科準備室で見つかったご遺体は同じく２年４組の滝沢めぐみさんだと分かりました
先生２：そんな...二人も...
賀喜：最近、二人に変わったところはありませんでしたか？
先生２：いえ。特には...
絢音：では、最近、二人と揉めていた人とか居ませんでしたか？
先生２：特には見かけませんでした...
絢音：そうでしたか...
賀喜：では、今日の午前０時から午前１時３０分の間ってどこで何をしていましたか？
先生２：私を疑ってるんですか？
絢音：これは関係者全員に聞いてることですので...
先生２：そうですか...午前０時から午前１時３０分の間ですよね？
絢音：はい
先生２：その時間は家で寝ていました
賀喜：それを証明できる人は？
先生２：居ません…
賀喜：そうですか...
絢音：わかりました。ご協力ありがとうございました

～理科準備室～

生田：あ、どうだった？
堀：第一発見者は不審な人や音を見たり聞いたりしていないそうです
生田：そう...
真夏：絢音ちゃん達は？
絢音：担任の先生は被害者二人に変わったところや揉めてるところは見ていないようです
真夏：そっか...
絢音：それと、担任のアリバイが不十分です
生田：アリバイは担任だけじゃなくて２年４組の生徒全員に聞いた方がいいかもね
絢音：そうですね...
真夏：とりあえずどうする？
絢音：ちょっといいですか？
真夏：どうしたの？

～坂之上中学屋上～

絢音：何でここにいるの？
？？：・・・
絢音：高沢りんさんと滝沢めぐみさんを殺害したのはあなたじゃない？田中三実さん
田中：...どうしてそう思うんですか？
絢音：あなた。滝沢めぐみさんを見つけた時に動揺するフリをして笑ってたでしょ？
田中：・・・
絢音：それと、今回の事件はあなただけじゃ無理。協力者が居るでしょ？
田中：・・・
絢音：多分。協力者は担任の先生かな？
田中：どうしてそう思うの？
絢音：担任の先生の遺体を見つけた時の反応に違和感があったからかな？
田中：ふ～ん。あんた観察力が凄いんだね～
絢音：そう？ありがとう
田中：ここまで当てたご褒美に教えてあげる。高沢りんと滝沢めぐみを殺したのは私。うまく演技したと思ったんだけどなぁ～
絢音：なんで殺したの？
田中：うざかったから殺した
絢音：うざかった？
田中：そう。うざかったから殺したの。爽快だったなぁ。あいつらが泣きながら必死に助けて助けてって喚くのを見るのｗ
絢音：・・・
田中：ほら、逮捕するんでしょ？どうぞ？
絢音：田中三実さん。あなたを殺人容疑で逮捕します
賀喜：時間は午前11時55分
田中：あんた。いつから居たの？
賀喜：最初から居ましたよ？私がペアの絢音さんが殺人容疑の容疑者のところに行くのに一人で行かせるわけないじゃないですか
田中：ふ～ん。あんたは慕われてるんだね。うらやましいわ
ＰＭ３：行くぞ
ＰＭ４：あとは引き受けます
絢音賀喜：お願いします
賀喜：田中三実はなんで殺人という方法にたどり着いたんですかね...
絢音：アノニマス...
賀喜：え？
絢音：いや…なんでもないよ。行こうか
賀喜：あ、はい