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警視庁捜査一課46係 第三話

~救急車内~

絢音:現場に変なところってあった?
○○:え?絢音って強行犯だよね?火災は火災犯でしょ?
絢音:被害者に女性が多いからうちの係も捜査することになったの
○○:そっか...変なところといえば管理人が少しおかしかったな...
絢音:管理人?
○○:うん。ずっと誤報だって言ってて避難をさせようとしてなかった
絢音:そう...他には?
○○:スプリンクラーが作動してなかった
絢音:スプリンクラー...他にはある?
○○:京子さんの部屋のドアが開かなかった…
絢音:ドア?
○○:うん…
絢音:そっか。他は?
○○:特には無いよ…
絢音:そっか...ありがとう。あとで病院に行くから
○○:わかった

~別の救急車内~

堀:変だったところってあります?
井上:私は気づかなかったよ...
堀:そうですか...ありがとうございます

~別の救急車内~

秋元:変だったことってあった?
寺田:管理人が何か隠してる感じがしました…
秋元:そう...ありがとう

~別の救急車内~

久保:変なところってありました?
飛鳥:特になかったと思う
久保:そうですか...

~別の救急車内~

絢音:なにか変なとこってありました?
史帆:ドアが開かなかったことかな…
絢音:そうですか...

~別の救急車内~

賀喜:変だったことってあります?
京子:部屋のドアが開かなかったことかな…
賀喜:ドアですか?
京子:そう…
賀喜:そうですか...ありがとうございます

~ヒナターズ・タワー前~

生田:聞き込み終わった?
絢音:終わりました
秋元:終わったよ
生田:どんな感じ?
絢音:○○がスプリンクラーが作動してなかった点と管理人がおかしかった点、あと京子さんの部屋のドアが開かなかったと
秋元:蘭世ちゃんも管理人が何か隠してる感じがしたって
生田:その管理人怪しいね...他には?
堀:井上警部補は特に気づかなかったそうです
久保:齋藤巡査部長も変なところは無かったとのことです
絢音:史帆さんもドアが開かなかったと
賀喜:京子さんもドアが開かなかったと
生田:そう...
消防隊1:消火と換気が完了しました!
生田:もう中に入れる感じですか?
消防隊1:はい。入ってもらって大丈夫ですがヘルメットだけは着用してください
生田:わかりました。行こうか
全員:はい

~ヒナターズ・タワー1007号室~

生田:火元はこの部屋で間違いなさそうだね…
賀喜:ここに要救助者は居たんですか?
消防隊2:いえ。見つかってないとのことです
賀喜:そうですか...
秋元:この部屋の住民は?
消防隊2:早めに避難していたので乃木坂大学病院に搬送しました
秋元:そうですか...
生田:スプリンクラーが作動してなかったみたいなんですけど...
火災調査1:スプリンクラーですか?
生田:はい
消防隊1:確かに…スプリンクラーは作動してなかったな...
火災調査1:スプリンクラーの確認をしてくれ
火災調査2:わかりました
(1007号室を出ていく火災調査2)
絢音:火元はキッチンですか?
火災調査1:いえ。ここにあったヒーターが火元だと思います
久保:ヒーターですか?
火災調査1:はい
堀:この時期にヒーターですか...
生田:被害者の身元は?
久保:あ、坂出清美さん45歳だそうです
生田:じゃあ、被害者に話聞きに行こうか
絢音:その前にもう一部屋行っていいですか?
秋元:いいよ

~ヒナタ―ズ・タワー2004号室~

賀喜:ここって、京子さんの部屋ですよね?
絢音:そうだよ
秋元:そういえば、ドアが開かなかったって...
生田:あ...
秋元:どうかした?
生田:これ、銃弾だ...
秋元絢音賀喜久保堀:え?
絢音:○○は銃を撃ってドアを開けたんだ...
久保:でも…それって問題になるんじゃ...
生田:そうかもね。でもあの時、全員がいつ一酸化炭素中毒になってもおかしくなかった。現に蘭世ちゃんはこの部屋に着いてすぐに一酸化炭素中毒になって倒れてる
秋元:そんな中、現場にあるものだけでドアを開けたことで避難ができた
生田秋元:○○は【○○君は】正しいことをした
生田:それが、私と
秋元:私の意見かな
絢音:相変わらず無茶するんだから...
賀喜:それで、ドアが開かなかった理由は?
生田:鍵の部分を撃って開いたってことは鍵の開け忘れ?
絢音:多分そうですね…
秋元:じゃあ、とりあえず私と未央奈は火元の部屋の被害者に話聞きに行こうか
堀:はい
生田:私と久保ちゃんは他の住民に聞き込みしようか
久保:はい
絢音:じゃあ、私と賀喜ちゃんは管理人に話を聞こうか
賀喜:はい

~数十分後~

~乃木坂大学病院~(秋元・堀視点)

秋元:坂出さん。警視庁の秋元です
堀:堀です
秋元::何があったんですか?
坂出:何がって言われても...昨日は夜勤で帰ってきて寝てたら焦げ臭くて見たら火が出てて、避難したんです
堀:そうなんですね
坂出:ヒーターなんか点けてないのに...
秋元:わかりました。ありがとうございます

秋元:美月。立番お願い
山下:わかりました

~ヒナターズ・タワー前~(生田・久保視点)

生田:警視庁の生田です
久保:同じく久保です
生田:最近、変なこととかありませんでした?
住民1:変なこと?特には無いな
久保:そうですか...

~ヒナターズ・タワー管理人室~(絢音・賀喜視点)

絢音:すみません。警視庁の鈴木です
賀喜:同じく、警視庁の賀喜です
絢音:詳しい状況を聞かせて頂きたいんですけど
管理人:詳しい状況?
絢音:はい。火災が発生した時の詳しい状況なんですけど
管理人:そう言われても、刑事さんに言われるまで誤報だと思ってたからなぁ…
絢音:なんで、誤報だと思ったんですか?
管理人:1007号室は火災の誤報が多いんですよ…
賀喜:どういうことですか?
管理人:一か月に一回くらいかな?1007号室の火災報知器が作動するんですよ。まぁ、誤報なんですけどね...
賀喜:そうなんですね…
管理人:だから、また誤報だと思ったんですけど…刑事さんに怒鳴られて本当の火災だと分かったんだよ...
絢音:なるほど、火災の時の防犯カメラって見せてもらえます?
管理人:いいですよ
カタカタカチッ
管理人:どうぞ
賀喜:報知器が作動したのはこの報知器ですね
絢音:あれ?マル害、もう部屋出たね…
賀喜:そうですね
絢音:火災発生時刻って何時だっけ?
賀喜:通報の第一報は午前10時23分です
絢音:マル害が部屋を出たのは午前10時10分か...
賀喜:約10分前ですね...
絢音:うん。すみません。報知器が作動するまで早送りできますか?
管理人:はい。あ、この時間に作動しました
絢音:マル害は帰ってきてないか...
賀喜:ってことは、火災が起きた時はマル害は部屋にいなかったみたいですね...
絢音:そうだね...そういえば、作動した報知器は部屋の中のじゃなかったんですね
管理人:ああ、さっきも言ったけど、火災報知器の誤作動が多くて買い替えようとしてたみたいで前のやつは外してたみたいですよ
絢音:そうなんですね
賀喜:あ、○○さん達来ましたね
絢音:この映像コピーして貰えますか?
管理人:わかりました

~ヒナターズ・タワー前~

生田:どうだった?
秋元:坂出さんが言うには、昨日が夜勤で寝ていたら焦げ臭くて起きたら火が出ていて避難したと
生田:そう...
堀:生田さん達は?
久保:他の住民の方にも聞き込みしましたけど、特に変なところはないそうです
生田:そう...絢音ちゃん達は?
賀喜:管理人が言うには火元の1007号室は火災報知器の誤作動が多いみたいでまた誤作動だと思ったらしいです
絢音:それと、防犯カメラの映像を見たんですけど、坂出さんは火災報知器が作動する10分前には部屋を出ていました
秋元生田堀久保:え?
生田:つまり、火災が発生する前には部屋にいなかったってこと?
絢音:はい…
秋元:あ、坂出さん…火元がヒーターって知ってた...
生田:わざとヒーターを点けたまま部屋から逃げた...
絢音:乃木坂大学病院に行きましょう
生田:そうだね

~乃木坂大学病院~

山下:お疲れ様です
生田:お疲れ様

生田:失礼します
坂出:はい
生田:警視庁のものです
坂出:どうされたんですか?
秋元:今回の火災の犯人はあなたですね?
坂出:・・・
絢音:あなたはヒーターを点けたまま家を出たんじゃないですか?
坂出:...そうです
賀喜:何があったんですか?
坂出:...昨日帰ってきてから寒気が凄くて…ヒーターを点けてたんですが、ヒーターを点けたのを忘れてコンビニに買い物に行ったんです...そして、帰ってきたら…皆さん知っての通り大火事になっていて...
秋元:そうですか...後は、火災犯捜査係に話してください
刑事1:それでは、署までご同行願います
坂出:はい

~警視庁捜査一課46係~

生田:さっきの火災だけど、○○達のおかげで死者は0だって
絢音:そうですか
秋元:坂出さんもヒーターの消し忘れでこんなことになるなんて思ってなかっただろうね
久保:そうですね...
堀:ヒーターの取り扱いには注意しないとですね
秋元:あ、絢音。○○君の病院に行かなくていいの?
絢音:あ…病院どこでしたっけ?
秋元:搬送先一覧がそこになかったっけ?
生田:あ、これね。え~と…○○は乃木坂総合病院だね
絢音:ありがとうございます。行ってきます!
秋元生田賀喜堀久保:行ってらっしゃい


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