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警視庁捜査一課46係 第九話

AM9:15~警視庁捜査一課46係~

賀喜:絢音さん。引っ張っられた髪大丈夫ですか?
絢音:大丈夫だよ
真夏:何かあったの?
賀喜:昨日、近くで起きた暴行事案の現場に行ったんですけど、被疑者に絢音さんが髪を引っ張られちゃって...
真夏:え?大丈夫だったの!?
絢音:大丈夫ですよ
賀喜:それで、○○さんが凄いキレちゃって...
生田:あ、○○も居たの?
賀喜:居ました
生田真夏:それはダメだよ...😅
久保:居なくてもダメですよ?
遠藤:失礼します...
賀喜:あれ?さく…今日非番?
遠藤:非番だよ
賀喜:どうしたの?
遠藤:皆さんって、今は事件の捜査中ですか?
生田:いや、何も捜査してないよ?
遠藤:皆さんにお願いがあるのですが...
真夏:お願い?

真夏:お茶どうぞ
遠藤:ありがとうございます
賀喜:それで、お願いって?
遠藤:皆さんに事件の捜査をお願いしたいんです
生田:事件?
遠藤:はい
絢音:ここに持ってきたってことは殺人かな?
遠藤:いえ。所轄は自殺と考えてるみたいなんですけど...
絢音:納得いかないんだ?
遠藤:はい...この事件を捜査してください!お願いします!
堀:どうします?
生田:できれば、所轄を敵にしたくないんだけどね...
久保:捜一ってただでさえ所轄に嫌われてますからね...
真夏:そうなんだよね...
絢音:でも、事件を間違った方向で終わらせるわけにいきませんよね...
真夏:もう...
生田:本当にあなた達夫婦は...
真夏生田:正義感が強いんだから…
真夏:現場はどこ?
遠藤:それが、現場は青梅PS管内の廃病院で、○○さんが指令室の高山警部の足を切断した現場です
絢音:そっか...
生田:よし。行こうか
真夏:うん
絢音堀久保賀喜:はい!
遠藤:ありがとうございます!

AM11:34~警視庁青梅警察署刑事生活安全組織犯罪対策課~

生田:すみません
刑事1:どうされました?
生田:警視庁捜査一課46係の生田です。青梅管内で発生した変死体事案について捜査をしたいので捜査資料を見せてほしいのですが
刑事1:え?あ、機捜か...どうぞー

刑事課長:お待たせしました。変死体事案についてですよね?
生田:はい
刑事課長:これが捜査資料です。調べるなら勝手にどうぞ
生田:ありがとうございます
刑事課長:にしても、捜査一課も暇なんですねー
真夏:え?
刑事課長:いや、うちで自殺と判断した事件をわざわざ調べるとは暇なんだなと思いましてー
絢音:確かに事件を担当していませんが、捜査一課が暇なのはいいことですし。もし、この事件が自殺じゃなかった場合の責任はあなた方にあるのを忘れないでくださいね?
刑事課長:相変わらずは捜査一課さんは上からですねー
生田:では、捜査資料をお借りします
刑事課長:どうぞー
生田:それと、部屋をお借りできますか?
刑事課長:会議室を使ってください
生田:ありがとうございます

~警視庁青梅警察署会議室~

生田:とりあえず、捜査資料を読もうか
真夏:そうだね
絢音:じゃあ、私はこれ読みます

~数十分後~

絢音:読み終わったけど...
堀:いくら何でも...
久保:情報が...
賀喜:無さすぎですね...
真夏:これは、一から調べたほうがいいね…
生田:そうだね。とりあえず、現場行こうか
真夏:さくらちゃん。案内お願い
遠藤:わかりました。行きましょう

PM12:34~廃病院変死体発見現場前~

生田:ここが現場か~
高野:お疲れ様です!
絢音:あ、高野巡査!?
高野:その節はお世話になりました!
絢音:もう大丈夫なんですか?
高野:はい!もう大丈夫です!
真夏:えっと...どちらさま?
絢音:あ、奥多摩交番の高野巡査です
高野:警視庁青梅警察署奥多摩交番の高野です
賀喜:どういうご関係ですか?
高野:鈴木巡査長には地震の時に助けていただきまして
賀喜:あ、なるほど...
絢音:でも、どうしてここに?
高野:署の者に46係の皆さんが捜査をしに来たと聞きましたので、案内をする人間が居たほうがいいと思ったのですが...
生田:それは、助かります。さくらちゃん一人だと二手に分かれられないからね
堀:じゃあ、中に入りましょう
真夏:そうだね

~廃病院変死体発見現場~

遠藤:一応事件の説明しますね
絢音:お願い
遠藤:遺体発見時刻は8月15日午前9時00分で密行を始めてすぐに指令が掛かりました

8月15日AM9:01~東京都奥多摩町~

金川:そうだ!今度さくの実家にお蕎麦食べに行っていい?
遠藤:もちろんいいよ!

菊池無線:警視庁から各局。第九方面。青梅管内。奥多摩町廃病院にて女性の変死体発見との110番入電中。近い局は向かわれたい。110番整理番号145。担当菊池

金川:行こうか
遠藤:そうだね

遠藤無線:機捜346、奥多摩PB前より現場
菊池無線:警視庁了解

ウーーーウーーーウーーーウーーーウーーーーーーーーーー

8月15日AM9:12~廃病院変死体発見現場前~

遠藤無線:機捜346。現着。これより着手。どうぞ
菊池無線:警視庁了解

遠藤:行こう
金川:うん

8月15日AM9:13~廃病院変死体発見現場~

遠藤:警視庁の者です
男性1:あ、刑事さん
金川:変死体というのは?
男性1:こっちです

男性1:ここです
金川:争った形跡は...
遠藤:地震の影響でわからないね...
金川:遺体には争った形跡は無いね
遠藤:死因は頸動脈からの失血死かな...
金川:事件性は?
遠藤:分からないから念のため所轄呼んでおこうか...
金川:分かった。要請する

金川無線:機捜346から警視庁。指令145に関して...

遠藤:お話をお伺いしてもよろしいですか?
男性1:はい
遠藤:まず、何でここに来たんですか?
男性1:私はこの辺の町内会の会長でして…この辺は自殺が多いので定期的に見回りをしているんです
遠藤:見回りできたらこの状態だったと...
男性1:そうです
遠藤:ちなみに何時頃ここに来ました?
男性1:確か8時55分くらいです
遠藤:そうですか。ありがとうございます
金川:所轄の刑事課は要請したよ
遠藤:わかった

現在~廃病院変死体発見現場~

遠藤:そんな感じで、所轄が現着して...
真夏:自殺で処理されたと...
遠藤:そうです
生田:そういえば、なんで納得いかないの?
遠藤:遺体の発見時刻です
生田:発見時刻...
真夏:平日の午前9時は確かにおかしいね...
遠藤:それと、殺害方法です
賀喜:殺害方法?
遠藤:普通、こんなところにまで来て頸動脈なんか斬る?
賀喜:確かに
絢音:遺体はここに倒れてたんだよね?
遠藤:そうです
絢音:遺体はこっち向いてた?
遠藤:はい。こっちを向いてました
賀喜:どうですか?何かありますか?
絢音:無いね...
久保:無いですか...
堀:なんでここで自殺したんですかね...
生田:それだよね...
絢音:琴子ちゃんどう?
琴子:鑑識資料で見つけたもの以外は見つからないね...
絢音:そう...そういえば、ここってよく遺体が見つかるの?
高野:はい。1か月に1回ぐらいは見つかりますね...
絢音:そうなんですね...他にも自殺スポットってある?
高野:はい。あと十か所ほどあります
絢音:そうですか
賀喜:他の部屋も見てみますか
久保:そうだね

~数分後~

生田:どうだった?
賀喜:何も見つかりませんでした
生田:そう...
真夏:じゃあ、私たちは第一発見者の所に行ってみるけど、絢音達といくちゃん達と琴子はどうする?
生田:私たちは真夏に付いてくけど...
琴子:私は一度、青梅PSに戻ります
真夏:了解。絢音達は?
絢音:私たちは他の自殺スポットに行ってみたいんですけど...
真夏:わかった。行っておいで?
絢音:ありがとうございます
遠藤:じゃあ、私は秋元さん達に付いていきます
高野:じゃあ、僕は鈴木巡査長に付いていきます
真夏:お願い

~数十分後~

~自殺スポット1~

高野:ここが一か所目の自殺ポイントですね
絢音:ここはなんの自殺が多いんですか?
高野:確か飛び降りだったと思います
賀喜:ここって防犯カメラがあるんですね
高野:はい。自殺スポットには町内会が防犯カメラを設置するようにしてます
賀喜:そうなんですね
絢音:ちなみに自殺スポットの中に頸動脈を斬るのが多い場所ってありますか?
高野:いや、無いと思います
絢音:そうですか...あと、防犯カメラが付いてない自殺スポットって何個ありますか?
高野:確か…今回の事件の廃病院だけだったと思います
絢音:それを知ってるのって誰ですか?
高野:ここを管轄してる警察官と町内会の人達ですかね
絢音:そうですか...

同時刻~第一発見者自宅前~

遠藤:ここが第一発見者の自宅です
生田:じゃあ行こうか
久保:はい

ピンポーン

男性1:は~い
真夏:すみません。警視庁捜査一課の秋元です
生田:生田です
堀:堀です
久保:久保です
遠藤:警視庁第三機動捜査隊の遠藤です
男性1:えっと…どういったご用件で?
真夏:先日の変死体を発見した時についてお話をお聞かせいただきたいのですが
男性1:そういわれても…この前、話したことしか話せませんよ?とりあえず、どうぞ
真夏:ありがとうございます

~第一発見者自宅~

男性1:お茶どうぞ
遠藤:ありがとうございます
男性1:それで、事件のことですよね?
真夏:はい
男性1:そういわれても、この前、話したことしか話せませんが…
生田:それでも、改めて遺体を発見した時のことを教えてほしいんです
男性1:わかりました。いいですよ
久保:では、遺体を発見した時のことなんですけど、どうしてあそこに行ったんですか?
男性1:前も話しましたが私はこの辺の町内会の会長をやっていまして定期的に自殺スポットの見回りをして、その見回りの時に死体を見つけたんです
久保:では、遺体を見つけてからどうしましたか?
男性1:110番をしました
堀:119番はしなかったんですか?
男性1:死んでいるのは明らかでしたから
堀:そうですか...
男性1:ところで、どうですか?
真夏:え?
男性1:あの女に飲ませたのと同じ薬をあなた方のお茶に飲ませましたがどうですか?
遠藤:あれ?体が...
久保:あれ?私も...

バタッ(倒れる遠藤久保)

真夏:久保ちゃん!?
生田:さくらちゃん!?
堀:だいじょう..ぶ...

バタッ(倒れる秋元生田堀)

男性1:ダメでしょ?刑事さんが犯人かもしれないやつに出されたお茶を飲んじゃ~
真夏:あ...なた..が..あ...の...じ..ょ..せい...を...こ..ろ...し...た...の...?
男性1:そうだよ?
堀:ど...う..して...?
男性1:人を殺したかったから?ネットを見ててネットで誘ったらあの女、すぐ来やがったんだよ!自業自得だよwww
久保:わ...たし...た...ち...を..ど...う...す...る...き...?
男性1:もちろん死んでもらうよ?じゃあ、麻酔を打たせてもらうよ?
遠藤:まっ...て…
男性1:なんだよ?
生田:こ..れ...を...み...て…
男性1:なんだって言ってんだけど?

絢音との通話画面を見せる生田

男性1:嘘だろ...お前ら!いつの間に!?薬の効果は確かにあるのに...
??:薬を最初から飲んでなかったらどうですか?
男性1:誰だ!?お前!?
??:警視庁捜査一課46係の鈴木です
賀喜:同じく賀喜です
高野:あなたが犯人だったんですね...
男性1:高野!?
生田:いや~。薬を飲んだ演技、大変だった~
男性1:どういうことだ!?
真夏:あなたも言ってたでしょ?
堀:刑事が被疑者かもしれないやつに出されたお茶を飲むわけないじゃないですか?
男性1:でも、飲んでたじゃないか!?
久保:飲んだフリですよ?
男性1:騙したのか!?
遠藤:騙したのはあなたですよね?
男性1:ッ!
絢音:では、あなたを殺人容疑で逮捕します
賀喜:午前11時56分です
カチャ(手錠を掛ける絢音)
男性1:クソっ!
高野:応援は間もなく現着します
生田:わかった
男性1:何時から気づいてた?
真夏:私たちは、この家に入った時にアノニマスのマスクを見かけた時です
男性1:アノニマス?
真夏:最近、アノニマスのマスクが関わっている事件が多いですからね
絢音:私たちは、今回の事件の現場にだけ防犯カメラが無いことを知った時です
男性1:防犯カメラ?
絢音:防犯カメラの設置は町内会がやってる。つまり防犯カメラを設置するには町内会長のあなたの許可が必要です。そして数ある自殺スポットの中で今回の事件の廃病院が唯一防犯カメラが無い場所。それが偶然とは思えませんから
男性1:自分を守るために付けなかった防犯カメラが理由でバレるとはな...

~数時間後~

~警視庁青梅警察署駐車場~

生田:じゃあ、戻ろうか
真夏:そうだね
遠藤:皆さん!ありがとうございました!
絢音:さくらちゃんが最後まであきらめなかったおかげで解決できたんだよ?
遠藤:絢音さん!本当にありがとうございました!
賀喜:あ、今度さくの実家の蕎麦屋行っていい?
遠藤:もちろん!

絢音:高野巡査もありがとうございました
高野:いえ。お役に立てて良かったです
絢音:すごく助かりました
高野:よかったです。あ、寺田巡査長にもよろしくお伝えください
絢音:わかった。しっかり言っておくね
高野:ありがとうございます。鈴木巡査長。また一緒に捜査できる日を楽しみにしてます
絢音:私もまた、高野巡査と一緒に捜査するのを楽しみにしてますよ
高野:では、僕はこれで失礼します
絢音:お仕事頑張ってください
高野:鈴木巡査長も頑張ってください!

久保:絢音さん!早く戻らないと帰りの時間が遅くなりますよ!
堀:絢音!早く!
絢音:今行きます!


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