見出し画像

ボーダーライン episode11「指導巡査の死」

~ノギー・医療センター待合室~

蘭世:・・・
新内:蘭世
蘭世:警部...
新内:大丈夫?
蘭世:大丈夫じゃないです...
新内:そう...絢音。蘭世のことお願い
絢音:はい...

○○:深川先生...
深川:お疲れ様です...
○○:ジェイはどんな状況だったんですか?
深川:アンダーソン巡査はここに搬送されてきた時点で心肺停止で出血量も多くてそのまま...
橋本:そう...
真夏:ねぇ
橋本:どうしたの?
真夏:ジェイのボディカメラを見てもらいたいんだけど...
○○:ジェイのボディカメラ?
真夏:うん。実は搬送の途中に一度だけ意識が戻ったの...
橋本:意識が戻った?
真夏:うん...その時にジェイがボディカメラを外して最後に蘭世ちゃんに動画を撮ってたの...多分、自分が死ぬことに気づいてたんだと思う...
橋本:・・・
新内:じゃあ見ようか...
橋本:蘭世には見せる?
○○:一応、確認してから見せるか考える
橋本:そうね...
新内:ジェイのボディカメラはスマホで見れる?
○○:はい。準備できてます
新内:じゃあ見よう

「ジェイ:蘭世...まず、助けてくれてありがとう...それと、蘭世がルーキーを卒業するまで見届けられなくてごめんな...ただ、俺は蘭世は優秀な警官になると確信してる。蘭世なら大丈夫だ。自分を信じろ...頑張れよ...蘭世が最後のルーキーでよかっ..た...
怜奈:心停止です!
真夏:圧迫して!
怜奈:はい!」

新内:もういい...
○○:はい...
橋本:どうする?
○○:蘭世がこの動画を見て耐えられるかですよね...
橋本:うん...
新内:蘭世と組んだことがあるのは○○だけだから○○の判断に任せるけど...
○○:・・・
橋本:無理に見せなくても...
○○:いや。見せます
新内:その判断で後悔しない?
○○:分かりません...
新内:・・・
○○:でも...ジェイが信じた蘭世を信じたいんです
新内:分かった。見せよう
○○:はい

○○:蘭世
蘭世:はい...
○○:ジェイが亡くなる前に蘭世に動画を撮って残していたんだが見るか?
純奈:・・・
○○:無理に見なくてもいいがどうする?
蘭世:見ます...
○○:わかった

「ジェイ:蘭世...まず、助けてくれてありがとう...それと、蘭世がルーキーを卒業するまで見届けられなくてごめんな...ただ、俺は蘭世は優秀な警官になると確信してる。蘭世なら大丈夫だ。自分を信じろ...頑張れよ...蘭世が最後のルーキーでよかっ..た...
怜奈:心停止です!
真夏:圧迫して!
怜奈:はい!」

蘭世:😢
絢音:・・・
蘭世:○○さん...😢
○○:どうした?
蘭世:私...ジェイさんの気持ちを裏切らないように頑張ります!😢
○○:ああ。俺も期待してる。だから今日は好きなだけ泣け。そして明日からも頑張れよ
蘭世:はい!😢

橋本:蘭世はもう大丈夫そうね...
○○:ああ。蘭世はな...
新内:絢音は大丈夫そう?
○○:絢音は大丈夫だと思います。この前乗り越えたので。乗り越え方を知ってる
新内:そう...
○○:問題は...
橋本:あんたね...
○○:ああ...
新内:明日は休む?
○○:いえ。通常通り出勤します
新内:そう...無理しないでね?
○○:はい...あ、ひめたん
中元:あ、○○。どうしたの?
○○:今日ってカウンセリングの予約入れていい?
中元:いいよ。優先で入れる。時間は?
○○:シフトの後で
中元:分かった。待ってるね
○○:ああ...
橋本:あんたがひめたんって呼ぶの違和感しかないわ...
○○:だろうな...

~シフト後~

~ノギー・医療センターカウンセリングルーム~

中元:大丈夫?
○○:大丈夫じゃないな...
中元:何があったのか聞いてもいい?
○○:今日は奈々未とパトロールしてたんだけど、無線で囚人護送車が事故を起こしたって...それで向かった...
中元:・・・
○○:そして護送車の中を確認したら囚人6人が逃走して、そのうち5人が銃を持ってた...そして近くのセントラル・ノギー大学から銃声が聞こえて奈々未と警部とジェイと絢音と蘭世の6人で向かった...
中元:・・・
○○:そして大学の警備員に聞いたら囚人は2人ずつ各階に逃走しててジェイと蘭世が1階...警部と絢音が2階...俺と奈々未が3階を探した...
中元:・・・
○○:俺達と警部達は無事確保したけど...ジェイが囚人に撃たれて...銃声を聞いてすぐに1階に向かったけど...その時にはジェイの意識は無かった...
中元:・・・
○○:その後、救急車を呼んで、俺達は救急車までジェイを運んだ...そして囚人を逮捕したが...ジェイは亡くなった...
中元:・・・
○○:俺はどうすればいい?警官を続けるべきか?
中元:それは私には分からない...
○○:そうだよな...
中元:でも、○○は分かってるんじゃない?
○○:え?
中元:自分がどうしたいか...
○○:・・・
中元:警察官を辞めようとしてる人間がカウンセリングにバッジと銃を両方持ってくる?
○○:確かにな...
中元:それに○○は絢音ちゃんがルーキーを卒業するまでは辞めたくないんでしょ?
○○:さすがひめたんだな...
中元:ありがとう
○○:ひめたんと話して少し楽になったわ...
中元:それならよかった...

~翌日~

~ノギー分署会議室~

橋本:皆、おはよう。今から黒帯を渡すからバッジに付けて勤務して。それと今日、蘭世は受付で勤務して
蘭世:分かりました

~ヒナター・アベニュー~

絢音:○○さん...大丈夫ですか?
○○:ああ。大丈夫だ。絢音は?
絢音:大丈夫です...
○○:そうか...
絢音:・・・

~セントラル・ノギー大学前~

ウーーーーーーーーー

真夏無線:46分署救急隊から本部。現場へ到着

真夏:まさか、二日続けて来るとは...
レイチェル:通報ってどこだっけ?
怜奈:確か大学の前だったと思います
レイチェル:でも、誰も居なくない?
怜奈:確かに...
レイチェル:すみません!救急車呼びました?
女性1:呼んでないです
レイチェル:そうですか...
怜奈:救急車呼ばれました?
男性1:呼んでないですけど...
怜奈:そうですか...
真夏:なんかおかしいね...
バンッ(銃声)
きゃああああああ!
真夏:何!?
レイチェル:銃声!?
怜奈:隠れてください!
真夏:レイチェルも急いで!
(救急車に隠れる怜奈真夏レイチェル)

真夏無線:46分署救急隊から本部!銃撃されてます!警察の応援を急いでください!
キャリー無線:すみません。もう一度お願いします
真夏無線:警察の応援を!銃撃されてます!
キャリー無線:了解

レイチェル:救急車の中に入ったほうが良いんじゃないですか?
怜奈:後ろですか?
レイチェル:うん...
真夏:でもドアが逆側だから撃たれるかも...

~ヒナター・アベニュー~

純奈無線:ディスパッチより全ユニット。セントラル・ノギー大学で救急隊が銃撃を受けている
○○無線:2-A-35。コード3

絢音:またセントラル・ノギー大学...
○○:行くぞ
絢音:はい

ウーーーーーウーーーーーウーーーーー

~セントラル・ノギー大学前~

○○無線:2-A-35。コード6

カチャ(銃を構える○○絢音)

○○:どこだ?
絢音:分かりません...
○○:とりあえず、救急車に近づこう...
絢音:はい
(救急車に近づく○○絢音)
○○:おい!大丈夫か?
真夏:何とか...
絢音:負傷者は?
レイチェル:居ないみたい...
絢音:そうですか...
○○:どこから撃たれた?
真夏:分からない...
○○:そうか...
バンッ(銃声)
○○:銃撃だ!見つけたか?
絢音:見つかりません!
○○:分かった。お前は前側から確認しろ!
絢音:了解です!

○○無線:2-A-35より指令室!救急隊と合流!銃撃を受けている!応援を急いでくれ!
純奈無線:了解。付近のユニットが急行中です

バンッ(銃声)
絢音:きゃあ!
○○:大丈夫か!
絢音:大丈夫です!相手の銃はライフルです!
○○:どうしてわかった?
絢音:弾が当たった場所が私のギリギリの場所です!多分、スナイパー用のライフルで狙ってます!
○○:分かった。気を付けろ!
絢音:はい!
○○:お前らも隠れとけ
真夏:分かった

ウーーーーーーー

橋本無線:2-L-20。コード6

橋本:無事?
○○:奈々未!伏せろ!
バンッ(銃声)
橋本:!?
(○○の方に走る橋本)

橋本無線:銃撃された!応援を!
純奈無線:了解。現在向かってます!

○○:無事か!?
橋本:なんとか...
○○:そうか...

~ノギー分署受付~

純奈無線:ディスパッチより全ユニット。セントラル・ノギー大学で444が進行中。付近のユニットは応援に向かえ

女性2:すみません
蘭世:どうしました?
新内:蘭世!
蘭世:警部。どうしました?
新内:巡査。この方お願い
巡査1:了解です
新内:蘭世。今、セントラル・ノギー大学で○○と奈々未と絢音が銃撃を受けてる。現場に出れる?
蘭世:出れます!
新内:じゃあ、行くよ!
蘭世:はい!

~セントラル・ノギー大学前~

橋本:どうする?
○○:どうしますかね~
絢音:そんなに平和な空気じゃないんですけど...
○○:分かってるけど...
橋本:SWAT来るの待つ?
○○:SWATの到着時刻によるな...
橋本:確かに...

橋本無線:2-L-20より指令室。SWATの現着時間は?
純奈無線:10分後です
橋本無線:了解

絢音:どうしますk...
○○橋本:遅いから却下
絢音:あ、はい...
真夏:返事早...😅
○○:っていうか、うちの分署の巡査ってバカしかいないんですか?
レイチェル:そして急な暴言...😅
橋本:否定はしないけど...急にどうしたの?
怜奈:否定しないんだ...😅
○○:だって銃撃犯を包囲するべきなのに、銃撃された側を包囲してどうするんですか...
橋本:確かに...
絢音:それで、どうしますか?
○○:バカじゃない人達を使う
絢音:え?

○○無線:2-A-35より2-L-23。チャンネル4で話せるか?
蘭世無線:了解です

蘭世無線:2-A-23です。どうしました?
○○無線:今どこだ?
蘭世無線:今、警部とセントラル・ノギー大学に向かっていて、もうすぐノギー・アベニューで、あと2分でコード6です。○○さん達は大丈夫ですか?
○○無線:大丈夫だが、身動きが取れない。蘭世と警部に頼みがあるんだが...
蘭世無線:なんですか?
○○無線:セントラル・ノギー大学の俺達が居るところには来ないでセントラル・ノギー大学の校内の被疑者を探してほしい
蘭世無線:分かりました
○○無線:場所はセントラル・ノギー大学の北側のどこかだ
蘭世無線:了解です

真夏:これで大丈夫だね...
橋本:どうするの?
真夏:え?何が?
橋本:○○のことだから何かするでしょ?
○○:もちろん
レイチェル:えぇ...
○○:このままだと北側の校内ってことしか分からないから探すのに時間が掛かる...
橋本:ならどうする?
○○:被疑者の位置を確認する
真夏:どうやってやる気?相手は私達を殺す気だよ?
○○:絢音
絢音:はい
○○:俺が囮になるから銃撃犯の位置を確認してくれ
絢音:了解です
橋本:見つかればいいけど...
絢音:ん?
○○:どうした?
絢音:北側の屋上から光が見えて...
○○橋本:・・・
絢音:あれって...
○○:銃撃犯だな...
橋本:無駄に危ないことする前でよかったね
○○:そうすっね

○○無線:蘭世。銃撃犯は北側の屋上だ
蘭世無線:了解です。それとコード6です
○○無線:了解。気を付けろよ?
蘭世無線:はい

~セントラル・ノギー大学屋上~

カチャ(銃を構える新内蘭世)
新内:行くよ
蘭世:はい

新内:警察だ!
蘭世:手を挙げて腹ばいになれ!
犯人:クソっ!
新内:あなたを逮捕します

蘭世無線:2-A-23。コード4。被疑者を拘束
純奈無線:ディスパッチ、了解

~セントラル・ノギー大学前~

○○:もう大丈夫だな
真夏:助かった...
橋本:無事で何より
レイチェル:ありがとう
○○:こちらこそ。いつもありがとうな
怜奈:絢音。ありがとう
絢音:私は何もしてないよ

~ノギー分署警部オフィス~

トントン
○○:お呼びですか?
橋本:お呼びです
○○:なんでしょうか?
新内:蘭世の件だけど。どう思う?
○○:どうと言いますと?
新内:パトロールに戻してもいいと思う?
○○:僕は最初からパトロールのままでよかったと思ってますが...
新内:そう...
橋本:どうしますか?
新内:・・・
○○:蘭世がジェイの死を乗り越えたのは、警部が一番目の前で見たのでは?
新内:・・・
○○:目の前で指導巡査が亡くなった警官は大抵が現場に行っても怖くて固まります。今日の現場で蘭世は固まりましたか?
新内:・・・
○○:それが答えです
新内:分かった。明日のシフトから蘭世をパトロールに戻す
橋本:分かりました
○○:指導巡査は?
新内:新しい指導巡査が来る
○○:新しい指導巡査?
新内:そう。これが資料ね
○○:あ...
橋本:どうしたの?
○○:新しい指導巡査...
橋本:あらら...頑張れー
○○:マジか...
新内:とにかく仲良くねw
○○:はい...
新内:以上よ
○○:失礼します
(オフィスを出ていく○○)
新内:新しい指導巡査と○○。どうなると思う?
橋本:関係が悪くなるとは思わないですけど...どうなりますかねw

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?