見出し画像

110 Emergency Call ~警視庁通信指令室~ 第一話

AM8:30~警視庁通信指令室~

ピロピロピロ

北野電話:はい。110番警視庁です。事件ですか?事故ですか?
通報者1電話:あの~事故なんですけど...
北野電話:わかりました。場所はどこですか?
通報者1電話:場所は...

菊池電話:110番警視庁です。事件ですか?事故ですか?

PM1無線:警視庁から各局。第七方面。深川管内。深川4丁目の交差点にて交通事故の110番入電中…
PM2無線:警視庁了解。機捜315にあっては...

高山:あの~…
佐藤:あ、高山警部ですか?
高山:はい。本日付で警視庁通信指令室に異動になった高山一実警部です
佐藤:俺は室長の佐藤優真警視だ。よろしく
高山:よろしくお願いします
佐藤:みんな!聞いてくれ!本日付で指令室に異動になった
高山:高山一実警部です。よろしくお願いします
全員:よろしくお願いします
佐藤:それで、指導員なんだが、北野に頼む!
北野:私ですか!?
佐藤:ああ、ここに北野は他に居ないだろ?
北野:私、巡査部長ですよ?
佐藤:それがどうした?
北野:わかりました…
佐藤:先に指令台のほうを先に教えてやってくれ
北野:は~い

~指令台~

北野:北野日奈子巡査部長です。よろしくお願いします
高山:高山一実警部です。よろしくお願いします
北野:じゃあ、説明をしますね~
高山:お願いします
北野:まず、受理台のタッチパネルに書いたことがリアルタイムで出てくるので、それを指令する感じなんですけど
高山:なるほど
北野:あ、指令きた...じゃあ、お手本で私が指令出しますね
高山:お願いします

北野無線:警視庁から各局。第一方面。丸の内管内。東京駅前PB前にて、ひったくりをされたと110番入電中。近い局は向かわれたい。110番整理番号191。担当北野
PM3無線:丸の内1、PSから現場へ
北野無線:警視庁了解

北野:こんな感じです
高山:なるほど...
北野:質問はありますか?
高山:いえ。わかりやすい説明でした
北野:よかったです。では、さっそくやってみましょう
高山:わかりました...意外と緊張しますね...
北野:慣れるまでは緊張するんですよね~。あ、来ましたね。じゃあ、やってみましょう
高山:はい

高山無線:警視庁から各局。第四方面。乃木坂管内。乃木坂3丁目、乃木坂3丁目公園内にて、男性よりナイフで刺されたと110番通報入電中。近い局は向かわれたい。110番整理番号102。担当高山
○○無線:機捜246、乃木坂1丁目から現場へ
井上無線:機捜247、乃木坂9丁目より同件

北野:一応、補足も付けておきましょう
高山:わかりました

高山無線:警視庁了解。また被疑者にあっては現場より逃走したとのこと。現着し次第、付近のマル索を徹底実施せよ。以上警視庁
○○無線:機捜246、了解
井上無線:機捜247、同件

北野:良い感じですね
高山:ありがとうございます。あ、駅前PBが先着しましたね...これが246ですかね?
北野:そうですね。これが機捜246で、こっちが247ですね
高山:へぇ~。あ、そろそろ246が着きますね
北野:そうですね

○○無線:機捜246。整理番号102。現着。これより着手。どうぞ
高山無線:警視庁了解。また現場には乃木坂駅前PBが先着済み。どうぞ
○○無線:機捜246、了解

高山:247はもう少しかかりそうですね...
北野:そうですね。今日は事案が少なめですね...
高山:え?
北野:今日は、さっきのひったくりと、殺人未遂事案の2件だから、いいですけど多い時は6件くらい同時に来ますからね...
高山:そうですよね...

井上無線:機捜247。整理番号102。現着。これより着手。どうぞ
高山無線:警視庁了解

高山:247来ましたね
北野:来ましたね

○○無線:機捜246から警視庁

高山:あ、無線...

高山無線:機捜246どうぞ
○○無線:了解。整理番号102に関して、マル害は意識あり、現在救急隊待ち。マル被に関しての情報は目撃者がいないため無し。事件性あり。現場鑑識を要請する。どうぞ
高山無線:警視庁了解

北野:じゃあ、鑑識を要請しますか
高山:そうですね

高山無線:警視庁から乃木坂
乃木坂無線:乃木坂です。警視庁どうぞ
高山無線:現在発生してる整理番号102に関して現場のPMより現場鑑識の要請あり。向かわせること可能でしょうか?どうぞ
乃木坂無線:乃木坂了解。向かわせます
高山無線:警視庁了解

北野:もう大丈夫そうですね
高山:そうですね
北野:じゃあ、受理台の方も教えますね
高山:お願いします

~受理台~

北野:じゃあ、お手本を見せますね
高山:お願いします

ピロピロピロ

北野電話:110番警視庁です。事件ですか?事故ですか?
通報者2電話:あ、すみません
北野電話:どうされました?
通報者2電話:あおり運転を受けてるんですけど...
北野電話:あおり運転を受けてるんですね?場所はどこですか?
通報者2電話:あ、いま上野駅前を通ったんですけど...
北野電話:上野駅前ということは上野線ですか?
通報者2電話:そうです
北野電話:わかりました。どちら側に向かって走ってますか?
通報者2電話:このまま行くと中央警察署が見えてくると思います
北野電話:中央警察署方向ですね。通報者の方は何色のなんの車に乗られていますか?
通報者2電話:白のトヨタアクアです
北野電話:トヨタのアクアですね。ナンバーを教えてください
通報者2電話:乃木坂501す、14ー25です
北野電話:乃木坂501の、す14ー25ですね?あおり運転をしている車の色と車種。ナンバーを教えてください
通報者2電話:え~と、色は黒で車種が、トヨタのアルファードかな?ナンバーは乃木坂301、か28ー14です
北野電話:色が黒で車種はトヨタのアルファードでナンバーが乃木坂301、か28ー14ですね?今警察官が向かっていますので
通報者2電話:あ、パトカーが来ました
北野電話:わかりました。では、あとはパトカーに乗っている警察官と話してください
通報者2電話:わかりました。ありがとうございます
北野電話:いえいえ。それでは失礼します

プープープー

高山:お疲れ様です
北野:ありがとうございます。基本はこんな感じです
高山:なるほど
北野:じゃあ、次は高山警部が受けてみてください
高山:わかりました

ピロピロピロ

高山電話:110番警視庁です。事件ですか?事故ですか?
通報者3電話:助けてください!
高山電話:どうされました?
通報者3電話:男の人がずっとついてくるんです
高山電話:男の人がついてくるんですね?場所はどこですか?
通報者3電話:三之橋の近くです
高山電話:世田谷区の三之橋ですね?わかりました。男の人は近くに居ますか?
通報者3電話:少し離れたところからずっとついてくるんです
高山電話:わかりました。環七通りに出ることはできますか?
通報者3電話:大丈夫だと思います
高山電話:では、環七通りに出てもらうと交番がありますのでそこへ行ってください
通報者3電話:わ、わかりました...
高山電話:電話は掛けたままにしてください

高山:宮前橋PBって今PMいますかね?
北野:ちょっと確認してきます

北野無線:警視庁から北沢
北沢無線:北沢です。警視庁どうぞ
北野無線:警視庁了解。現在、宮前橋PBにPMはおりますでしょうか?どうぞ
北沢無線:北沢了解。確認します

北野:今確認中です
高山:わかりました

通報者3電話:もうすぐ環七通りに出ます
高山電話:わかりました。

北沢無線:北沢から警視庁
北野無線:北沢どうぞ
北沢無線:北沢了解。宮前橋PBの件ですが、宮前橋PB所属のPMは全員PBにおります。どうぞ
北野無線:警視庁了解

北野:PM居るみたいです
高山:わかりました

通報者3電話:交番が見えてきました...
高山電話:わかりました。では交番の警察官に事情を話してください
通報者3電話:わかりました...
PM4電話:どうされました?
通報者3電話:あの、男の人につけられていて...
PM4電話:わかりました。交番の中でお話を聞きますね
通報者3電話:わかりました...あの、ありがとうございました
高山電話:いえいえ、ではあとは交番の警察官に話してください。では、失礼します

プープープー

北野:お疲れさまでした
高山:ありがとうございます
北野:初めてなのに冷静で凄かったです。もう私の指導は必要なさそうですねw
高山:そんなことないですよ~
佐藤:さすがは元捜一だな
北野:え?高山警部って捜一だったんですか!?
高山:そうですよ~。あ、あと、高山警部は堅苦しいので好きなように呼んでください
北野:じゃあ、一実さんで...ところで、なんで捜一から異動したんですか?
高山:それは、長くなりそうだから休憩室行こうか~
北野:あ、わかりました。じゃあ、車いす押しますね~
高山:あ、ごめんね~
北野:いえいえ~

~休憩室~

高山:まず、私が捜一から異動したのは、足がこうなっちゃったからかなぁ…
北野:・・・
高山:この前の地震あったでしょ?その時に震源地の方に行ったら、足が瓦礫の下敷きになっちゃって...
北野:そうだったんですか...
高山:その時、救助敷材が無くて消防も救助ができない状態だったの。医者も手を離せなかったみたいでね…
北野:え...
高山:でも、建物がいつ崩れてもおかしくない状態だったからすぐにでも避難しなきゃいけなかった…
北野:・・・
高山:その時、私含めてみんなが諦めかけてた...
北野:そんな...
高山:でも、諦めてなかった人が何人かいてね...その人は私と一緒に現場に行った刑事なんだけど、その刑事が私の足を切断するって言いだしてね~
北野:え!?刑事がですか?
高山:そう...医師免許がない人間が足を切断するなんて異常だった...だから上層部は反対をした。でも、その刑事と同じ職場の他の刑事たちは一人も諦めてなかった。全員で上層部にお願いをして、ついに上層部が折れたの
北野:え?上層部が折れたんですか!?
高山:そう。上層部が折れたの。その後、その刑事は医師の指示を聞きながら私の足を切断した...それで、その刑事が指令室を進めてくれてね。それで異動してきたの
北野:そうだったんですね...一実さんはその刑事を恨んでるんですか?
高山:私は恨んでないなぁ~。それどころか感謝もしてるし、その刑事を尊敬もしてる。いま生きられてるのはその刑事のおかげだからね~
北野:一実さんはいい人ですね...
高山:そうかな?
北野:はい。一実さんはいい人です...
高山:ありがとう。これから、迷惑をかけることもあるかもしれないけど改めてよろしくね!
北野:はい!よろしくお願いします!
高山:じゃあ仕事に戻ろうか~
北野:はい!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?