娘がサイトメガロウイルス感染症?!

39w2d,2420gで生まれた娘。正産期での出産だったのでNICUに入ることもなく出産直後から良く飲み、よく寝て、よくうんちやおしっこもしてくれますが、病院では会う人会う人に「Very Tiny!」と言われてました。調べてみると、アメリカでは出産時の女の子の身長・体重の平均は49.1cm、3.2kg。確かにそれと比べるとだいぶ小さめです。

(出典:https://www.cdc.gov/growthcharts/data/who/GrChrt_Girls_24HdCirc-L4W_9210.pdf)

私は身長153cm、主人は身長170cmなので「まあそんなもんかなあ」と思って特に心配していなかったのですが、生後1日目に「これだけ小さいのは先天性サイトメガロウイルス感染症の可能性があるけど、検査する?」と小児科ドクターから話がありました。サイトメガロウイルス(ドクターからは「CMV」と略称で伝えられました)なんてこれまで聞いたこともなかったので少し調べてみました。

先天性サイトメガロウイルス感染症とは

 先天性サイトメガロウイルス感染症とは、子宮内の赤ちゃんにサイトメガロウイルスが感染し様々な症状が出てきてしまう感染症です。

<主な症状>

低出生体重、小頭症、紫斑(皮下出血:出血を止める働きのある血小板が減少して、皮下に出血が起こる)、肝炎(肝臓の細胞が壊れる肝炎の状態になる)、難聴、発達障害、てんかん(けいれん発作を起こすこともある)、視力障害(網膜の炎症や眼球形成自体に異常が起こり、視力に影響が出る)等

 サイトメガロウイルスは、ありふれたウイルスで日本では約70%の妊婦に抗体がある(過去に感染し免疫獲得済)と言われています。妊婦がCMVに感染した場合、抗体の有無に関わらず母子感染する可能性はありますが、その可能性は抗体の無い妊婦の方が高くなります。

そして厄介なのは、仮に赤ちゃんがCMVに感染していたとしても出生時は無症状である場合があるということです。そのため、出生時にCMV感染の検査を受けずに成長し、何らかの症状が出てからCMV感染が分かる場合もあるようです。

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図 サイトメガロウイルスの母子感染と出生児障害のリスク
(出典:先天性サイトメガロウイルス感染症対策のための妊婦教育の効果の検討、妊婦・新生児スクリーニング体制の構成及び申請時の発症リスク同定に関する研究https://www.med.kobe-u.ac.jp/cmv/mother-to-be.html) 

 生まれた赤ちゃんの治療法に関しては、まだ確立したものはありませんが、抗ウイルス薬を主とした治療が試みられています。

ドクターに確認・相談したこと

CMVは出産時は無症状の場合もあるので検査はしようと思いました。むしろ提案してもらって有難かったかも。通常サイズで生まれてCMV感染の可能性もゼロではないわけなので・・・

ドクターには、①検査方法(娘に負担やリスクのある検査方法であれば要検討かなと思っていました)と、②検査のスケジュール(仮に検査によって退院が伸びるようであれば退院日の動き方(子供たちをどうするかとか)も変わってくるので)を確認しました。

・検査方法は唾液採取or採尿の2パターンある。採尿は一定量採取する必要があるので新生児は唾液採取の方が容易。ただ、今はコロナの影響で唾液採取に使用する綿棒が不足しているので、入院中に実施するなら採尿することになると思う。

・退院までに検査は終えられるが結果は後日になる。退院を伸ばしてまで検査するような緊急性は今のところない。退院してから小児科でも受診できるが、検査ができる病院とできない病院がある。

結局、採尿検査を退院日当日に実施することになり、お股に袋を貼り付けて退院時刻まで一発勝負で臨みました。娘はきちんとおしっこしてくれて、採取したおしっこを検査に回してもらうことができました!

検査結果は、約1週間後にかかりつけの小児科経由で知らされ、結果は陰性。ほっと一安心です。

最後に

CMVは、特に子供の唾液や尿から感染することが多いようで、お子さんがいらっしゃる妊婦さんには少なからず感染の可能性があります。しかしながら日本ではあまり認知度が高くないようで、CMV抗体検査も多くの産院では行っていないようです。実際私も過去に抗体検査をしているか確認できませんでした。

ちなみに予防方法としては、以下があるようです。

①以下の行為の後には、頻回に石けんと水で15〜20秒間は手洗いをしましょう。
 ・おむつ交換
 ・子どもへの食事
 ・子どものハナやヨダレを拭く
 ・子どものおもちゃを触る

②子どもと食べ物、飲み物、食器を共有しない。
③おしゃぶりを口にしない。
④歯ブラシを共有しない。
⑤子どもとキスをするときは、唾液接触を避ける。
⑥玩具、カウンターや唾液・尿と触れそうな場所を清潔に保つ。

今はコロナの感染予防もありますし、常時よりは気にされている妊婦さんが多いと思いますが、完璧に予防するのはなかなか難しそうですね・・・

CMVについて国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)のとても分かりやすいパンフレットがあったので、最後にはりつけておきます。ご興味ある方はご覧になってみてください。


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