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これまで生きてきて大きな病気も怪我もしたことがなかった。

 これまで生きてきて大きな病気も怪我もしたことがなかった。インフルエンザにかかったこともないし骨折だってしたことがない。だから頭のどこかで「私はこのままなんとなく年をとって、おばあちゃんになって、老衰で死んでいくんだろうな。」と思っていた。

 先月健康診断を受けた際に触診で「これはちょっと病院で診てもらったほうがいいかもね。」と言われた。面倒くさくて3週間ほど放置してたけど「さすがにそろそろ行ったほうがいいか。」と重い腰をあげて近所の病院を受診するとまたもや触診で「…エコー検査と血液検査やりましょうか。」と言われたのでそのまま流れで寝っ転がってエコー検査を受けた。生ぬるいジェルの上を滑る機械が気持ち悪い。医者はずっと「うーん…。」と唸っていた。健康診断で採血されたばかりなのにまた採血された。注射が嫌いなことを先に告げていればよかっただろうか。「一旦待合室に戻っててくださいねー。」と言われたので待合室のソファに座ってXを眺めていた。テレビでは昨日の早朝にあった地震の話をしていた。

 名前を呼ばれて診察室へ入ると先ほどの医者がなんだか神妙な面持ち風で小さな声でぽつりぽつりと話だした。今私の体に何が起きていてこれからどうしていくのか。血液検査の結果を見てみないとわからないとは言われたものの医者の話し方は黒に近いグレーだった。

 うちへ戻って母親にラインで報告して部屋着に着替えてベッドに寝っ転がった。この日は早起きをしたからとにかく眠たかったのだ。今日から何かを変えたくて、何かが変わる気がしていたのにまさかこんなことになるとは。

 目を覚ましてリビングに出るとソファの上に散らばった健康診断の結果とさっきの病院のレシートと医者の手書きのメモが目に入った。なんだかまだぼーっとしていた。とりあえずバイトに行こうと思い準備していると無性に悲しいやら不安やらの気持ちでいっぱいになって、ぽろぽろと溢れる涙を拭いながらなんとか働いた。

 とにかく誰かに話を聞いてほしかったのでバイト先の先輩を居酒屋へ誘った。先輩は私のまとまらない話をうんうん、と聞いてくれて、スマホでその病気について調べてくれた。とても有り難かったけどこれ以上何を話せばいいかわからなくなっていつも通りのくだらない話をして解散した。

 少しヤケになって帰ってからも酒を飲み続けた。最近の私はお酒を飲む日を減らしていたのにそんなことはもうどうでもよかった。ただただ酒を飲み続けて眠った。

 .......ものすごい倦怠感だ。昨日は飲み過ぎた。体を起こして昨日の医者の話を思い出していた。また涙が溢れてきてベッドから出られなかった。そういえば食事を摂っていない。最後に食べたのは昨日の朝だったけ。結局何も食べられないまま起き上がられないまま泣いたり眠ったりしているうちに夜になった。

 私はこれからどうすればいいんだろう。自覚症状は全くないものの、いざ病名を告げられるといつか迎える死が鮮明に思えてくる。歌は歌えるの?生活にどんな影響が出てくるの?あと何回旅行に行けて、あと何人の人と逢えるの?若い頃はあんなに死にたかったのに今は少しでも生きたいと願ってしまう。

 死ぬってことは大好きな音楽ももう聴けないしもう作れない。あのバンドのライブにも行けない。お気に入りのサメのTシャツも光る毛布も集めたシールも全部全部なくなるんだ。ローンで買ったギターもまだ発表していない楽曲も全部なくなる。行きたい場所がまだまだある。逢いたい人も逢ってみたい人もたくさんいる。やってみたいことも叶えたい夢もたくさんある。別に寿命を宣告されたわけではないのにこんなことまで考えてしまってまた涙が出る。涙が出ると患部が少し苦しくなる。泣いてばかりいちゃいけないってことか。

 私はこれまで好きなように生きてきた。本当に自由奔放に生きてきたと思う。でもこれからはもっと自由に生きさせてもらう。どうなるかわからないけど、それはそのときに考えるしかないよね。まだ血液検査の結果も出てないし「そんなもんかーい!」って結果なのかもしれない。

 久しぶりに書いたnoteなのに長くなってしまった。ここまで読んでくれてありがとう。自分の考えをまとめるために書いてみた。文章はめちゃくちゃだと思う。先述したが私は本当に自由に生きてきたのでたくさん誰かの恨みを買ってきたと思うし、もしアンチ的なのがいるのだとすれば「ざまあみろ!」と思われているかもしれないけど安心してくれ。私はお前らより長く生きる。好き勝手に自由奔放にな。これからもどうぞ宜しくお願いします。

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