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ジャーナリズムの祭典 -Jフォーラムに参加して-

2023.04.28-30
早稲田大学国際会議場にて開催された「報道実務家フォーラム」(以下Jフォーラム)に学生スタッフとして初めて参加した。

ジャーナリズムの知識を広げ、学びを深める場にとどまらず、報道人の横のつながりを深める交流の場だと感じた。学生スタッフとして携わった中で感じたことを綴っていく。

※掲載している写真はすべて報道実務家フォーラム提供

●「Jフォーラム」とは

Jフォーラムは記者やディレクター、編集者など報道の現場で動かれている方々やジャーナリズムに関心のある人が学びを深め、議論する場だ。
運営を支えるのも、理事長の瀬川至朗・早稲田大学教授(毎日新聞出身)や事務局長の澤康臣・専修大学教授(共同通信出身)のほか、多くの現役ジャーナリストらによる。
コロナ禍でオンライン開催やリアル会場とオンラインのハイブリッド開催を経て、今年度は全講座リアル会場での開催。その多くでオンライン同時配信も併用され、年々進化を遂げている。

●今年度の推しポイント

4年ぶりの懇親会開催

29日(土)には、講師・参加者・運営が一堂に会する懇親交流会が開かれた。コロナ禍でストップしていた懇親会は実に4年ぶりの開催。会場内は多くのジャーナリストがお酒片手に交流を深め、活気に溢れていた。

懇親会会場での様子(23.04.29)

私自身も、沢山の記者の方々とお話をさせていただく貴重な機会となった。 “なぜ記者を志したのか” この問いに対する皆さんの真っすぐな思いに感銘を受けた。

記者の方々とお話して特に感じたのは、 “相手と真摯に向き合う姿勢" だ。
交流させていただいた皆さんが、初対面にも拘らず私の話を前のめりになって聞いてくださり、真剣に向き合ってくれていることが嬉しかった。
別れ際には、皆さん口を揃えて「相談したいことがあったらいつでも連絡してきてね」と言ってくださる。 "目の前の相手の力になりたい" という思いを感じた。この向き合う姿勢は、記者の方々の共通項といえるだろう。

託児所の設置

仕事と子育てを両立する参加者も多い。Jフォーラムでは国際会議場4Fに託児所スペースを設け、子どもがいる人も安心して参加できるようにしていた。

託児所で遊ぶ子どもたち(23.04.30)

また、30日(日)には『「こうやって乗り越えたよ!」 子育て記者の知恵を共有する場』という講座も開催。子育て記者らが、自らの経験を交えながら子育てと記者業の両立について議論を交わした。


●垣根越えた 横のつながり

Jフォーラム当日、受付を担当していると参加者が "交流" を大切にしている場面を幾度となく見た。

各講座が終了すると受付前のスペースは参加者で埋め尽くされる。しかし、なかなか外に出ない。見てみると方々で名刺交換が繰り広げられていた。

「ご無沙汰しております!」
顔を見合わせ、駆け寄っていく参加者をあちらこちらで見た。新聞社やテレビ局は異動が激しい。また記者の場合は記者クラブ内というように、同じ空間で同業他社の記者と仕事をする経験がある。報道に携わる人々は会社の垣根を超えた横のつながりが強い。

記者どうしの場合だと「○○さんのこの記事がとても良かった」といった声も聞こえてきた。直接自分の記事に対する意見・感想が聞けることは、記者にとって光栄なことと思う。
私もJフォーラムの講師として参加していたある記者の方に、自分の思いを伝えることができた。伝える側も、伝えられる側も嬉しい気持ちになれる。

前述の懇親交流会が大盛況であったのも、参加者の方々が、新たな方との交流や以前から続く交流に重きを置いている証拠だろう。全国各地の報道人が集まるJフォーラムは、参加者や講師のコミュニケーションの場としての役割も果たしていた。

●臆せず、動く

現役記者の方々と交流できる点に魅力を感じ、この学生スタッフへの参加を志願した。この経験は私を大きく動かしてくれた。

現場に立たなければ

受付の仕事で、参加者の動線の確保や張り紙の配置など、当日を迎えてから臨機応変に修正を重ねた部分が多かった。どうすれば分かりやすく快適に、参加者の方々がJフォーラムに参加できるのかを日々考えながら動いた。
実際に現場に立ってからでないと、気づけないことは沢山ある。準備を念入りにするのはもちろんだが、現場での事態を乗り越えるための冷静な判断力と瞬発力を更に磨きたい。

ご縁を広げ、大切に

現役記者の方々とお話しできる機会は滅多にない。特に、全国の地方紙記者の方々との交流は、Jフォーラムでないとなかなか出来ないことだ。地元の地方紙への就職を目指すある学生スタッフも、その社で働く現役記者数人の方とお話ができたと目を輝かせながら私に話してくれた。

また、記者の方が目の前にいらっしゃるとはいえ、自分から動かなければお話することは出来ない。臆せず話しかける行動力と、自分の考えを言語化する力を今回の経験で養うことができた。

記者という仕事は、人とのつながりが欠かせない職業だ。Jフォーラムで出会った運営メンバーの皆さん、他大学の学生スタッフ、講師・参加者の皆さんとのご縁を大切に、これからも積極的に人と関わりたいと思う。

来年のJフォーラムも、学生スタッフとしてサポートしていけたらと思う。
そしてゆくゆくは、参加者・講師としてJフォーラムに関わっていくことが目標だ。





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