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【作品】湯


サイズ:15cm
画材:大學湯のタイル,クエン酸鉄(III)アンモニウム,フェリシアン化カリウム

今回テーマにした場所は大學湯という
銭湯跡地を活用したコミュニティスペースです。

「大學湯」は、1932年から2012年の80年間にわたり地域に愛された公衆浴場でした。
そして今は、より「大學湯」を地域共有の財産として再び活かし後世に残していく活動をされています。

アトリエとして使用されている青の画家銀ソーダさんの作品展示をはじめ、響く構造を活かしたライブや、様々なワークショップを開催されています。
夏には蚊取り線香、冬にはストーブ、火鉢など、なんだか懐かしい気持ちになります。

大學湯には大きな壁画があります。
壁画の場所は、銭湯であれば富士山が描かれる場所。
そこには銀ソーダさんの「記憶と時間の可視化」をテーマにした作品が描かれています。

初めて大學湯を訪れた時、
銀ソーダさんが壁画を描かれている最中でした。
ひと筆ひと筆、目に見えない大學湯の記憶を重ねるように、少しずつ時間をかけて描かれていました。

私には大學湯の記憶や過ごした時間はありませんが
銀ソーダさんの抽象画作品は
観る人や自分の精神状態によって違う価値観を持たせ、
ある時は楽しく、ある時は悲しく、ある時は心を落ち着かせます。
それは、湯に浸かって自分を見つめ直す感覚と似ています。

■100年後
「大學湯」は
身体をあたためる場所から
作品を観たり、体験をしたり、コミュニティがうまれる事で
心を温める場所へ生まれ変わっています。

さまざまなな利用可能性を秘めた空間は
使う人の創意で用途が広がり、新しい価値がどんどん生まれています。
大學湯に集まる方々が起こした行動が
大きな波紋となっていきます。

今回使用した技法は「青写真」の技法。
青写真は未来を描く技法です。
未来の青で、銀ソーダさんのオマージュ作品を制作し
これまで・これからの記憶と時間の湯を泳ぐアヒルたちを描きました。


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