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村田沙耶香と本谷有希子

『信仰』を読んでから、村田沙耶香の面白さを再確認し、2週間の間に3冊読んだ。

『丸の内魔法少女ミラクリーナ』
『タダイマトビラ』
『コンビニ人間』

これらの作品はすべて、『普通とは何か』がテーマになっているように思う。

いわゆる多数派(結婚し、子を産み育て、家を建て、男は働き、女は家事と子育て、子が大きくなったらパートに出る)側の人間が、そうでない生き方をしている人間をバカにする話だ。

村田沙耶香の作品で、そういった『普通でない人に対し、優越感を持つ多数派の人』は、悪意のあるなしは一旦置いておいて、『思考停止したどうぶつ』のように描かれている。めっちゃ面白い。

村田沙耶香の作品が手元にないと禁断症状を起こすアル中のような症状になり、ジュンク堂で『消滅世界』を買い足した。



なんか違う。

この話は冒頭の3作品とは違い、『男女が性行為をし、女性が子を産むこと』に疑問を呈した話だ。
似ているようで全然違う。

①結婚し、子を産み、家を建て、『普通の生活』を送っている人間が、そうでない人間をバカにする話
(そして、バカにする側を『ちょっと知能の低い人』のように描く話)

②男女が性行為をし、女性が子を産む世界を否定する話

①は分かるけど、②は分からない。

身体の性別が男女の2種類しかなくて、かつ、子供を産めるのは女性だけである以上、②の考え方は矛盾している気がする。
私は子供がいないけど、性行為をして子供を産むことにも、それをしている人たちに対しても特に疑問を持ったことはない。

たぶん、村田沙耶香さんはそこに疑問を感じているのだと思う。
読み残している他の作品のブックレビューを読んでみても、だいたい『性と生』がテーマのようだ。多分合わない。

どうしよう。

引き続き『狂った主人公の話』は読みたいけど、『男女間の性行為とは、女性の出産とは』的な話は別に興味ない。

少し考えた結果、

・狂った話を書く(作者自身も狂っている)
・子供がいる

上の条件を満たす作家が適切だと思った。

いた

『セブンルール』に出ている本谷有希子だ。
この人は、空気を読まない発言を平気でするので、共演者であるYOUや尾崎世界観などからうっすら引かれているのが画面越しからも分かる。

美人で、才能があり、めっちゃ性格が悪い。番組内でもよく自身の子供の話が出てくるので、性行為や出産に対して否定的ということもないだろう。

2021年に発売された『あなたにオススメの』という本のレビューをいくつか読んでみたが、間違いなく面白そうだ。

キミにきめた。

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