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はじめての人も、そうじゃない人も⑥

はじめましての人も、そうじゃない人もこんにちは、秋山あやです。
自己紹介を兼ねて、自分のこれまでとこれからを綴っております。今回が6回目です

1〜5回目はこちら↓


「必要とされたい」
「求められたい」
で華やかな世界を夢見るようになった私は
博覧会のコンパニオンをやった時に知り合った方のご縁で
放送局のリポーター、制作業務の契約社員の試験を受けた。

以前、福祉の関係の仕事をしていたこともあって
「光は当たりにくいけど、頑張っている人の姿を伝えたい」
と思ったのも本当の気持ち。
私を見てほしいも本当の気持ち。

契約社員の試験なのに、
全国を渡り歩いて受験する人や、
さまざまな経歴を持った人、
二度見しちゃうくらい綺麗な人、
いろんな人がいた。

そんな中、2回目の試験で採用され、
私は
「選ばれた!」
と思った。
嬉しかった。
これから始まる世界にワクワクした。


前任者からの引き継ぎもあって、
私は7分くらいのコーナーを取材、構成、編集してOnAirも自分でという業務を担当した。
すごく楽しかった。
自分の実力のなさにがっかりすることもたくさんあったけれど、
それ以上に、

取材して短いけど番組を作ることが楽しかった。
会社の名前を出したらだいたいの人が私の話を聞いてくれたこと、
会うことができない人にも会えたこと、
放送業界の末端ではあったけれど、
そこにいられることが
本当に嬉しかった、
誇りだった、
充実していた。

最初はこなすのにも必死だったけれど、
ここでも持ち前の
「求められたい」
「必要とされたい」
「好かれたい」
が常に隣にいた。

テレビにもどんどん出たかった。
でも、私が必要とされているのは
担当しているコーナーを放送に適したものに整え、放送すること。
(それだって、とても光栄なこと。
もちろん、
放送にあたっては社員のディレクターがついてくれているし、
最終的にはさまざまなチェックを受けて放送に至る。)
それ以上は望めばできたかもしれないけれど、
「君に!ぜひ!」
と言われて降ってくるような仕事はなかった。
いつもいつも、
「わたしはもっとできるのに!」と思っていた。

でも、おんなじくらい
「私よりあの子の方が可愛い」とか
うまくできた!と思ったら

「はい、じゃあこちら!」みたいな感じで

私より上手にできるひとが降ってくる…とか

与えられた仕事をするのは当たり前といえば、
その通りなんだけど、
選考で「選ばれて」
入ってきたと思っているので、
「君に!ぜひ!」
が常にあると思っていた。
一つのことをずっとやっている自分は
穴を埋めているだけで、
それしか望まれていない。
そのことにガッカリし始めた。

「求められたい」と思っているので、
「私が!私が!」と自己主張することはできなかった。

主張して、
自分の意見を言ったことで、
反感を買い、
仕事がなくなる…と思っていたので、
相変わらず「NO」は言えないままだった。



社員と契約社員の違いにも苦しめられた。

今いるところの先がある社員と
そうじゃない自分。
そういう雇用なんだとわかっているけれど、納得できなかった。
社員のあの人より、私の方が取材に行って放送を出しているのに!
と思っていた。
一生懸命やればやるほど、
ルーティンしかない自分、
ルーティンの先がない自分にどんどんガッカリしていった。

このままいても「君にこの仕事をやってほしい」はもうない。
私は選ばれたけど、これ以上は望まれない。
契約が終了するタイミングで放送の仕事は終わった。



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