見出し画像

ついに美容クリニックへ ~後編~

私がクリニックへ行くと ほとんど毎回のように1人の若い女性に遭遇しました。


そこの待合室は狭い縦長の構造になっており (後方に座っている私が)彼女を見かけるのはいつも後ろ姿ではあるものの 髪色などが特徴的だったのですぐにわかりました。


そしてある日 受付嬢から何かの確認を求められ 彼女が後ろを振り向いたそのとき あまりにもショッキングな彼女の容貌に思わず私は目を背けてしまったのです・・。


すると次の瞬間 過去のある記憶がよみがえったのでした。


それは20年以上も前に放送された「ビューティーコロシアム」という番組の中でのお話です。


歌手の和田アキ子さんがデビューされたばかりのころ ご自分の容姿に悩み 一人で当時の美容クリニックに訪れたそうなのです。


そのとき 壁に何枚も貼りだされていた火傷や事故などで負傷した人たちの術前術後の症例写真などをみてショックを受け ご自分の悩み(コンプレックス)がいかに小さいものであったのかを痛感されたというものでした。


結局 そのまま診察を受けずに帰られたそうなのですが なんだかそのときの和田さんと私の心境とが微妙に重なったような そんな気がしたのです。


10代や20代のころの私は 今よりも強いコンプレックスを抱えていましたが 30代の半ば頃からようやく自分を正面から受け入れ その結果 元々の素材を活かす方法(女装)をみつけて今日に至っています。


そんな私がいま行っているヒゲのレーザー脱毛は  目や鼻の造形に手を加えるもの(整形)とは違い さほど勇気の要るものではありませんが それでも私にはすぐに踏み出せなかった臆病なところがありました。


40代にして初めて美容クリニックに通院するに至ったわけですが そこで出会った若い女性(たち)は 私以上に複雑な思いをかかえて訪れているように思えて そんな彼女たちに対する申し訳なさと自分に対する未熟さを同時に感じたのです。


過去をふりかえってみると 何かの重要な気づきを得たりしたときには その代償として心の痛みなどがあり 今回もそれに等しいものだったのかもしれません。


(30代までの)常に同じような環境に身を置いて 変わり映えしないそんな状態が続いてしまっていたら 今の私はなかったと思います。



それがここへ来てようやく 新しい変化の兆しが出てきたのでしょう。



私は40代に入ってから数年が経ちましたが その40代のこれからに本領(自分らしさ)を発揮させたいです☆















このクリニックで見て感じたことは  現状の自分自身を再確認するために与えられた絶好の機会だと思って それをムダにしないように歩みを進めて行きたいです☆
















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?