見出し画像

乳がん治療のための病院選び方

乳がんの疑いが強くなった状態、または告知されたばかりの方は、治療するための病院をどうやって選んだらいいのか不安になると思います。
経験してみて感じた私の考え方なので個人的なものではありますが、オススメの選び方を紹介します。


「家から近い病院」の考えは最初に捨てる

よくwebやYouTubeの解説では「家から近くて通いやすい病院」をオススメされています。例えば放射線治療の場合は毎日通わなければならないから大変ですよ、などと言われるわけです。
特に医療関係者が発信するメディアでこういう解説がされがちで、きっと何かしがらみがあるんだろうなと(ry

首都圏近郊や地方でも都市部に住んでいるであれば、片道1時間〜1時間半程度までの通院時間で考えると幸運にも膨大な選択肢を得られる恵まれた環境にいるのに、少しでも家から近い病院という条件で選ぶのは大変損だと思います。いい病院がたくさんあるのに、無名の病院にかかる理由はないと感じます。
病院によっては、毎日通う必要がある放射線治療だけは近くの通いやすい病院に転院するなど、フレキシブルに相談することもできます。抗がん剤治療の間だけ通いやすい病院へ転院もありえます。
一つの病院で全ての治療をしなければならないわけではない事を知ってほしいです。

標準治療だからどこの病院で治療しても大差がないとも言われがちです。ですが、がん経験者なら皆知っている事ですが、標準治療と言いながら病院によってかなり治療の選択肢が違ったりします。執刀医の手術の腕前次第で、一生QOLに関わるということもあります。
もし田舎に住んでいて、車で片道1時間の病院を選ばないとその他は片道2時間の病院しかない、という状況で、どちらの病院も大差ないという時に初めて「家から近い病院を選ぶ」のではないかと思います。

手術数の実績数から選ぶ

自分の通える範囲の中で、乳がん治療の経験が一番多い病院を選ぶというのは一つの手段だと思います。大体Googleで調べれば最新のものでなくても数年前のデータが出てきたりします。本屋にも置いてあります。数年で上位が大きく変動することはないので、参考になると思います。
自分の地域の病院が載っていないという場合は、地域のがん診療拠点病院に設置されているがん相談支援センターに電話して直接聞いてみるのもいいと思います。
また、民間の医療保険やがん保険に加入している場合は、保険会社が運営する相談センターがあるので、そこに聞いてもいいかもしれません。

私の場合は手術数以外にも重視したい項目があったので、東京都の平均以上の年間手術実績があること、できれば上位10位以内までを1つ目の条件にして検索することにしました。

治療開始までの時間、スピードを確認する

手術の順番を待っている間にもどんどん進行するがんを抱えながらの病院探しですから、治療までどのくらいの時間がかかるのかは重要な指標になります。
例えば手術まで2ヶ月は待たされる第一希望の病院と、数週間〜1ヶ月程度で手術できる第二希望の病院があるなら、第二希望の病院で手術した方がいいと感じます。
手術までどのくらい時間がかかるかwebに記載している病院もありますし、がん相談支援センターが併設の病院であれば、こういった手術までの待ち時間についても平均どのくらいか教えてくれると思います。

乳房再建を考えている場合は形成外科との連携も調べる

乳房再建を考えている、もしくは今は迷っているけど再建を希望する可能性があるという場合は、形成外科と連携しているかどうかも確認した方がいいでしょう。
地域のランキング上位に載るような病院では必ず連携が取れているはずだと思いますが、もし形成外科との連携が取れていないと実は同時再建手術が選択できないとか、後から何かと不便な事が起こるかもしれません。
同時再建手術の際には、切除手術と同時にティッシュエキスパンダーを大胸筋下に埋め込むのですが、形成外科と連携して乳房再建ができるようになっている病院は、乳腺外科の医師がエキスパンダーを扱えたり、形成外科の執刀医が同席して担当したりして対応してくれます。

20~30代の場合、若い患者が多いかどうかも確認

AYA世代で罹患された場合は、特に若い患者の治療に慣れている病院かどうかも選定理由になってくるかと思います。
例えば、がんに罹患したけど妊娠を希望している患者に対しては「妊孕性温存」というテーマがついてきて、投薬治療前に卵子を凍結保存する場合があります。若い患者に慣れている病院の方がこういった治療の知識やサポートが豊富だったりします。

若い患者の経験が多いかどうかはランキングを調べても出てこないかもしれませんが、その場合、直接がん相談支援センターに聞いてみるといいかもしれません。
乳がん患者のAYA世代割合は約5%と言われているので、必然的に患者数が多い病院を選ぶことになると思います。

入院費や治療費については最後に考える

今後のがん治療でお金がかかる事や休職する事を考えると、少しでも入院費が安く済む病院を、と考えるかもしれません。
例えば、都内であれば都立病院を選択すると入院費用がものすごく安く抑えられます。私立病院で個室に入院すると1泊平均3〜4万円かかりますが、都立病院は1泊1万円台で済んでしまいます。
私もお金の話が大好きなので「絶対安いところ!」と思いがちなタイプなのですが、これに関しては一番最後に考えるべきだと感じます。
何故なら意外と治療にお金がかからない場合もあるからです。

会社員であればまず健康保険組合に電話をして、付加給付金の制度があるかどうかを確認してみてください。もし制度がある場合は非常にラッキーです。
年収に関わらず月2万5千円+α程度が上限の治療費で済んでしまいます。

自分が加入している民間医療保険の補填内容も整理してみてください。
お金についてはまた今度記事を書く予定ですが、私はがん治療で各種保険から十分の治療費を手に入れることができたので、治療費の低さを選択肢に入れて考える必要はなく、自分が一番治療したい病院を選ぶだけでよいことがわかりました。

具体的なおすすめ病院(東京)

どこの出版社も通していない、いち患者の個人的な意見になってしまいますが、X(旧twitter)乳がん仲間がかかっているらしい病院を一部具体的にご紹介します。
東京23区のみですが、ご容赦ください!

⚫︎本当によく聞くトップ3
 1.がん研有明病院 
 2.国立がん研究センター中央病院 
  ※有明と国立がん研はがん治療の日本トップ 
 3.聖路加国際病院
  ※乳がんに強くAYA世代へのサポートが特に豊富

⚫︎患者も多く、よく話題にもあがる
・昭和大学病院
・都立駒込病院
・順天堂
・虎ノ門病院
・江戸川病院
 ※江戸川病院はがん診療拠点病院ではないけど実績も多く、クセ強の院長ブログが患者界隈で人気

神奈川では聖マリアンナ、千葉は亀田総合病院や国立がん研東などもよく聞きます。ランキングは書籍を見たりWebを調べたりしてみてください。参考リンクも貼っておきます。


もし記事が役に立ったり、励みになったりした場合、よろしければサポートをお願いします。私の執筆活動の励みになります!