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令和4年3月議会 一般質問:外国にルーツがある児童・生徒への教育と支援について


【清水彩子】
   4項目めの「外国にルーツがある児童・生徒への教育と支援について」再質問をいたします。武蔵村山市の外国人児童・生徒の人数と、近年の推移を教えてください。

【教育委員会の答弁】
   市内外国人児童・生徒の推移でございますが、各年度、5月1日現在の数で申し上げますと、平成29年度は96人、平成30年度は117人、令和元年度は106人、令和2年度は113人、令和3年度は115人となっております。

【清水彩子】
 わかりました。令和2年度、文部科学省ホームページにおいて、外国人児童生徒等の教育に関する研修用動画、外国人児童生徒・保護者に対し日本の学校生活を紹介する動画が掲載され、年々外国人児童・生徒への受け入れ体制が整ってきているようですが、近年武蔵村山市ではどのように外国人児童・生徒への教育は変化したのでしょうか。


【教育委員会の答弁】
   日本語指導が必要な児童・生徒数の増加等を踏まえ、日本語の能力に応じた特別の指導を行うための特別の教育課程を編成し、実施することが可能となりました。

    また、学習指導要領では、「海外から帰国した児童・生徒や外国人の児童・生徒の指導」の重要性も示され、児童・生徒等の実態に応じた日本語指導を関係機関と連携し、組織的・計画的に行うために、教員の専門性や指導力を一層高めることが求められるようになりました。

 このような状況下、本市では、令和3年度に独立行政法人教職員支援機構主催の「外国人児童・生徒等への日本語指導者養成研修」に小中一貫校村山学園の日本語学級の担当教員が参加し、日本語指導の方法について必要な知識等を習得し、日本語学級の指導の充実に取り組んでおります。また、同学級に帰国子女等助手を2名配置し、授業の理解等が深まるよう支援の充実にも取り組んでおります。

【清水彩子】
 担当教員が研修に参加し、指導の充実に取り組んでいただいているとのことでわかりました。帰国子女等指導助手の配置について、勤務時間や仕事内容を教えてください。


【教育委員会の答弁】
   勤務時間は9時から16時までとなり、仕事の内容は、帰国子女等の日本語の習得や日本の正しい生活習慣を身に付けさせるための指導・助言、その他、指導の目標を達成するために必要な支援に取り組んでおります。

【清水彩子】
 日本語学級に通う児童・生徒は、授業時間が一人一人異なりますが、児童・生徒が一番多い時の人数と、その指導に当たる、教員・帰国子女等指導助手の人数を教えて下さい。

【教育委員会の答弁】
    児童5人に対し、日本語学級を担当する教員3人が担当し、帰国子女等指導助手2人がサポートすることがあります。 

【清水彩子】
 手厚く指導されていることがわかりました。日本国憲法26条第1項は「国民」の「教育を受ける権利」、2項は「国民」に「その保護する子女に普通教育を受けさせる義務」を定めていますが、外国籍の子供の保護者に対して課された義務とはいえないとされていますが、社会権規約13条または子どもの権利条約28条1項が「教育についてのすべての者(または子ども)の権利を認め」、「初等教育は、義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとする」と定めており、日本に住む全ての人に教育を受ける権利があり、学齢期の子供に教育を提供する義務があるとされています。

   2019年の文部科学省の調査では、外国人には就学義務がないことから、不就学の子供が2万人ほどいるとのことですが、武蔵村山市の実態は把握されているのでしょうか。


【教育委員会の答弁】
    現在、市内に不就学の外国人児童・生徒はおりません。来年度、小学校への就学予定者には1名おりますが、詳細については把握しておりません。

【清水彩子】
 令和元年5月の調査では、東京都全体で把握人数が8名だったようですが、武蔵村山市ではいないということと、来年度は1名ということでわかりました。

   2014年の学校教育法施行規則の改正により「特別な教育課程」の編成・実施が可能になり、外国にルーツを持つ子供たちの就学が権利保障されるだけではなく、その子に合った教育指導がされるようになりましたが、「その子に合った指導」とは、具体的にどのような指導をしているのでしょうか。


【教育委員会の答弁】
    具体的な指導としましては、ルビ付きの教材を作成・使用したり、1人1台端末のカメラ機能を活用して板書を記録し、書字の負担を軽減するようにしたりするなど、「その子に合った指導」に取り組み、指導の充実を図っています。

【清水彩子】
 教材を工夫することは、理解に繋がると感じます。日本語学級で学んでいる児童・生徒は、日本に来た理由が親の就労の都合であったりし、中には心の準備ができないまま日本に来たお子さんもいると思います。言葉も上手く通じず、生活習慣も違う日本の学校で学ぶ心細さを、少しでも取り除いてあげる必要があります。日本語学級に通う児童・生徒、その保護者は、どんな支援を必要としているのでしょうか。

【教育委員会の答弁】
    授業や支援に取り組む学校からは、授業で使用される日本語や学習内容を理解するための支援、学習や生活に必要な心理的安定のための支援を求めているとの報告を受けております。

【清水彩子】
 心理的にも支えていただいているとのことでありがとうございます。来日間もない子どもは、母国語しか話せない場合がほとんどだと思いますが、母国語を話しても通じるのはアイデンティティーを守る上でも大切だと思います。自動翻訳機が高性能になってきていますが、購入しないのでしょうか。

【教育委員会の答弁】
     自動翻訳機の購入につきましては、必要に応じて予算要望することは可能ですが、今のところ購入の予定はございません。

【清水彩子】
 例えば、手紙に書いてある内容を保護者に伝える時や、授業以外のコミュニケーションとしても使えると思いますが、現場の先生や児童・生徒にとって現時点では必要性は感じていないということだと思います。使用している自治体もありますので、もしこの先必要であるという声があった際には購入をお願いします。日本語学級に通う必要はないとされた外国にルーツがある児童・生徒については、どのようにクラスの中に溶け込めるよう支援をしていますか。

【教育委員会の答弁】
    在籍学級の担任は、外国にルーツがある子供を含めた全ての子供同士の学び合い、助け合いを促進するとともに、全ての子供が学級の一員として認められる、温かい人間関係のある学級経営を行うように努めております。

    また、在籍学級で行う全ての教育活動の中で、外国にルーツがある子供が、他者との関係性の中で学ぶ・成長する機会を意図的に設けることで、学級の子供たちの中に溶け込める指導、支援に取り組んでおります。

【清水彩子】
 溶け込めなかったというお子さんがいたため質問いたしました。外国にルーツがある児童・生徒だけではなく、考え、文化、見た目などに違いがあることで関わらないのではなく、その違いの部分にこそ魅力を感じ、理解したいという気持ちを持つことが、国際平和や障がい者理解などにも繋がると思いますので、「差別はいけないことである」という事と同時に、人間は一人一人違うから魅力的なのだという、人間そのものに対する理解も、児童・生徒に伝え続けていただきたいと思います。

   SDGsの「誰一人取り残さない」という理念をもとに、本当に誰一人取り残さないという強い思いを胸に、市の皆様には市政に取り組んでいただき、地域も武蔵村山の子どもたちが、誰一人として悲しい日々を送らず、夢を抱いて輝く未来に向かえるよう協力していければと思います。 以上で終わります。

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