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自分の「ありたい」は自分のもの①

2020年、私はかねてより念願だった、英会話学習を始めた。
『いつか英語で話せたらいいなぁ』なんてふんわりと思っていた夢を、こうして具体的な行動に移せたきっかけは、2つある。
1つは、2019年にUNKNOWN/ASIAという大規模なアートフェアに参加したこと。そしてもう1つは、ジブンのあり方という軸に出会ったことである。

これは、英語を使って話し始めたらこんな発見があったよ、という話。

そこに言語の違いは関係なかった

UNKNOWN/ASIAは、アーティスト主体=「自分は何を表現したいのか」を問われるアートフェアだ。

イラストレーターとして駆け出しの頃、私はまず仕事が欲しくて、自分が描きたいものより、先方(クライアント)の希望に入り込んでイラストを描くことに、慣れきっていた。
誰にでも好かれる、優しくて、無難な表現。
だがそこに私の個性は見つけにくい。
自分の中で「それでいい」と「それじゃダメだ」が半々だったところに、この『あなたは何を表現したいのか』。

私はこの命題に取り組めて、本当に良かったと思っている。めっちゃ苦しかったけど。ちなみに2019年は、このUNKNOWN/ASIAと実践装画塾OSAKAという2つのチャレンジで、私が描く本質をひたすら己に問うた一年だった。
こういう機会に、私は大概ふわっと、直感で飛び込んでいくのだけど、直感で選んだものほど、その時自分が必要としているものだなと感じている。
めっちゃ苦しかったけど。

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会場は、大阪梅田のグランフロント大阪。日本、中国、台湾、香港、韓国、タイ、マレーシア、インドネシアなど、10の国と地域から総勢290組のアーティストが出展し、来場者も約13,000人を記録したという。

その中で、海外のアーティストはとても積極的だった。
あなたの絵を見て、私はこんなことを感じた。こんなことを思い出した。
似たようなことが、自分の国でもあるよ。
あなたはこの表現を通じて、何を伝えたいと思っているの?
そういったことを、シンプルで分かりやすい英語と、笑顔で伝えてくれた。だから、私も真剣にそれに応えたいと思った。

普段開けることのない頭の引き出しから、英単語をかき集め、引っ張り出して。身振り手振り。筆談。Google翻訳(便利…だけど不思議なことに、目と目を見ながらの方が、拙くても通じた気がする)

通じ合えた時、それはそれは嬉しくて。
何を伝えたいかが大事で、そこに言語の違いは関係ないんだ、と思った
それで自分からも!とスイッチが入り、海外アーティストのブースを訪れ、英語で話しかけていくようになった。

日本語と英語では、自分の立ち位置が違う。
普段の会話では私は、聞き手に回る癖があり、あなたのことを教えて!と、ずっと聞いてしまう。たとえ、自分の絵を見に来てくださった方にも。
相手は私が何を考えて、この表現をしたのかを知りたいというのに
英語はいいな。
「I」が主語だから、自分の発したい考えがあって、会話が弾んでいくんだ…それが、英語を使ったら、自分に良い化学反応が起きそう、と思った1つ目のきっかけ。


「ジブンのあり方」にピン、ときて

UNKNOWN/ASIAでの英会話体験で、自分の中に変化が起きた。これを掘り下げていける、商品やサービスはないものだろうか。…と探していたら、「まさにコレ」というワークショップと出会えることができた。
ジブンのあり方English

これは、英語講師の彩美先生と、みちづくりプランナーのたけうちさんとが作り上げたワークショップである。

講師紹介

たけうちさんの説明が感動の分かりやすさなので、ぜひ読んで…!

前述の通り、これも直感で飛び込んでいったもの。実は、これについてご本人が詳しく喋っていた時、あろうことか私は落書きをしていて、ろくに聞いていなかった(笑)←他からのにしはらさん○○描いてよー、に応えてましたんや…

直感で飛び込んでから、『あぁ、日本語と英語を行き来する中で、素直に、より深く、自分の意思や感情に向き合っていけるんだな。何て良い学習方法なんだ!』と実感した次第。

こちらは英語講師の彩美先生のご本。タイトルがもう、ドキッとする(笑)
英語学習の本質を突いている内容で、一気に読めた。私はこれから英語学習を始めるぞ、というタイミングで読んで、この本は学習に対するとても良い地図のようだと思った。


英語だからって中身まで恰好良くなるわけではない

レッスンの流れはとてもシンプル。お題に対して、答える。Youで聞かれたら、答えるのはI。それに対してWhy?で掘り下げる。それをひたすら、繰り返す。たとえ、質問者が答えた理由に納得できたとしても、ひたすら(笑)

こんな感じだ。
What do you like to do?
- I like to draw a picture.
Why do you like to draw a picture?
- Because I can be innocent when I draw.
Why can you be innocent when you draw?
- Because I can draw freely.
Why do you want to draw freely?
- Because I don't like 'do it,' 'do that' by my parents.
Why?
- Why? Um...I don't know...(-_-;)

ワークショップ風景

一説にはWhyを5回も繰り返したら事業計画も立つというし、結構ハードなことをしていると思う。Whyを使って、楽しく千本ノックしている感じ?
普段「そういうもんだよね」と流している部分に目をこらすと、思いもよらない思惑が見えてくるのが新鮮。たくさん汗もかいてるけど。

あと、英語を話したら別人格が出てこないかな、という淡い期待があったんだけど(例えばテニスの錦織圭選手はインタビューの際、英語と日本語とで人格が違うでしょ?)、自分の場合英語を使うからって、まだ人格まで変わるわけではないことも分かった。
最近どんなHappyなことがありましたか?って聞かれて、とっさに出たのが『茶柱が立ったよ(I found a tea leaf in my cup.)』だったもんな…
ささやかな日常を、こよなく愛している。


楽しいんだけど、今私が直面していること

ジブンのあり方をとことん掘り下げるEnglish、とっても楽しい。
楽しいんだけど、回を重ねて、見えてきたものがある。
「I」が消える現象である

実は、先ほどの'What do you like to do?' 'I like to draw a picture.'というやり取り、実際にはこのように展開した。

どうして絵を描くのが好きなのですか?
-どうしてだろう…物心ついたころから、描いていた。兄や姉が描いていたので、自分も描くのが当たり前だと思っていた。
どうして当たり前だと思ったのですか?
-他に選択肢を知らなかったし、絵を描いていると夢中になれた。それに絵を見せると母親が笑顔になってくれて、嬉しかったから。
どうして母親が笑顔になってくれたら嬉しかったのですか?
-私は自分の思いを言葉で上手く伝えられなくて、会話が苦手だった。だけど絵なら。絵なら自分の思うように描けるし、見た人が笑顔になってくれる。それが嬉しかったんだと思う。
...
...

ものの見事に「I」が消えている
そしてこの現象、どんなお題が出されても、私はずっと続いている。理由を問われて、そこに「I」が無いと、何が起きたか、という事実しか話せない。だけど、事実は理由にはならない。そこに意思を持って次の行動を選択した自分が、必ずいるはずだから。

「I」を探そう。「I」はどこで、どうしているというのか。
②へつづく。


ありがとうございます!自分も楽しく、見る人も楽しませる、よい絵を描く糧にさせていただきます!