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うたうこと(3)

中学3年間合唱部で頑張ってきた私。
この頃はまだ人前で歌ったりするのは楽しかったし好きだった。
うまいとか下手とか、技量なんて関係なかったから。

高校は音楽の専門科があるところへ行き、本格的に声楽を学ぶことに。

私の主科(歌)の先生はおばあちゃん先生で、これがまた

鬼のようにコワイ。笑

週に2時間続きでレッスンが組まれて、レッスン室には同じ歌科の子と2人で入り、1人が歌ってる時はもう1人はそのレッスンを聴講するというスタイルなのだが、毎週どちらかが必ず泣く程怒られるパターン(笑)

何というか、例えば
「私今まで上手に歌えてると思ったのにすごい怒られて、私って下手だったのか…」
と思い知らされる感じではなく、

「歌ってこんなにも辛く苦しくツライものなんだ…」

という方のショックを受けた。

まず立ってるだけで「違うっ!」
歌う前に息を吸うだけで「違うっ!」
とにかく歌に入れない。
何とか歌に入っても1小節から進まない。
声を出せば怒られ、止まれば怒られ、なのだ。
しかもなにが一体違うのか全然わからない。
本当に、普段どう立ってどう息をしていたかわからなくなるくらいにコテンパンな1時間なのである。

でも、レッスン中は意地でも泣かなかった。
なんか悔しいから。
必死に何か先生から得ようともがきまくった。

上手くなれないのは私が悪いんだ。
私がもっと頑張らなきゃならないんだ。

そのおかげなのか先生の指導の賜物なのか、私は3年間歌の実技テストはほとんど1番を取れていた。
でも、テストの後先生にどうだったか聞きに行くとやっぱりダメ出し。笑

歌の成績は3年間確かに良かった。
先生も熱心に指導して下さった。
だけど、

人前でうたうことがこわくなった。

高校時代のレッスンがトラウマになって、人前で歌う時に必要以上に体が強張り、ちょっとでも支えがない変な声を出そうものなら誰かから何かひどく言われそうで、まるで口の前に何か厚いフィルターがかかったかのように全く思ったとおりの声が出ないのだ。

そんな状態だから、うたうことが楽しいわけもなく(笑)、人の前に立って歌うという行為は恐怖でしかなくなってしまっていた。

これらが、ふと思い出した2つの思い出。

ほんとに、うたうことが得意じゃない。

なのに、こんな私が今もなお歌い続けているのはなぜなのか。

長くなったので、続きはうたうこと(終)で。

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#歌うのがこわい
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