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里子を育てる上で決めたこと。

私がOKを出した後の母の動きは早かった。すぐさま児童福祉施設に申し込みに行き、里子とマッチングされるのを待ちました。その時の母はすごく生き生きしてました。不安はありつつも、これで良かったのかもしれない。そう思っていました。

里子がマッチするまでの過程は私達の場合はこうでした。
まず児童福祉施設に手続きに行きます。条件としては
①収入がある
②20歳以上の大人が2人以上いること(里親研修後、登録してること)
③その大人が健康であること
です。もっと細かいことはあると思いますが、知りたい場合はその地域の児童福祉施設のホームページを御覧ください。

実子と里子の相性も考慮しないといけないので「だいたい何歳くらいの女の子、男の子」と希望が出せます。私達は「5歳くらいの女の子」で希望を出していました。私達は姉妹だったので、母も女の子の子育てには慣れていたし、女の子のための品物は少しあったからです。

その後、施設の方が私達の家族構成やペットのいるいないなど細かいとこまで家庭環境を考慮し「この子が良いんじゃないか?」と選出してくれます。

双方の合意があれば、はじめは数時間面会。少し慣れてくると日中一緒に遊びに行きます。いきなり長時間になると子どもたちにストレスがかかるので本当に少しづつ慣らしていくんです。

ここまで大丈夫であれば今度はお泊りに来ます。お泊りに来る前に児童福祉施設の方が里子の方にストレスがかかっていないか、相性はどうなのか見極めつつ、実際家に来てどういう環境で寝泊まりするのか食事はどうなのか、など確認しに来ます。

何回かお泊まりに来た後、正式に里親の手続きが結ばれます。
里親=戸籍はもとのまま、預かって育てる
養子=戸籍も一緒になり、子供として育てる

という違いがあります。念の為。

里親でも養子でも実子と里子の関係は慎重にならないといけません。実子と親の関係が悪くなる、とか里子と実子が仲良くない、など問題は起きるようです。人間同士、そして親の愛情を奪い合いたい年齢だとそうなりますよね、きっと。

私達家族の場合は、実子との年齢がとても離れていたため、あまり関係ありませんでした。
上記②「20歳以上の大人が2人家にいる」という条件を満たすため、最初は
「母+妹」で登録し、私が大学生活を終えて東京に戻り妹が結婚してからは「母+私」で登録していました。イレギュラーな里親家族。誰が母なのか、姉なのか、年齢的にはあやふやな感じです。でもそんな肩書必要ない。

画して里親生活は始まったのでした。

里親としての家訓

私達の方針としては
①産んでくれたお母さんがいることは隠さない(本人も覚えていました)
②実母に会いに行きたいと行ったら会いに行かせる(本人の意向を尊重)
③常に安定した愛情を供給する。何度でもどのくらい時間がかかっても、信じてもらえるまで家族だと言い続ける
でした。

安定した環境下にないとたまに親を試すような行動をする子がいるみたいなんです。石橋を叩いて叩いて叩いて、壊れるまで叩き続ける子が。そのときも頑張らないといけない。ただそうなる可能性があることを施設の人もわかってくださってるから、「困ったことがあったら連絡下さいね」と言われました。
相性の良くない里子と家庭の組み合わせはあります。人間なので当然。そして里親も万万が一に今後育てていくのは難しいと感じることが出てくるかもしれない。その場合はずっと一緒にいるのはお互いのストレスなので解消するのがよいでしょう。

でもまず大前提として、私達がこの関係がうまくいくと信じないといけないし、この子を不安にさせるような気持ちではいけない。まっすぐに愛そう。
あとは、この世の中、何があるかわからないし、将来的には自分でちゃんと稼げるようになってほしいね、とそう話していました。
実際、児童福祉施設で育った子は大学の費用+一人暮らしの費用も自分で捻出しないといけないので、大学に行ける子はほとんどいない。血のにじむような努力をして専門学校に行っている子はいました。私達はこの子がうちに来てくれたから、この子自身が望んだ場合ちゃんとした教育環境を得られるように、将来を見据えたような育て方をしなければならないと思っていました。

《追記》
続きも来週書きます。長文読んで下さりありがとうございます。昨日clubhouseでお話したのですが、里親という選択肢を思い浮かべる人が少ないと感じました。選択肢の一つとして考えてくれる人が増えるといいなと思います。



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