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よくも1人でも生きていけるなんて言ったな


友達からLINEが来た。


私を心配するLINEだ。


義父が亡くなり、生活の変化を迎えたことに
心を馳せてくれていた。


彼女は、高校時代の部活仲間でサードを守っていた。



気概があり、ボールを追い、止める様は勇ましく、当時はムードメーカーでありチームの発火材のようなところもあった。


それでいて、ソフトボールを離れたら好奇心旺盛だった。ソフトボールだけにならないように細心の注意を払っていた。


何か一つだけの枠に収まるような人ではなかった。


よく帰りの電車で話した。


好きなバンドのこと。気になる誰かのこと。
今、読んでいる本のこと。


もうぼんやりとしか思い出せない。


時に熱く、時に冷静に。


感情もあえてストレートに、意志を明確に表すことが、他人に対する誠実だと信じている印象だった。


今、当時の部活の仲間はほとんどが結婚して所帯を構えた。


彼女は、独身で自分の人生を生きている。

そのLINEの中で、


甘えるのがヘタだった。歴代の彼氏にも〇〇は
1人で生きていけると言われてきたんだ。


と書かれていた。


私は会ったこともない、彼女の歴代の彼氏達に俄然腹が立って腹が立って、なんなら1人ずつ体育館の裏に呼び出したい衝動に駆られた。


ふざけんな。


どういう意味だ。


確かに彼女は、着実にキャリアを重ねて勉強もして今の地位を築いている。


趣味も自己管理もコントロールして、私たちからしたら眩しく見える。


だけど、1人で生活できる基盤を整えることと、1人で生きていけるということは=ではない。


1人で生きていける人なんていない。


勘違いするな。


おまえが彼女と別れる口実にそんな呪いを口にして、彼女が自分をそう思い込むことがどれほどの孤独か。


結婚が、誰かと暮らすことが、1人で生きていないということでもない。


誰かといるから孤独の人は星の数ほどいる。


ただ、彼女は沢山の人を支えて


また沢山の人に愛されて生きている。


自分の大切な人を大切にできる人だ。


遠く離れた高校の同級生の心中を思い計ることのできる人だ。


〇〇は1人で生きていけるじゃないんだよ。


〇〇は、沢山の人と、彼女が大切に思う人たちと幸せに生きていくことができるんだよ。


彼女が別れた男の人たちに刷り込まれている手垢のついたその耳触りの良い文句。


ふざけんな。である。


ねー、〇〇。私もさ一緒に同じ時代を生きてるよ。


たまに思い出して声かけあって、言葉交わして。


それだけだけどさ。それだけでもさ。


1人で生きていけるなんて言わないでよ。


甘えて頼って一緒に生きていこうぜ。


#note
#友よ




お気持ちありがたく頂戴するタイプです。簡単に嬉しくなって調子に乗って頑張るタイプです。お金は大切にするタイプです。