裁判傍聴 2012年 心斎橋無差別殺人事件 ④被害者遺族の意見陳述

(裁判傍聴の内容を忠実に再現しておりますので、生々しい描写があります。)

(書き起こしの為の手元資料にある句読点や、語尾の「!」「?」『しばらく嗚咽される』『しばらく泣き伏される』『被告人に向かいゆっくりと』のメモは私の主観要素がある部分を省きました。)

2015年6月16日

南野浩二さんより 礒飛京三被告及び法廷へ

私は かねてより 息子 南野信吾には 人様には迷惑をかけるな もちろん暴力を振るってはならないと伝えてきました

事件から三年
あなたは拘置所にはいますが生きている
でも 信吾は殺されて何もない

この差は なんですか

仇討ち
恨み

そんな、人として持つべきではないこの気持ち
この気持ちをどうしたらいいんですか

私はいいんです
私は生きています

でも息子は何も無いんです
わかりますか

命 身体 家族 友人 仲間 仕事
全て奪われた
あいつの笑顔

泣く 怒る 作詞作曲 歌くこと
全てなくなりました

何故 人を殺すの
何故 粛々と生きられないの

前日 新幹線の切符を買ってそれに乗って大阪に来た
友達と合流して お酒を飲んだ ご飯を食べた
大丸で包丁を買った

日常のこと 出来てるじゃないか

最後に最も言いたいことを言って終わります

私はあなたに 死刑以外認めません
それが人としての責任の取り方だと思います 以上

丹まさきさんより 礒飛京三被告及び法廷へ

私は母のことを「母さん」と呼んでいたのでここでもそのように呼ばせてもらいます

私は母さんから
「まさき、人様から何かしてもらったらそれは当たり前ではないぞ。なんでも感謝せねばならんぞ。」
と教えられてきました
亡くなる前日の電話で会いに行く私に
「何か美味しいもんでも作っておくよ。」と

その母さんが無差別に刺され会うことが出来なくなった

母さん っつって呼んだけど
母さんの髪が血で真っ赤に濡れていて
母さんの顔を見ると亡くなっているにも関わらず、母さんの想いが伝わってきました

なんの落ち度もないのに、母さんは殺された

怖くて 痛くて苦しくて無念
全部伝わってきたから
人前で話すことが得意ではないけれど 母さんの無念を伝えることなんてできないけれど 無念を伝えるために来ました

母さんはスナック経営をしていたけれど 水商売だからといってだらしなくなってはいけないと 息子には 一生懸命働いている姿を見せたいとお友達に話していたそうです
私の、、私の自慢の母親です

母さんに代わって母さんが思っていたことを言います

私があなたに何の悪いことをしましたか

あなたはこの声を聞こうとも この声にこたえようともしていません

母さんの無念を晴らすことなんて出来ないことはわかっています

でも
死刑にならなければ この国に正義はないと思います

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