裁判傍聴 2012年 心斎橋無差別殺人事件 ①事件概要と冒頭陳述

(裁判の内容をそのまま記載するので生々しい描写が多いです。)

初公判は2015年5月25日大阪地方裁判所にて一般の裁判員6名 石川恭司裁判長 他裁判官2名 検察官3名 弁護団4名。

[事件概要]

2012年6月10日(日)13時頃 磯飛被告は大阪市中央区東心斎橋路上で南野信吾さん(42)を、所持していた包丁で突然切りつけた。

倒れた南野さんは大きな声で「助けてくれ!助けてくれ!」と被告人に請うていたことが防犯カメラの映像で確認できる。
更に南野さんに馬乗りになって腹や首を刺し続けた。

繁華街での突然の出来事に逃げ惑う通行人。

二人目の被害者 佐々木トシさん(66)は自転車で走行中「逃げろ!通り魔や!」との通行人の声に反応し、自転車を降りて方向転換しているところを背中から切り付けられる。
被告人は佐々木さんの背中を複数回にわたって突き刺して殺害した。

新たな標的を探すも、誰もが非難しており、無人の繁華街。

唯一逃げることの叶わない倒れた南野さんにまだ息があることを見た被告人は引き返し、更に南野さんにまたがり、首、顔、腹を滅多刺しにし、殺害に至らしめた。

事件発生から数分後、磯飛被告は駆けつけた警察に取り押さえられる。

第一声は「自殺したかったけれど死にきれなかった。人を殺せば死刑になると思った。死刑になりたくてやった。」

[冒頭陳述]2015年5月25日

事件当日、磯飛被告は覚醒剤所持の実刑で新潟の刑務所から出所後二週間。

大阪在住の知人を頼り仕事を求めて前日新幹線で大阪入り。
紹介された仕事は覚醒剤の密売や除染作業など、思うような仕事ではなかった。

大阪に来る前に、かねてからお世話になっていた塗装業の親方「荻野目さん」に雇用を断られる(荻野目さん「さすがに、もう雇えないけど派遣の仕事から始めてみようや。探すから。」ショックであった。)

所持金も少なく、この先生きていく自信がない。
自殺しようと思った。

知人宅をあとにして、心斎橋大丸百貨店7階の台所用品にて凶器となった包丁を購入。
自分の腹を刺そうとしたができなかった。

ゆくあてもなく歩いていると突然
「人を刺せ この男を刺せ」という幻聴が頭の中に響いてきた。
幻聴は音量を増し、とうとうその声に従った。

南野信吾さんを刺した最初の瞬間で覚えているのはここまで。
その後の記憶はなく、心神耗弱状態であったとの弁護士の供述。

心斎橋商店街に設置された防犯カメラの動画が裁判所のモニターに映し出された。

ボストンバックと紙袋を持って歩く磯飛京三被告人が、ふいにボストンバックを路上に投げ捨て、路上で携帯を操作する南野信吾さんに歩みかかる。

それ以降の映像は傍聴席には伏せられた。

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