20200101と001

香取慎吾氏のファーストアルバム「20200101」が2020/1/1に発売される。SMAPのファーストアルバムが発売された1992/1/1からちょうど28年。「SMAP 001」は私が生まれて初めて買ったCDだ。この「001」だけではなく、デビュー当時の、6人だったころのSMAPはよくゾロ目の日にCDを発売していた。それは多分、デビュー日が9/9のゾロ目だから。このころ、ゾロ目の日は少しだけ特別な日だった。

「20200101」が1/1に発売されると知って、「SMAPのファーストアルバムと同じ日だな」と思った人は多いと思う。わたしもそうだ。しかし、わたし自信はここ数年1/1に特別な思いを抱くことはなく、どちらかといえばピリオドの日となった12/31に意識がいっていた。そこに1/1発売のおしらせが舞い込んできて、「あ、28年前と同じ日だ」とハッとした。

彼と彼の周辺はきっとわかっていてこの日を選んだんだと思う。彼は本当にファンを喜ばせるのがうまい。「END」の記憶を「START」(あるいはRE-START)で上書きしてくれているようにも思う。

そして、店舗別の予約特典を見て「ああ」と思った。Green、Blue、Yellow、Pink、Red、White。まごうことなき彼らの色の、6色のシリコンブレスレット。よくある販促のための特典じゃないことはすぐにわかった。「好きな色を身につけてね」というやさしいメッセージだ。(いちばん数が出るであろうGreenがAmazonなのは、配信でお世話になっているからなんでしょう、きっと。)

SMAP時代の香取慎吾氏は、正直なところ、そこまで「歌」に思い入れがあるようには見えなかった。でも、新しい地図の初めてのファンミーティングに行ったとき、彼の歌にわたしはびっくりした。歌声には「伝えたい!」という気持ちがあふれていて、なんかもう、とにかくすごかったからだ。「これこそが『新しい詩』だ」とも思った。

このアルバムで彼は、聞き慣れたあの声で、知らない歌を聴かせてくれるのだろう。そして、新しいものを生み出しながらさまざまな手段で「忘れてないよ」と伝えてくれることに、心が温かくなる。わたしの思い違いでなければ、彼とファンの間にはある種の対話が成立している。

「SMAP 001」についてきた初回特典は、銀色のチープな指輪だった。あの日から28年。慎吾ちゃん、歌をやめないでくれてありがとう。


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